29話 ひいおじいちゃんともう1人の河野拓巳
どうも作者です、昼に投稿したのはさっきまで寝ていたためです
ほんとほんと。
今回は長いです、自分でも長くなった原因は解明しておりますので今後再発防止に努めさせていただきまして
・・・え〜まぁいいや
では、ゆっくりご覧ください
最近ずっと忙しく感じていた源一郎、裁判受けるわそこで傀儡が出て来るわ。無罪になってホット胸をなで下ろしていた矢先おばけ工場に行く用事ができ言ったところで貴俊と優子の兄に出くわして
中に入った途端、幽霊もどきの友人たちと出会い家に帰った途端に急に宴会が始まって汚くなってしまう。そこから覚えていない
源太の妻である晶子に聞いたら恐ろしかったとしか言わない。確かに庭には穴が2つ空いている。優子に聞いたらありがとうしか言わない。
貴俊と優子の兄である岳明をこの壕の中に埋めたらしく、お酒の力は怖いとしか言えない。笑いながら穴を掘って埋めたと聞いた時、自分でもどうかしていたとしか言えない
「源一:儂は一体何をしていたんだ。」
朝の5時過ぎ1人目を覚まし薄暗い庭先で朝の日課の素振りをしていたはいいが気持ちが全くとってこもっていないことに内心苛立ちを覚えている。あの宴会の後に胸焼けを覚えていた、そのせいで長い間油物と肉類は控えている。そのためか、この家に来て少し体重が増えたものの健康的に少しだけ痩せた。むしろ痩せたというよりも体が引き締まったと言った方がいい。
だがそんな素振り中に見かけたあるもの。久々に見たあいつが源一郎の方を梅の木の上からじっと見ている、それを見返すように源一郎もじっと見ていた
朝の5時半
庭先の方から嫌な予感がしていたことに気がついた晶子。隣で大の字で寝ている源太を蹴っ飛ばし布団から出て庭先に向かう。この時間帯は基本的に静かな場所だが何かを咀嚼する音が聞こえている
何か肉を噛んでいるような音が、恐る恐る薙刀を持って庭先に出てる。
「晶:お義父さん、一体そこで何をして・・・蛇を食べている?!」
「源一:おにゃかヘッファ(お腹減った)フフィ(つい)」」
「晶:お腹壊しても知りませんからね。この前テレビで見ましたよお肉を食べて食中毒にかかって手足に力が入らない・・・・・」
「源一:もういたしません」
源一郎の突然の野生解・・・ではなく昔を思い出したような行動にこのあと家族全員がドン引きすることになるのですが。そりゃそうだよね、凛々しいお顔にたっぷりのトマトケチャップつきまくってたら誰だってびっくりするしそ
んなのに耐性ない人にとっては嫌な塊じゃないなのに何でよ、優子ちゃん。あんたごっつ気に入ってるやん
「吉:なぁ見てみ!!イケメンやろ?黒い服装やろ?なぁバンパイアやん」
「下:ハロウィンが近いから発狂してるんですね。わかります」(わかっていない)
「李:ハイパーわかり哲也!!」(わかっていない)
「浅:間違っていないけど間違っている」
「島:おれSATに戻ろうかな?今からでも間に合う?」(元SAT隊員の本音)
この朝、何も知らない高校生軍団が朝早く田中家を訪れて血まみれの源一郎を見て失神するのはそう遠くない話
「しん:久々に登場したけどさ?何で血まみれなの?」
「まさ:なぁげんいちろう?まさか血に飢えたバンパイアなの?」
「ちか:インス○にのっけていい?」
「さき:ツイッ○ーじゃない?」
「源一:ばんぱいあ?インス○?何それ?」
そんなことを言っているが、モザイク必死のそれを源太が嫌々ながら貴俊を埋めていた大きめの壕の中に入れて埋葬する姿を晶子は見逃さなかった。
そして、訴訟を起こそうと梅子や涼子に行ったのはその10分後。創真がこの話を聞いてとうとうこの家もおしまいかと行ったのは知る由もない。でも終わらせない、何が何でも
午前9時
今日はこの家の家業である剣術の道場が開かれる。休日ということもあって道場の中には子供の門下生がたくさん集まりまたその保護者がたくさん集まっている。そしてあの高校生軍団もだ。今まで金髪であったまさも角が取れて髪の色を金髪から黒色に変え坊主刈りにして来たらしい
それはしんも同じこと、今までつけていたハードアクセというものをとったらしい。この時間だけ。
それじゃあ始めようかと源太が言おうとしたときだ、保護者もとい奥様方の目線が源太の方向を向いていない。庭先にいる源一郎の方を頬染めて見ている、気持ち化粧の色が濃いような
「源太:それじゃあ始めましょうか。宜しくお願いします。」
