表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/65

16話 ひいおじいちゃんと能力の開花

ふわー!一週間のうちに二度投稿して見せたゼェ!

ホラーゲームの実況動画見ながらやってやったぜ!

アホの筆者でございます。暑くなりましたねー、アイスが食べたくなりましたね。

前も言ったような気がするけどシーラナイナイ

小説を読んでアイス食べよう、アイスないけど!

 「源一:これがぱとかーというものか!なるほど面白い。して優子や警視庁には何時頃に着くのだ?」

 







全く緊張感皆無の小さめの護送車車内、高速をかっ飛ばしてないけどそこそこスピードを出す車を見て、源一郎は初めて首都高を見たことでどちらかというと興奮している。何車線もあるような大きな道路をひっきりなしに通る車の数は新鮮だった。そしていつのまにか車の中の重たい空気は消えていてどこかアットホームな雰囲気がその場を包み込む。



「吉:パトカーじゃなくて護送車です!もう三十分したら付きますよ。

いんやー源一郎さん本当に軍人さんだっただなんで疑ってすいませんでした」

「源一:仕方あるまい。気にしていないさ。むむ? 助手席に座っているあの男? 銃の腕が良いと見た!」

「??:そういう田中さんも相当の腕と見ますよ?」

「源一:わしはしがない歩兵だ!!」がっはっはっ!


 しばらく走っていた高速を降りて数分も経たないうちに官公庁街が見え始める。目の前には大きな建物、薄切りバームクーヘンのような形の建物が見えて来た。東京霞が関、桜田門こと警視庁本部が堂々と誇らしそうに立っている。ここがその警視庁ですよーと細マッチョオシャンティ青年が他の官庁の説明をし始めちょっとした観光になるのも源一郎にとっては興だ。。


護送車が地下駐車場に入ってすぐにちょっとガタイが良すぎて地味なプロテクターや盾を持った男軍団がお出迎えしに地下駐車場の一角に溜まっている、ちょっと驚き車が完全に止まったと思いスライド式のドアが開いて降りましょうと助手席に座っていた、手に特徴がある刑事が源一郎を誘導するがガタイが良すぎる男軍団を見て萎縮した。


「源一:・・・・・・・・・・・・・・・・・こわい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「??:大丈夫ですよ。そうだ自分の自己紹介をします。島津隆久と言います」


「源一:わしゃ・・・・田中源一郎」


「島:田中さん。大丈夫ですから入りますよ」


 地下駐車場の入り口からぞろぞろと源一郎を連れてエレベータに乗り込む。初めてのエレベーターに乗ることも初めてな源一郎。


初めてというわけではないが昔のエレベーターって入り口がなんか編みかけのドアだった。それに現代の高層ビルなんてない。そういう意味では飛行機乗った時の耳がキーンとなって痛くなりこの大ジジイはしきりに耳を気にしてしまう。そしてエレベーターに乗った時に刑事と一緒に乗って来たガチむち軍団、紺色の活動服に黒と白の線が入って真ん中に赤字で「機」書かれている腕章をつけているのがうじゃうじゃ乗って来ているのだ。どれほどのVIP待遇だよ、いらないけど。



「??:ここにいるがちむち軍団は機動隊員たちです。申し遅れました。私は警視庁捜査一課、浅野基です。よろしくお願いします」

「源一:なんだかエレベーターに乗った時はなんとも思わなかったのだが。・・・・・・あっちぃ」

「浅:・・・・・・あんまり空調効いてないですね。総務課に行っておきます」


エレベーターのドアが開きその正面にある窓の外の景色を見て驚いた。現代日本の現代東京の姿がそこにはあるのだ。遠くには富士山が赤い鉄塔のようなものが見える。そして高層ビルの中に一つどこか古風で時間が少し止まったかのようなどこか懐かしい場所が眼に映る。その周りを多くの人々がひっきりなしに走り回っているのが見えていた。


「浅:あそこは皇居です。ランニングズポットにもなっているのですが・・・・・・・・・田中さん?田中准尉?聞いていますか?」

「源一:変わったのだな、日本は・・・・・・・・わしらが戦って守り通したかったものが生きているのか」


生きた心地がしなかったあの時代、守りたくても届かなかったものに触れて夏の晴れた空の下に平和な世の中を見ると途端に感極まって涙を浮かべている自分がいる。

周りにいた刑事たちは、窓の外をじっと見つめながら涙を流している源一郎の姿に誰も止めずにただその姿をそっと見つめてあげるだけだ。そして愛おしそうに東京という街を見ている姿がどこか悲しい。さぁ行こうかと言おうとした瞬間だ


「誰かァ!そのインコ捕まえてー!!」


警視庁内にひぴく羽音と汗臭い警察官たちの喧騒、ふと振り返ればインコを追いかけている男どもが大勢こっちに近づいているのだ。


「島:ーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」


警察官の三大危険生物、くま、イノシシ、とり。これテストに出ます。


最近の時期だとここにカルガモの親子が入ります。追いかける方もすごいが逃げる方もすごい、逃げているのにどこか余裕ブッこいている姿がさすがです。インコパイセン飛びながらプシャゲェ!なんて叫びながら源一郎にまっすぐ突っ込んでくる圧巻であります。


「源一:敵の航空機を発見!迎撃用意!」


インコバーサス日本兵!!レディーーーーファイ!!


