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31話 ひいおじいちゃんと神田輝樹(第三回戦宣戦布告)

一気に冬になりましたね。私個人としてはあまり寒く感じません

最近どうでもいいのですが筋トレ始めました

お腹の肉が気になっています


自分ごとではなりますが家族である特集を見たときにこんな会話があったのを思い出しました(代理:田中家のみなさん

「花:海・自の潜水艦特集だ〜」

「涼:あの白い制服ってかっこいいよね〜。ああ言うのにみんな惹かれるんだろうな〜」

「花:はわ〜」

「涼:今絶対夢見たでしょ?」

「花:見てないよ。」

こんな会話をしていて思いましたひいおじいちゃんが聞いたらこうなるんだろうなって

「源一:海、自とか磯臭いだけだし?それなら俺たちの方がかっこいいよね?陸の力なめんなよ?」

なんて思ってるんじゃないかな?

花世、結局締め切りに何も思いつかず死す!勝手に殺していくスタイル

本当は違う、結局自分の考えた企画書とコラムが出来上がったのはいいが編集長であり花世の上司でもある井上よりもっと上の人間が今回の雑誌を出版しないことが勝手に決まり

それが知らされたのはついさっきのこと、書いた記事が全部ボツネタになってしまい他の編集者ですらきれた。井上ももちろんのことプッツンForeverだ。

だがそんなことも言ってられず、まぁなんとか花世が書いた別のネタを突っ込んでなんとかやってのけた。とりあえず、花世が得意な一ヶ月着こなし方法とかいうものだ


「花:ざっけんなよあのすだれ頭野郎」

「創:姉ちゃん、そういう時もあるよ。手に持っている軍刀をひいおじいちゃんに返してあげて・・・ほら縁側で浜に打ち上げられた哀れなアジみたいになってるもん」


すこぶる機嫌が悪い花世。自分のアイデンティティがないことに干物とかしている源一郎。そんな2人を見るのが面白いがとりあえず物騒なものを何とかして欲しい創真。


だけどそれ以上に花世は気がついていたことがある、やけにこの軍刀は重たくて仕方がない。この前持って見たときはそうでもないのに

中に何か入っているのではないかと疑問に思うほどに


「花:まさか・・・・ね?」


源一郎が何かやったのかと思えない、例えば・・・この先は言わなかったとしても。とりあえず干からびている源一郎のそばに行こうとしたときに玄関の方に気配を感じる


ピーンポーン


花世が家にいるときは大抵来る人といえば高校生軍団、もっぱらギャルの二人組か幽体化した源一郎の友人でありそのひ孫の相川雪乃くらいだが、そこにいたのは軍団のボス的ポジションの西川真司だった。

背は源一郎より少し低いくらいだが、細身の体に見えないほどの筋肉質、筋はある方だと自分で言っている。確認しないとここんところわからない

いつものちゃらけた印象の真司だが今回は違うなんだか重苦しい表情を浮かべて源一郎の元にやってきていた。


「花:どうしたの?珍しいね、1人で来るだなんて」

「シン:実は相談があって・・・源一郎に・・・・」

「源一:儂に何か用向きかな?」


花世の後ろからひょっこりと顔を出すおおじいさま、近くに来ると梅のいい匂いがして惹かれそうになります。後ろからイケメンが来たから普通びっくりすると思うけど田中一家はこれが日常茶飯事なので慣れました

という事はおいていいけど。西川は「うん」だけ言って悩んでいるような顔を浮かべている。



「シン:実はさ・・・神田のことなんだよ・・・。最近あいつ元気が無くて・・・・もしかしたら前にあったあのことをずっと引きずってるんじゃないかって」

「源一:あのこと・・・・確かに引きずるな・・・・だがもう月日は結構経っているではないか?」

「シン:それに、学校でも様子が変だし。激ヤセしたから、相当だろうなって」



「吉:ストレスが原因かと・・・・・。じいちゃんいっぺん会った方がええで。本人絶対なんか悩んでるんやって」



急に現れた、関西弁刑事の吉野。というか庭先でさっきまで焼き芋するねんとかほざいていたのに庭先からこいつも顔を出すもんだからこっちもこっちで収拾がつかなくなりかけている