一斉に声を上げるが全員の視線は道着を着ながら庭先でカラスやスズメ除けのネットを外す源一郎の方に向けられている。立派に米がなったと喜んでいるが手に持っている鎌を使おうとはしない
源一郎の若き時と違いアレルギーを持つ子供や大人がいたらとんでもないことになるらしい。いわゆるアナフィラキシーショックを起こしてしまうという
彼が軍役に着いた時イネ科ではないが食べ物でアナフィラキシーを起こす部下を見たことがある。その当時は好き嫌いとしか見られていないため無理に食べさせるのが当たり前だったが
今の医療知識の高さを知り、あえてネットは慎重に外しつつ一番アレルギーの元が飛び散りやすいであろう稲刈りは門下生が帰ってからにしようと考えた。もちろんこの中には稲のアレルギーで苦しむ子供もいるだろう。ということだ
「おじちゃん、お米作ってたの?」
1人の少女が源一郎の作った米を興味津々と見ている、この子は元を言えばイネ科のアレルギーを持っていた。最初はかゆいと言っていたのにこの子の親に聞けばそれが治ったというか解消されたらしい
いつのまにか体がそれに慣れたという。
「源一:もち米だよ、正月に食べるものだがそれがどうかしたのか?」
「アレルギーが消えたの。おじちゃんのお米だけだけど」
「源一:いつのまにか荒治療になっていたのか・・・人の体とは面白いものだな。おじちゃんもそっちに行くよ。待っていなさい」
奥様方の目の奥が光りました。今ので。でも今日源一郎が相手するのは子供だった。そんな子供ですら目の奥が光っている。特に男子。
イタズラすると決めている男子が何人かいる。源太はおじいちゃんだからということで逃れたが源一郎はおじさんだしいけるっしょ!っていうノリで
この前もそれで浣腸されて、HPが0になったのはいうまでもなかった。案の定子供からのいたずらでほとんど半日丸座布団パイセンのお世話になったのは言えない
お昼時
道場は開いてはいるが源一郎は誰にもわからないようにこっそりと着替えを始める。梅子がデイケアに行くというのだからついて行くしかない。不届きものが現れないかということと、カワノタクミの存在に関して知るため。
おばけ工場に行ったあの日、花世は神田から聞いた全てを家族の前で全部ゲロった。
いわゆる全部知っていることの全てを話したということ。源一郎がいわゆる建御雷兵であるということも白石が建御名方兵であることも最初、日本神話の話をしているのかと思っていた源一郎、というか花世もそう行った知識がないためとりあえずありのままのことを話した瞬間に梅子と晶子は失神し10秒で息を吹き返したが本当に驚いて浩一は疑い始めている。
とは行ってもカワノタクミに合わないことには何も始まらない
ということで梅子にストーキングを決行するという結論になった。一通り自宅の農作業を終えてクリーニングしてほやほやな制服を用意する。門下生たちが源一郎が出て行くことにブーイングが起きたなんとか断って軍服に着替えて勝手口から姿を消して梅子のそばに歩み寄る
「梅:お父様・・・・そばにおられますね・・・・」
『源一:あぁすぐそばにいるよ。もうすぐ迎えが来るようだ』
「梅:そうですね・・・・お父様。向こうでは食事は出されませんが大丈夫ですか?」
『源一:二、三日食べずとも平気だよ。安心しなさい儂が夜中も起きて眠りを妨げる不届きものをぶっ飛ばしてやry。ではなく梅子が言っていたカワノタクミのことが気になるな』
「梅:あらあら。でも聞くのは今日のみですね・・・・・私の方でもなんとかします」
なんとかする。白石の関係者がいるということなのだろうか・・・それでも聞かなければ自分の存在について知らなければ。家の近くを通る大通りの方から白いバンがこっちに向かってやってくる。車のライトの上に貼られている青色に白いマークがそうなのだろう
自宅の前に停車し梅子を迎えにきた。車から降りたのはいかにもボーイッシュっと行った感じの女性と言った人だ
「田中さん、こんにちは一日だけですが宜しくお願いします。」
(源一:愛らしい顔をしているのう。めんケェが花世の方が勝ったな)
「梅:歩夢君。こんにちは。コンテストどうだった?」
「歩夢:なんとか予選は通過かな?決勝はまたこんど。男装って難しいよ」
(源一:ファ!!おなご?え?オトコ?はい!?え?あの?え?!?!?!?!?!?!?!!??!??!?!?!??!!??!?!?!?)