「源一:これ小鳥や、巡査殿に迷惑をかけてはならんだろう。わしの頭に止まりさない」


そのままインコは天井ギリギリまで近づいてーーーーーー急降下爆撃の位置につく。その迷いがない位置付け怖気付くことのない姿。かつて同じ陸軍の中で空を駆け巡った戦友の姿がふと頭をよぎった。


戦争が始める少し前のこと面白いものを見せてやると行って広い広い演習場に呼び出された時ふと頭上から陸攻と呼ばれる戦闘機が源一郎めがけて急降下して来た。しかしすぐに急上昇と背面飛行と曲乗りをやってのける。面白いやつだった。同期だったがなぜか兄貴兄貴呼ばわりしていたからあだ名が兄貴


「源一:急降下攻撃か・・・・・・・・・飛行隊にいた川端の兄貴ならよくやりそうだな。あいつとももっと話をしたかった」


そのインコは源一郎の正面すれすれを抜けて地面に激突するギリギリで一気に急上昇をして見せそのまま背面飛行と曲乗りをそしてただ優しく源一郎の頭にそっと着陸すて羽繕いをするのだ。


「源一:インコや。曲乗りに急降下攻撃・・・・・・挨拶のつもりか何かかな?川端の生まれ変わりではないだろうな?」

「インコ:あいさつ・・・・・・・ピュルルルルウルルル。ピーキャーププププププ。ぴーちゃん可愛いね!」


水色の体のインコ、セキセイインコちゃんです、警察にお世話になるインコです。ようやく追いついたとばかりに鳥かごと虫取りあみみたいなものを持って軍団が息を切らして走って来た。

そんなことはつゆ知らずインコは源一郎とたわめれている姿、なんであんたらそんなに疲れてんのってな感じでインコは遊んでいるのが腹立たしいそして愛くるしい。

インコを鳥かごの中に入れてお縄に頂戴すれば警察官たちはお礼を言ってその場を後にする。源一郎も刑事たちに連れられてその場を離れようとしていた時だ。



「ーーーーー、源一郎」



ふと懐かしい声に呼ばれ振り向くとインコを捕まえた警察官ではなくインコがじっと鳥かごの中から見ていたのだ。名前を言ったつもりはないのに、本当に生まれ変わりなのかもしれない、どこか目が暑くなるのを感じていた時だ、白くふわふわとした幽体に似た人間の姿が三人源一郎の方を見ている。ほんの30メートル向こうに懐かしい顔が見えるのだ


「源一:ハヤスケ?モクキチ?川端の兄貴?どうしてだ、皆わしを置いて死んだはずだ?」



(((遅くなって悪かったな。あとで会おう。置いて行って悪かったな。待っていてくれ)))



たった1秒、十分、それ以上でもそれ以下でもその瞬間だけ時間が止まったかのように思えたがふと気がつくとそこには誰もいない。気のせいにも思えないが今は・・・・・・

ふふとだけ笑いジジイも刑事たちと一緒にその場から離れた。


幾分か歩いて立ち止まり源一郎が通されたとは取調室だ。のっぺりとした部屋机が部屋の真ん中に設置されていて窓には横向きの鉄格子がはめ込まれている。そして部屋の1箇所だけ小さなガラスがはめ込まれている。普通ならいや気持ちしか起こらないのにこのじじは全く違っているのだ。



「源一:昼時に見た刑事ドラマとやらで見覚えがあるぞ。知らない天井だ!」

「下:源一郎さん、それ全くドラマとかすりもしてないよ。それアニメだから、某汎用人型決戦兵器のシーンに出てくるやつだから。警察とは違うベクトルだから」

「源一:パト○イバー?この作者は名前は聞いたことがあるが・・・・・と言っておったが」

「下:それ以上やったら運営に消されるからやめておこう。それにいろいろメタいからやめてくれよ。」



しみじみーっとそり調べ室に置かれている椅子に座り、まず軍刀とランヤードと呼ばれる拳銃の吊り紐を型から外してホルスターごと下川の前に出した。自分が敵意のないことを示しために今現在所持している武器という武器を全て外したのだ。そして昭五式軍服の懐から先にアルミホイルを巻いたお箸を取り出し、机に置いたかと思うとキラキラと目を輝かせながらこの中で一番純粋無垢な刑事として見たであろう李龍一巡査部長の方をじっと見つめているのだ。