気配を消すのは刑事の当たり前なのだろうか、全くと言って気がつかなかった。源一郎以外は。


「シン:今日このあと学校なんだ・・・・なんか急にあるって連絡が入ったから・・おかしいよな、休みなのに急に学校があるだなんて」

「源一:では赴くとしよう・・今の学校が気になっていてね。支度をしてこよう・・・」



そう言って家の奥の方に消えていく源一郎の姿を見ながら家に西川を招き入れた。今日は日曜日、学校があるのはクラブをやっている人間からしたらおかしくはないが


急に授業が行われているのは今までなかったという。教員と仲がいいというかまぁあれなんだが担任の連絡を知っている。そのときに聞いたときにも教員に知らされたのは

ついさっきのことだという、いきなり学校側から呼び出されたというのだ。


「シン:なんで学校があるんだよ!休みだろ普通!!」

「花:どこかで振替とかるんじゃない?急にあるって言われると確かに嫌だよね」


だが着替えていた源一郎からはそう言った事は考えていない、西川の背後にもっと嫌なものが映っている。間違いなく傀儡の香り・白石のニオイそのものがつんと鼻についている。



西川から臭っているわけではない、ひょっこりと空を見上げた時に彼の後ろにくり粒子がふわふわと漂っていた。空には検察の聴取に行った時に見た黒いものが空間を漂っていた。

その方向が一つに集まっている、おそらく雛城高校があるのだろう。偶然とは言えない、神田の事と言いこの時間に西川が訪問して来たこともある

壁にかけられていた時計の時刻は8時半。ここから学校は遠くはない距離。今行けばまだ間に合う時間だ


「源一:では行って来るよ・・・嫌な気配を感じる・・・何も起こらなければいいのだが・・」

「晶:不穏な空気というものなのですか?」

「源一:なんだろうな・・・雛城高校の方から嫌な気を感じて仕方がない。真司のこともあるからな」



軍服に着替え終えて外に行く前に、花世が持って着た軍刀を腰に下げる。



やけに重い、何か中に詰まっているのか?



常に身につけているからこそ自分の命を守るものには手入れは怠らない。早朝も刀に手入れをしたのだが何の変哲も

無い、いつもの愛刀だ。だがそれが妙な感じになっている


「シン:学校始まってしまう。行くよ源一郎!!」

「源一:こう見えてもわしは年なんだ。もう少しゆっくり行ってくれ」


生まれてこのかた105年、普通に考えたら老体。それに鞭打っていこうものだから少しは優しくしてあげないといけない。


とりあえず、源一郎は玄関前に置かれていた西川の自転車の後ろに乗っかりニケツして学校までいく。(これは一応道路交通法違反なんで真似しないでください)

刑事たちが見ていないからよかった、だが家の中でぼーっと書類の整理をやっていた吉野の携帯が鳴り響く。相手はライバル認定している下川から、基本的に無視するのだがこんな時間帯にかけてくるのが不審だった


「吉:ヘイヘイ!どうしたブラザ!何かあったっかYO!」

『下:そんなに悠長なことが言ってられないぞ!!昨日の夕刻、二課の人間が張っていた河野ゆりが消えた。地面には何かを引きずったような跡があったとよ!!』

「吉:まさか、だいぶ前に見たクグツとかいうやつか?」

『下:それにもっと最悪なことがわかった。あの私刑死体について・・・・・・』

「吉:・・・・本気か!・・・・マルタイ(警察用語で対象者)も突拍子もねぇな・・・この結果、じいちゃんにいうよ?」

『下:頼んだ・・・・科捜研からの方向が出たらまたいうよ』


事務作業をしている手が止まり窓から見える嫌な何かを吉野自身も感じている。気持ちの悪い何かが心の中を通って行く感覚そのものも


電話越しに聞い死体の解剖結果が最悪の殺され方をしていることも、よほどの手際がいい人間じゃないと考えがつかない。遠い昔に源一郎がぼそりと軍人ならな・・・と言ったことが気になっていたが