「梅:じゃぁ宜しくお願いね。涼子ちゃん行って来ます」
「涼:行ってらっしゃい。一日だけだけど寂しいです、歩夢さんお願いしますね」
(源一:アタマガポアポアスルンジャァ)活動停止
梅子は車に乗り込み、源一郎はとりあえず何もわかっていないがとりあえず車の屋根にへばりつきデイケアに行くまでの間、後続できた本日の監視役である島津と李はただ落っこちないかどうかが心配ですかない
落ちたら大怪我だけでは済まない。いくら花世が言っていた「建御雷兵」であっても時速60キロで走る車から落ちてぶつかれば大変だ
「李:田中のじいちゃん、大丈夫ですかね」
「島:大丈夫なものか、指が血だらけになっちょっじゃろ。きっと」
「李:デイケアまでなんとかなって欲しですね」
「島:思たんじゃっどん前の車、速度早えよな」
そして、島津たちは顔を青ざめさせた、バックミラー越しに見た景色にはバッチリ後ろに白い悪魔がいるずっとこっちを追いかけている。速度を落とさない限り確実にまずい。自分たちが
少し速度を緩めてみる。そしたら今度は前の車、つまり源一郎がへばりついている車の間に入って来た
バレたかな?違う。前の車も速度を落としたがそれでも追尾を止めようとしない。源一郎がバレた説が濃厚ジュース100%になったのです
しかし、源一郎本人は姿を隠しているからわからないはず。だがみんなの天敵オービスが反応して来たのかも?
とりあえす、無線を入れておくべきかと思った。
(源一:後ろがら変なのがづいで来でる。待でよ、おらの存在が見づがったのが?)
ジーーーーーーー(赤ランプくるくる回るー)
(源一:完璧さバレでる!!やめで、あっちに行げ!)
車が止まり、前を見ると信号が赤色になっている。もうダメかと思っていたが、白バイは何もアクションを起こさない。再び信号が青色に変わって動き出しても白バイは付いてくるがことは起こさない。デイケアに到着し梅子たちが降りて来てなぜ付いて来たかすぐに判明した、すぐ近くに警察署がありそこに帰る途中だったらしい。
結局何も起こらなかったがじじいはとりあえずフラフラになりながら施設の中に入った施設の中はいたってシンプルな作りになっている。階段はあっても段差が小さいためあまり足を上げずとも歩行は可能で車椅子で生活している人もエレベーターとスロープがあるから、移動は簡単なようだ。
とりあえず用意された部屋に入って梅子はベットに腰掛けた
「梅:お父様、つきましたよ。」
「源一:ドウシテコウナッタ」
「梅:歩夢くんのことですか?一応女の子なんですよ?ただ断層が上手なだけですから」
「源一:オラーハシンジマッタダー、オラーハシンジマッタダー。テンゴクニーイッタダー」(現代に付いて行けなくなりました)
「梅:お父様、まさかメ○○○ア?AI兵器だったのですか?」
何かを勘違いした梅子、源一郎の頭に触れて記憶版があるのではないかと探りを入れる。
「源一:あるわけないだろう!。でも可愛いからいいよ。それよりも梅子が言っていたカワノタクミはどこに?」
「梅:彼はまだきていません。ただ彼のことなのですが、非常に足が悪くて。あゆみちゃん、あの歩夢くんがいうには以上に足が膨れていたっと」
あの時代の研究、つまりおばけ工場でなんらかの事故があったのかもしれない。それとも白石によるものなのだろうか
ドアの方から気配を感じ、指を鳴らして自分の姿を消す。そこに現れたのは車椅子にのり足にブランケットをかけメガネをかける白髪の老人だ
「梅:こんにちは、カワノタクミさん」
「河:こんにちは田中梅子さん」
優しそうに見る老人、これが梅子のいうカワノタクミだった。源一郎が見ただけでわかる彼はカワノタクミではない。確かにそう言った面影は見えるが自分が知っている
カワノタクミとは違う人物。
「河:田中さん、みんな向こうで待っています。行きましょうか・・・」
「梅:はい、カワノさん」
だが彼の目線は梅子に向けられているものではない、どちらかというと源一郎に向けられている。感づかれたのか?
それとも・・・・
「河:・・・・・おや?ちよさん、もう少し待っていただけませんかね?」
廊下を全速力で走ってくる、白髪の老婆が梅子の声を聞きつけてきたのだ。足音だけでこの人物が誰だかわかる
この施設でずっと暮らしている笹野チヨ、彼女はほとんど最近のことを覚えていない。いわゆるアルツハイマー型認知症を患っている。だが梅子のことはずっと覚えているらしい。
「チヨ:梅子チャーン!遊びましょ!!」
「梅子:まぁチヨちゃんったら・・・カワノさんも行きましょうか」
(源一:そういえば優子が言っていたな。現代は老いた者も昔に比べ生存率が上がり認知症といわゆる病を患うものが多くなったと・・もし仮に人に戻ったとして儂がああなったとしても家族は儂のことを愛してくれようか?)
現代が抱える何かにそっと触れたよう気がする。そんな時、ふとカワノの隠れている足のところから嫌なものを感じ取った。微弱ながらあの裁判の時に白石から感じた違和感、闇の塊のようなものと似たものが足元から感じる。
まさかな?
嫌なものを感じその場で思いっきり地面を叩き反響する音や振動を視た。この施設のおかしなところはないが、ただこの施設の奥人間がたくさん集まる場所に1人だけ人ならざるものの空気を感じ取る
見た目は女のようだが中身は傀儡だった。
大昔に取得したこの六感探知でみる景色がこの前の暴走が影響してかもっとものというものが見えている。だがカワノの足の正体がわかることはなかった
(源一:よもや・・・・おばけ工場で見たあの棺桶と何か関係があるのか?)
3人が歩いて行くその後ろを音を立てないようについて行く。軍人時代に培った経験がこんな場所でも活躍するとは思いもよらなかったが、誰かに察知されるされるよりはいいものかとはぐれないように見守ってやる
3人が向かった先は丸くソコソコの大きさがあるテーブルが置かれた多目的室のような場所。到底、施設のようには見えない趣の場所で部屋は明るく、本当にここが施設か何かなのかと疑うほど
「梅:ちよちゃん何して遊びましょうか?」
「チヨ:折り紙しましょう!」
「梅:そうですねぇ、ちょうど作りかけていたものがありますからそれをしましょうか」
「チヨ:そうしましょ!!ねぇタクミくんも来てよ!!」
「河:お邪魔しますよ」
(源一:ここは、なんとも言えぬ場所だな。だが梅子が楽しいと思えるのなら儂は何も言わぬ。)
3人仲良く折り紙をしているのはいいのだが時より感じる殺気のようなもの。ちょうどあの3人をじっと見つめる女がいた、歳は40代くらいだろうか?この場所に似つかない濃い青色のスーツと濃い赤色の口紅、いかにも大金を稼いだかのような姿に違和感を覚える
似つかわしくないと言えばそうだが、それ以上に生気が全く感じられない。それにここにいる、老人たちが気がついたのか、楽しく話をしていたのをやめてうつむき出す
(源一:そう言えば最近、創真とげえむをしていてこれを模倣したのだ。ちょうど使ってみよう、外には・・・いるではないか)
そっと頚動脈に右の人差し指と中指で触れ外にいる島津たちに連絡を取る
脳内で流れるノイズが一気に島津の声とともに消えて会話が可能になる。思考伝達という技。最近覚えたてだが実はちょいちょい家族との連絡でこれを使っている。今回の対象はもちろんパトカーにある無線機だ
(源一:隆久よ聞こえておろうな?)