ビンゴのようだ。こっちからでも足も出ないような状況は変わらず


「吉:何も・・・起こらないといいのだけど・・・そうも言ってられないか・・・神頼みっていうのかな」


チャリを走らせて15分。ようやく西川が通う雛城高校が見えた。白い外観に清潔感を表すためか大きな窓ガラスがはめ込まれている。

最近できた進学校というものなのだろう、よほどお金がかけられているからできるのかもしれないが。

校門について西川は立ち止まる。高校生の中に年上の女性や中学生とは程遠い女性もあちらこちらにいる。中には高齢の女性もだ。


「シン:あ〜、いきなり決まったのは公開講座のためか・・・最悪だ。」


立て看板には大きくプチオープンキャンパスと書かれていて、昼頃には特別公開講座なるものが設定されているような風貌を出していた。


急に決まったのはゲストスピーカーとなる講師の都合のようだが、そんなことにはくれずに源一郎は学校の中を見渡す。確かに黒い粒子のようなものが漂っているが

それ以上にこの学校の中にいてはならない何かが入って来ているようなものを感じている。

長年の軍役からついた勘がいう、敵がもうすでに潜伏している。


「シン:源一郎、とりあえずそのまま教室に来てよ。みんなあんたのことは歓迎するだろうし、でもまだ姿は消していてよ」

『源一:あぁ・・・(まだ動かないようだな・・向こうも)」


学校の自転車置き場から歩いて数分で昇降口につく。ここで上履きと交換するのだろうがあいにくそう言ったものをもちあわせていなかった。


「今日は下ばきでもいいぞ!西川」

「シン:まじかよラッキー!」


廊下にはブルーシートを厚手にしたようなものが敷いていある、下履でも汚れないようにしているのだろう。

これには2人ともありがたかった。階段を登って三階の教室、そこが西川の教室だった。西川が入って来てもみんな何も言わずに友人同士で話をしている。


これがいつもの光景なんだろう、だが1人違う人物がいる。同級生たちがそれを見てなんとかならないものかと口々に言う。源一郎もその姿を見て驚く、確かに面影は神田輝樹だが急激に痩せているせいか覇気がない


「シン:・・うっす!。なぁ神田どうしたんだよ最近?」

「神田:何もないよ・・・何も」

「シン:何もないことないだろ?らしくないんだって!!」

「神田:・・・・そうかな」


これは平行線だななんて思った時に誰もいない空間に肩を上下に動かす。もちろん神田はそれを見ていて不審そうに西川をじっと見た。

壁際に座る相川雪乃はなんとなく誰がその場にいるか察しはついていた。それに向かって軽く手を振る


「源一:少しばかり、このジジイが話を聞いて見せようか・・・久しぶりだな。随分と痩せてしまっているね?」


声の主がどろりと空間を溶かすようにその場に現れる。実はあの一件以来神田が勝手に行為を持ちファンになってしまった人物


もちろん爺さんなんだけどね、ほのかに香る梅の香りときっちりと着こなした軍服が姿を見せた時神田は頬染めて両手で口を掩い塞ぐ、尊敬している人が目の前にいるだけで心臓が飛び出て来そうになっている。


「神田:本物?本物ですよね?」

「源一:ならわしに触れてみるか?心の臓が動いているのを探って見てもいいが?」

「神田:あ・・・あ・・・・ごめんなさい無理デスゥゥゥああああああああ!!」


奇声をあげながら神田は教室を飛び出し何処かに消えてしまった。なぜ叫びながら消えたのか皆目見当がつかないが、源一郎の心にポカンと穴が開いたような感じはする

飛び出して行く前に顔色を見てなんとなくそうなのだろうと思った。頬を赤く染めて初恋の人にあったかのように口角が緩やかに上がっている。


昔、源一郎が予科生(現代でいうところの自衛隊高等工科学校)だった頃に尊敬していた人に尊敬し、頬を染めたことがあった。それに似たようなものを感じている自分がいる 

そういうところでは神田の心境と源一郎が幼い頃の心理的な部分にどこか似ているものがある


「源一:それでは、輝樹の元に向こうとするか!!そう遠くには行かぬだろう」


源一郎の目が美しく金色に光り、あたりを見渡した後片膝をついて地面をこれでもかと言わんばかりに殴りつけた!!


ゴツン


鈍い音が響くが源一郎はまったく違う景色が見えていた、昔この能力を使い始めて間もない頃はものの形状を知る程度が精一杯だったが数回使用した程度で建物の中にいる人間やその人間たちの会話や心理状態まで探ることができるまでになっていた。



これが六感探知の能力の最大限のパワーだ。


「源一:なるほどなぁ。あまり人気がいない場所に行ったか・・・ではまぁ授業が始まる前には連れて帰ってくるとしよう!!」

「まさ:源一郎できるのか?っていうかこの前よりも光っている目が綺麗に見えるのはなんだろうな?」

「源一:気のせいであろう?・・・まぁ行くとしようか!」パチン!


指を鳴らした瞬間に瞬く間に源一郎の体は赤い炎に包まれそれと同時に消えていた。火災報知機はならずに1人でに扉が開いて閉まる、神田の元に向かったのだろう


この時、普通の人間であれば驚いて悲鳴をあげるのだろうがあの事件の後消して驚かなくなった。驚くがちょっとやそっとのことでは構わなくなったという

廊下を歩いて行く中で気になっていた嫌な感覚や黒い粒子は感じられなかった。早とちりだったのか?だが西川についていた黒いものの正体の説明がつかない


廊下の奥、階段の角の方に小さくなるように神田は座っていた。相変わらず頬は染まっている。座っていたわけではなく負荷をかけて走り込んでいた


(神:僕はもっと!!もっと!!)