『島:そろそろそっちから何かすると思っていたよじじどん。なんだ?』
(源一:この施設の長の女一体何者かな?)
『島:感づいているだろうけど。この施設はもともと河野医院っていう病院の施設。その女は河野ゆり、三年前に失踪して捜索届けが出ている』
(源一:では、目の前にいるのは?・・全くいいセンスだ)
『島:だが河野ゆり自体は生きているんだ。一年ほど前記憶喪失の状態で発見されなんとか記憶は戻ったがどうしてこうなったか未だに思い出せないらしい』
(源一:なるほど、あれはそこにいるカワノタクミの監視をする偽物っということか)
『島:一回切ります。親父から連絡がきました。こっちから何かわかり次第連絡します。もしそっちで動きがあるなら』
(源一:もちろん送るよ。終了!)
源一郎が通信を終わらせる頃には河野ゆりは消えていたが反対にエプロンを着た歩夢が立っている。帽子を外し深く深くお辞儀をする。彼女はこっちの存在をわかっている、いわゆる見えている人なのだろう。完全に目があってもいた。それに迎えに着た時も梅子を見て驚いてもいた
小細工が一切通用しない人間ということだ。彼女は再び元来た場所を戻っていく。まるでついて来てと言わんばかりに、源一郎がついて言った先にあるのは今は使われない部屋、物置になっている場所
「歩夢:いるんでしょ!わかっているんだから・・・」
「源一:なにわかっていたなら話は別だ、とって食ったりはせぬ」
「歩夢:あなた、田中源一郎さんですよね?梅子さんがいつも言っていました。あなたはとても優しい人だと。信じられないようだが生きて帰って来たと」
「源一:認知症だとでも思ったか?わが妻のことを!」
「歩夢:いいえ違います。最初は疑っていたのですが送迎の時に見てわかりました、あなたは生者なんだって。そんなことを言いに来たんじゃありません」
「源一:・・・・これは驚いた。名字が河野・・・・」
「歩夢:私は河野あゆみ。河野拓巳のひ孫に当たります。そこにいた人ではなく、憲兵隊に所属し戦死した。正真正銘の河野拓巳の方です」
目つきが似ている、本当にあの時の河野にそっくりだ。あいつの場合は仕事から目つきがきつくなって言ったが。彼女の場合。士官学校時代の初々しい拓巳の顔にそっくりここでも戦い守った証がある。
幸之助のひ孫である相川雪乃がそうであるように、河野拓巳のひ孫が河野あゆみがそうだ
「源一:あいつの武勇伝を色々と教えてやりたいところだが、そう言った事情ではないようだな?」
「歩夢:ここにいる河野拓巳さんは私のおじいちゃんの弟です。そしてつい最近までここの大元の病院組織の名誉院長でした」
でも、それが問題ではないんです。我は河野拓巳ではない。それにあのブランケットで覆われている足は誰も見たことがないんです
そんな時に彼の足を見てしまったんです。ブランケットを落としたので拾おうとしたら膝から下が異常に膨れ上がり白いものが蠢いていまし、膝には何度も切りつけたような跡が残っていましたし、一度病院の方に行った時に医療用廃棄物を捨てに行こうとしたら専用バケツに白い何かが大量に入れられていました。
ガタガタと音を立てながら動いてもいました
「歩夢:私がこの施設の看護師になってからこんなことがあってたまるかと思っていたのです。それに、施設長のことも・・・・」
「源一:見えそうで見えぬな・・・施設長に関しても、カワノタクミにしても。今晩夜襲をかける。黙っておいてくれるな?」
「歩夢:この施設の消灯は21時30分です。それ以降は常夜灯がついていますが施設の人間は誰1人動きません。その頃に・・・話が変わるのですが。私のひいおじいちゃんはどう行った人でした」
「源一:優しい、憲兵に一切向いていない男だ。拓巳は。わしの祝言の時もいつのまにか参列しては1人泣いていたし。それに暴力沙汰が嫌いなやつだったよ。あとは予科茶目だったな」
「歩夢:そうでしたか。ひいおじいちゃんは・・・会いたかった」
「源一:会わせてやろうか?タークヤーン!!」
「河:呼んだ源くん?ううん暇か?」
「「あ」」
失神しました・・・・・。
源一郎が拓巳からの報復行動にあったのは口が裂けても言えない
歩夢の意識が戻ったところで、姿を消し幽体の拓巳を連れてもう一度あの場所に戻る。3人は折り紙に夢中だがさっき以上にカワノタクミの足元の違和感が増していた
あのおばけ工場の棺桶のような場所に感じたなんとも言えない匂いが鼻をつく。もちろん梅子は気がついているようだがそれ以外の人間はそれに気がついていない
あの場所に踏み入れた人間のみが感じる独特の何かなのだろう
(河:源くん気がついてるよな?あそこにいるのは俺の弟だよ。生きていたんだ・・・)
(源一:だが、あの足元のあれはどう説明がつく?あの棺桶と何かあるのか?)
(河:源くんが帰ったあと、僕たちはあの中を見に行ったんだ。何があるのかなって。あったよとんでもないものが)
(源一:なにがあった?)
(河:白い、塊。それに塊は動いていたんだ。何かの生き物のような感じと言えばいいかな?)
(源一:歩夢が言っていた白い何かと関係がありそうだな。周りの老人たちと違い、奴には白斑が多い)
(河:今日の夜、僕も行くよ。弟と話がしたいから。あゆみ、絶対にこのじじのことをよく聞き分けるんだよ。また夜にね)
ふわりと煙が消えるように彼はいなくなった。いや源一郎がある頼みごとをしてそっちに言ってもらったという方が正しい。ここからそう遠くない病院の廃棄物を置く場所に飛んで行って調べてもらう予定だから。
歩夢が見た白い何かの正体をここからそう遠くはない病院に向かって言った。
夜まで時間はまだある、だからと言って姿を見せればここにいる人間達は驚いて怖がることは間違いない。
歩夢が源一郎の裾を少し引いて何か合図を送る。その視線の先は外の景色が見える大きな窓の方向に向いている、スーツを着た人間達がちらほらと見えている
(源一:あれは捜査一課のものではないな・・・白石の手のものか?)
そしてもう一つ気がついた、河野ゆりがじっとその人間達をみて口角をめいいっぱいあげて笑っている。かと思えば真顔に戻り再び奥の方に戻って行った。
このまま嫌な緊張が続き、立ったままうたた寝ていた源一郎。隣には歩夢はおらずその代わり椅子に座ってこちらもうたた寝ている梅子がいるだけ、懐に忍ばせていた懐中時計を見ればもう夕方の5時をすぎた頃だ。
そろそろ夕食どきなのだろう多目的室と反対の方向からいい匂いが漂い始めている
だがそんなもの源一郎にしたら知ったこっちゃない。家から持って着ておいたガチガチの乾パンを腰に吊り下げていたカバンから取り出し匂いをおかずに食べ始める。変なところ頑固になる源一郎の悪い癖
(源一:乾パンウメェ・・・・白ご飯食べたい)
夕食が配られたのは夜の6時
さすがに源一郎はここで苛立ちを覚えている、腹減った。でも梅子が幸せそうに微笑んで食べているからもういい、許す!!
歩夢はというと1人で食事を摂れない老人に食事を食べさせていた。看護師ではあるが手が足りていないのだろう、進んで行っているようだ
(河:源くん・・・僕のひ孫もなかなか頑張ってるね)
(源一:参観ではないのだぞ・・どうだ、行って何かわかったが?)