「源一:なるほど・・・そう言うことか・・・」


一通り彼の中の区切りがついた頃に源一郎は姿を現し声をかけた。


「源一:そのように縮こまってはわからんぞ?何をそれほどに逃げていく?」

「神田:あ・・・あの・・・あ・・」

「源一:儂が怖いか?」

「神田:違います!あの時助けてくださってありがとうございました!!あの時、自分が自分じゃなくなっていて・・・・」


神田は言うにはこうだ。


あの事件が起きる前に誰かに会ったことは覚えていた、だがそれ以降はポツンポツンと欠落しどうなっていたかわからなくなってしまっていた。


気がついた時にはもうすでに源一郎がいて黒い靄のようなものが撃たれてた。そして事件以降に同級生たちに何が起こったのか知って言葉が出なくなってしまった。


そしてもっと自分がそれに気がついていればこんなことにはならなかったと後悔し、食べ物を受け付けられなくなってしまっていた。


だが、そんな中でも自分の中に尊敬できる人がいた。それが源一郎であったと。そして物心ついた時に彼のように優しくて強くなりたいと願い始めた。


塾に行きつつ、同級生の坂本が通うボクシングジムで体を動かしていくうちに痩せて筋肉がついていき体力もついて行ったと言う



「神田:この前の模試で自分がどれくらいの成績で志望校に行けるのか見てみました。このまま成績が良ければ入れそうで・・・」

「源一:お前さん、確か2年だったよな?そうか来年は大学とかにいくのか・・・いいのぉ儂も行ってみたかったの〜軍人でなくても大学はそう行けぬ」

「神田:そうですね・・・当時はそう行った時代でしたもの・・・」

「源一:さすれば、どこを狙う?帝国大学か?」

「神田:いいえ・・・防衛大学を狙おうと思っています。昔の士官学校です!!」

「源一:そうか!!士官学校か・・・あ〜思い出した。あれは地獄だった。輝樹よ、やるなら徹底的にやれ!士官学校に入ったら海軍に負けるなやってやれ!!」

「神田:そんな無茶な・・・あは。あははははっはは」



2人は声をあげていつのまにか笑っていた、彼の心の中になった突っかかりのようなものの一部を外してあげれたのかもしれない

だから、こうやって笑えたのは源一郎の能力なのかもしれない、人の心にど直球に入り込みながら丁寧にその奥の何かに触れていこうとするのは


「神田:そろそろ行きましょうか、公開講座が開かれますから」


軍服の上着のポケットから懐中時計を出してみてみれば9時になる数分前と言ったところ。話し込んでいてここまで時間が経っていると思わなかったらしい

よっこいせと立ち上がった時それは起こった


ズキン


頭の奥が痛む、やけにひどい頭痛を感じ周りを見渡した時に頭痛の意味に嫌気がさす。黒い粒子が空間を多い天井には植物の根っこのようなものが辺りを走っている


「神田:何これ?これが田中少尉さんがみてた景色なのか!?・・・・そういえば、あの人に会った時首に何か刺さったような感覚が・・・・」

「源一:誠か!!・・・もしもそうであるならば・・『吉:おじいちゃん〜!聞こえていますかぁ〜あなたの心に直接話しかけています〜』」


頭の中に響くノイズとともに吉野の声が響いている。だが声色が切羽詰まっているのは言うまでもなかった

源一郎の能力の幅が広かってくれたためか、無線機と強く念じれば誰でも会話することが可能になっている。思考伝達もなかなかに使い勝手が良くなった


『吉:あ。通じた、通じた。と言うよりも、とびっきりのネタを持ってきたぜ。いい方と悪い方があるけどどっちから聞きたい?』

「源一:いい方から頼む。幸先が良い方がいい」

『吉:オーケー!いい方はこの前の私刑リンチ事件のことよ。犯人の足跡にある人物の跡があった。誰でしょうか?』

「源一:白石富治か・・・あいつめ・・痕跡は残すなとあれほど教え込んだと言うのに・・・」

『吉:それが違うんだな〜。正解は河野ゆりだよ。ぴったりと当てはまってさ。おまけに防犯カメラにもバッチリ映っていた。』

「源一:防犯かめら?・・まぁいいさ。で悪い方は?」

『吉:その河野ゆりが今朝がたいなくなっていたのを職員が発見して、二課の人間が調べたら廊下のいたるところにヘドロみたいな真っ黒い何かが跡を引きずるように見つかったって』