(河:あゆみが言ったように例のあれは確かにあった。でも名前は何も書いていなかったけどすぐにわかったよ)
(源一:今夜、2200(フタフタマルマル)に決行する。準備してくれ河野少尉)
(河:そうだね、やりましょう。田中少尉)
しばらく時間はあく。
河野にこの場を任せて源一郎はフラフラと施設の中を歩いて探索する。使われない場所は電気がついていない。節約といってもこれば別の何かしか感じない
さらに奥に行けば1つポツンと電気がついているところがある。ドアの一部にガラスがはめ込まれ内部が見える。施設長室と書かれているがそこには河野ゆりはもちろんのこといない
それに、女性ものとは言えるようなものが何1つとしておいていない。無機質で必要最小限しか置いていない。
本当にいなければ侵入してもいけるのだが・・視線を外そうとした時、あれはいたニヤニヤと窓の方を見て笑っている。そして窓の方を向いて1人ぶつぶつと呟いていた、口の動きから言えるのはシライシさまだけだ
そして、時間は過ぎ夜の夜の10時。梅子と歩みを巻き込んで作戦は行われた。歩夢が巡回と称して姿を隠した梅子と源一郎を案内し要介護者の建物の中に入った
廊下を数歩行った先に彼の部屋はある。ネームプレートのところには確かに河野拓巳と書かれている
「歩夢:そろそろ行くよ」
「源一:あぁ、頼んだぞ」
引き戸を開けた時、彼は我々が来るのを知っていたかのように車椅子に座り悲しそうに微笑みを浮かべいた
「河:朝ぶりですね、田中源一郎少尉。いいえ建御雷兵。ここには誰もいませんから姿を隠さなくても構いません」
「源一:田中でいい。言葉には甘えさせてもらう前にこっちも1人合わせたい奴がいる」
「河:・・・久しぶりだね。覚えている?」
途端に彼の口がわなわなと震え始め。啜り泣きながら車椅子を河野拓巳(本人)の前に動かしてすがりつくように泣いた
「お兄さん、ごめんなさい!ごめんなさい!!」
「河:一度中に入っていい?見られると大変だからね?」
歩夢がおす車椅子がかけていたブランケットを巻き込んで動かなくなる。それを見て歩夢は手を止めて拓巳に抱きついた、それを梅子に見せまいと源一郎も引き寄せる
膝から下は白く異常に膨れ上がり、口や目といったものが動いている。1つや2つではない大量に意志を持ったかのようにグネグネと動いている
「あゆみちゃんを怖がらせたくなかった。でもあなた方が着たからには私のことをなぜあなた方を作り上げたのかをお話しないと・・・」
「河:その前に自己紹介をしなさい・・・それとあゆみを怖がらせたことは怒るよ。」
「私の本当の名前は、河野・・・栄次郎。河野家の末のものです」
「源一:本当のことを話してくれないか?その足のことも」
「栄次郎:これは大戦末期の頃です」
あなたともう一人、白石富治氏の2人がある検査で適性を受け作り変えたのです。人造人間・・・いいえ決戦兵器として改造をしたのです、私の医学的知識ではこの計画は成り立たなかったと言われています。それほど私の家の医学的知識はかつての軍に必要だったものだったのですが
もう1つある計画もあったのです。敵の大規模の駐屯地や飛行場を破壊する機械が必要です。その時にある人間があるものを再利用しようと考えたのです
それは今まで検査を受けて適性にならず、死んでいった人間達の死体でした。それの1つ1つを繋げ合わせて1つの巨人を作り上げようとしたのです
幾ら何でも無茶なものです、動くはずもなければ医師の倫理から人間の心から離れている。ですが止められませんでした。私抜きでそれは創られてしまいました。そして完成し、本当に動いたのです。最初はほんの少しの電流を流すだけで目が動くといった簡単な動きができた
でもそれは正真正銘と言っていいほど完成し、本当に動いたのです。ですがそれはまだ足が生えていませんでした。足はあってもきちんと動くわけではなく腕の力のみでした
ですから、両方の腕を吹き飛ばしたのです。その時の爆発で破片の一部が私の足にかかりました。最初はどうともなっていませんていませんでしたが、年数を重ねて行くうちにこういったものになったのです。
終戦後、私はあの場所を忘れるためにこの地に病院を設けました。しかし、平成になる前に彼は現れたのです。
思いました、私は永遠にこれに縛られると。あの時死んでおけばなににもならなかったのだろうと。
「栄次郎:建御雷兵・・・これは当時窮地に陥った日本軍がいわゆるカミカゼを吹かせようと。戦局をひっくり返そうとした最初で最後の決戦兵器でした。大和や武蔵ような大型の戦艦だけではなく・・・でもそれは行き過ぎた。そして平成という素晴らしい時代に残してしまった」
「河:栄次郎、時代が時代だからだけどどうしてお前も?・・・・・そうか。父さんが見つけたあれか!!」
「梅:あれというのは?」
「河:今の日本人は100まで生きれる。でもあの時代はそれは夢だった。父さんが見つけたのは万能薬。いいや不老不死の薬の元になるようなものだ」
「歩夢:活性細胞みたいなもの?」
「河:そうだよ!それを使えばどんな病気だって治癒できる、だからその臨床実験が必要だった」
「源一:その副産物がわしだと?」
「河:違う、副産物は栄次郎が言った巨人の方だ。成功例が源くんたちなんだよ!!そしてその薬の作用として不老不死と特殊能力を得たんだ!」
「栄次郎:私はちっぽけな軍医でした、ですが私の父が開発したあの薬のせいで田中さんを苦しめてしまったのは事実。あの時死ぬべきは私だったのです」
「源一:その代物がどうであれ・・・・わしはあなたを恨みはしない。だが・・・・・それ相応の対価はいただく。」
あらかじめ持ってきていた軍刀を手に取り栄次郎の方をきつく睨みつけた。そこにあるのは月よりも美しい金の色の2つのめ。決して栄次郎の方も何も言わずじっと動かない
もう、この世に未練はないと言わんばかりに微笑んでいる。とうとう軍刀に青白い炎が灯る。それを高々と掲げ一気に振り下ろした
「栄次郎:・・・・・あれ?痛くない・・・・なのに私の足は・・・・・消えている?」
「梅:あの気持ちの悪いのが・・・消えた?」
歩夢が恐る恐る栄次郎の足を覗き見てみたがさっきまであった目や口は消えていてその代わりに真っ白い足が2つあるだけで、呪いから少し解放されたような感覚とあかりの加減なのかもしれないが今まで白っぽく血色があまりないように見えていたはずなのにうっすらと血の通う色になっている
「栄次郎:そうか・・・・・あなたの出したその炎はまさしく『浄化の炎』なのかもしれません。私が行ったことは決して許されうことではないでも・・・あなたに会えてよかった」
「源一:次会う時には歩けるといいな・・・・たくやん。もう一仕事と行こうか・・・のう?」
「河:憲兵魂が燃えてきたよ・・・河野ゆり・・・・俺の弟とひ孫を泣かせた罪は重い・・・やってやろうぜ源一郎?」
(源一:これってまさか二重人格なのかな?)
(梅:お父様は知らず識らずのうちに味方を煽っていくのに気がついておられませんね・・・・あとで凍り豆腐投げつけてやろ)
だがこの話だけでは終わらない、本当の隠された本当の炎の力そして源一郎に植え付けら得た特殊能力。金色に光る目の模様栄次郎だけの話が全てではない。これからが本番なんだよ・・・
「白:栄次郎にあったようですね・・・じゃああなたの大切なものを壊させていただきます。まずは・・・・ハヤスケの・・・ふふふ」
『遊ぼうぜミカヅチィ!』
第三回戦の火蓋が切って落とされようとしていた。
河野拓巳の弟の栄次郎が出て来ました。
彼の父親はどうしてとんでもない薬を作ってしまったのでしょうかね?
当時の日本人が100歳まで生きること・・・言ってみれば不老不死に関して強い興味みたいなのはあったと聞いたことがあります。ただし、記憶が混同しているため定かではないのですが・・・・・
でもこれだけで理由が完結するとは思わないでください、もっとすごい理由がありますから
(理由考えとかないと・・・)
次回予告
花世仕事に息つまる。妙案が思いつかない!!
昼ごはんを食べようと弁当の中を見たとき
「花:これって島津さんのところの!!」
おかずにはなんと中華が入っている
「花:こっちは浅野さんのところの・・・」
そして花世は思いついた・・・・お弁当こそ正義であると
だがそれは刑事たちの変なスイッチを点火させるきっかけになってしまう
次回
ひ孫とサツ飯とひいおじいちゃんの愛情
「花:こっちのジャグには・・・あ・・・凍り豆腐のお味噌汁だ・・・」
「源一:凍り豆腐==!!!あ=======!!」
「「創・源一ヌベヂョンヌゾジョンベルミッティスモゲロンボョ!!!!卍ぃ卍ぃ!イヒィィィィ!!」
「花:うるさい、あんたFXで有り金溶かしたことお母さんに言うよ!!!」
「梅:お父様?凍り豆腐没シュートですよ!!」
「「創・源一:・・・・・・・・・・・・・・・すいません」
次回もゆっくり見て行ってください