「源一:・・・・・まて。今河野ゆりがいなくなったと言ったな・・・・・まさか・・・・今すぐ雛城高校にこい!!じゃないとまずいことになる!!』


ちょうどこの会話をしていた時、相川雪乃のそばに不穏が近づいていた。


「雪乃ちゃん、ちょっといいかな?」

「相川:は〜いちょっと待ってね・・・?(あの人誰だっけ?)」


言われるがままその人の案内を受けて廊下を奥の方に進んでいく。それに連れて嫌な何かが心の奥の方に入り込んでくるような


気持ちの悪いのものの中に進みたくはないのに無理矢理に進んでいく感触に蝕まれていながら進んでいる自分がいた

廊下を振り返ったさきにいたのは口から大量の黒くて腐った匂いを放ちながら嬉々として笑っている。その姿を見て自分がこいつにヨバレいていたことに


気がつかなかった自分に呆れて笑っていた。


「相川:やられた・・・・本当に嫌だよ・・・・源一郎じいちゃん助けて・・・ね」



嫌な微笑みを浮かべて相川の意識は遠くの方に消えていた、助けを求めて・・・ヒーローを求めて


ねぇあそこにいるのは誰?


そうクラスの中で誰かが言った。窓のそとから生徒が指差す方向を坂本はじっと見ていた。そこにいたのはボサボサの髪に異常なまでに眼球が動いていて

ダバダバと口から液体を出す、河野ゆりの姿だ。その腕には気を失って動かなくなってしまっている、雪乃の姿があるだけだ


『河野:お〜いミカヅチ!!きてるのはわかってるんだよ!!とことんまで遊ぼうぜぇぇぇぇ!!!』



キヒャヒャヒャヒャ!!!!あーヒャヒャヒャ!!



不気味な笑い声がその空間を支配していた。そして誰もそこから動けないでいた、坂本真斗をのぞいては


「まさ:雪乃・・・・雪乃。 雪乃を返せ!!殺してやる!!」

「ちか:ちょっと!!」




異様な雰囲気に源一郎もすぐさま校舎の外に出た。あちこち窓が開いていてそこから大勢の生徒がそれを見ている。

視線の先には血だらけで倒れている坂本真斗の姿があった。


「源一:なんと言うことだ・・・・河野ゆり・・・貴様。この子たちに何をしたぁぁ!!」


怒りにかまけて姿が見えてしまった。それで騒ぎになるのは仕方がないが、かつての友人の遠い子供の夢や未来を壊すのであれば



容赦はしない




「河野:本当にいたのか!!まぁ今はそんなことはいいよ。お前武器とか持ってないだろ?だったらまた今度遊ぼうぜ?その時までにはちゃんと・・」ゾクッッ



目が鈍く光っている。血の色に染め上げられた目がじっと河野を見つめていた。心臓に大きな杭を刺されるようにとてつもない痛みが襲っていた。



「源一:黙れ、傀儡風情が・・貴様が無駄口叩けぬように今から殺すことだってできるのだぞ?」

「河野:そうカッカしないでくれヨォ?『にぃさん』に頼まれごとだって受けてるんだからね?俺を探して見つけてみろよ?」



じゃぁな!!



相川を抱きかかえながら黒い霧は遠くに消えて去って行った。



「まさ:じいちゃん・・・俺また・・雪乃のこと・・・守れなかった・・・クソックソォォォォ」

「源一:今は・・泣けるだけ泣け・・俺があいつから雪乃を取り返してくる。それまで待っていろ」


そこに広がる腐臭を漂わせている足跡のそばに雪乃の痕跡が残っていた。

第三回戦宣戦布告トイタシマセウ


長々と書きましたが更新します!!

神田のことがわかったところで河野ゆりが動きましたね。

最後の方に出てきた『にぃさん』って誰のことなんでしょうね?

源一郎がまた「俺」って行ったことも忘れないように覚えていてください

来週くらいね


次回予告

雪乃が消えて消息がつかめないでいた。

「ハヤスケ:どうか・・・あの子を・・・雪乃を見つけてください」

そんなときに頭の奥に響く雪乃の声

(雪:源一郎じいちゃん!!ひいおじいちゃん!!助けて!!)

声の方へ進んでいくとそこは・・・・

「源一:ここは・・・?」

「下:失踪した相川雪乃さんの・・・!!」

次回

ひいおじいちゃん対河野ゆり


「??:ようやく来たか。来たところで誰も助けられないぞ?田中源一郎」

「源一:これが・・・俺だ」


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