大体の察しはつく、要はカツ丼出せやと言いたいらしい、昔の刑事ドラマのようにカツ丼が本当に出てくることを信じ切ってしまっている。刑事ドラマの見過ぎというか年代が古い方の刑事ドラマを愛していると思える。



「李:こらいやったもしね(ごめんなさいね)。警察(けいさっ)官がおはんに対してカツ丼出したら利益誘導になって違反なんだ。許しちょったもしね」

「源一:そうかー、残念だ。悪かったな。現世にいかんせん慣れていないものでな」

「下:ごめんなさいね〜。じゃあ雰囲気だけ言っておくよ。カツ丼食べるか?」クスクスクス

「源一:・・・・・ごめんなさい刑事さん私がやりました〜」ゲラゲラゲラゲラ



なんとも明るい雰囲気になったところで、本題に移る。刑事たちが部屋の中に入り、そして真正面に座っていた下川が席を立ち一番の大御所感がないどこかフワーと抜けている男性が部屋に入ってきた。

だがこの刑事たちの中で一番の手練れ、あるいはそれ以上の存在。部屋の中にいる刑事たちがどことなく背筋を正しているのが何よりの証拠。どっかりと源一郎と正面向くように座った男は源一郎を見て背筋を正すように座り直し

名刺のようなものを机にそっと置いた。捜査一課長、橘信義と書かれている、つまりは彼らのお偉いさん



「橘:ようこそ、田中源一郎さん。捜査一課長の橘と言います。こんなむさい場所に及び立てしてすいません。そしてこの前田中邸宅にて粗相を働いたことお許しください」

「源一:ん〜?別に面白かったからいいのだが、それより一課長殿。なぜわしをここに連れてきた。単なる取調べとやらとは違うようだが。」

「橘:あなたは本当に頭がキレる人だ。参ったな。榛原警部あれを」


榛原がクリアファイルから取り出したのは二枚の写真、その写真に写っているのは二人の男性の死体だ。異なる死に方をした男性、しかし源一郎はこの二人のことを知っている。どこかで見た顔というものでない

一人は花世のストーカー行為をした男。もう一人は相川雪乃に対しての援助交際をしようとした男。その時源一郎が干渉した人物二人だ。ストーカー男の死に方は自分の衣服を首に巻きつけて死亡した首吊り、もう一人はいうまでもなく私刑による死亡。


「橘:実はここ最近この警視庁管内で不審な事件が起きています。しかもあなたがこの世に目を冷ましたというべきか、そう言った時期に活発化したかのように起きているんです」

「源一:儂がそこで犯人として目をつけられた?と言いたいようだが」

「橘:そう聞こえたなら申し訳ありません。しかしこの二人があなたとあったのは事実、そしてこの二人はもう一人の人物にも関与しているのです。あなたも知っている人物」

「源一:貴様!!花世や儂の家族のことを言っているのか!家族は関係ない、それ以上言うのであれば・・・・」







      ズォォォォォォォォォォォンンンン!!







あまりの気迫、家族が疑われていると思いいてもたってもいられなくなる。家族の中に犯人がいるだなんて考えたくない、ようやく得た幸せを奪われたくはない


「橘:田中さん。落ち着いてください、あなたの家族を疑っているのではないんです。この写真を見てください」


橘の懐から出てきたぼやけた写真、一見その写真には何も想いはしなかったが一枚の写真を見て驚いた。千人針を奪いその後廃工場で一戦交えた高校生軍団の一人、源一郎に銃口を向け傀儡と化した乾につかれた男子高生の神田がもう一人の人物と一緒に歩いている写真だ。神田の方は鮮明に写っているのに対してもう一人の方はぼやけて写ってい

る。


「榛:花世さんにつきまとって痴漢をした男を覚えていますね?その男が痴漢を行う前にある人物にあっていました。ただそれだけではないんです、この殺された二人の男、表向きは堅気の仕事についていましたが裏は」


「源一:ヤクザものか・・・・・・・しかし、なぜ殺される必要がある?」


「橘:田中さん:この事件はそう簡単に見て取れるようなもんじゃない。二人も人が死んでいる。そしてこの二人過

去にある事件を起こして同じ検察官が担当した、そしてその検察官が只者じゃない。全く理解できない人物」


最後に橘が見せた写真、そこにはぼやけているが監視カメラの方をじっと見つめるスーツ姿の男がいる。だが輪郭だけでもその姿が見て撮れた。源一郎の察しはもうすでについていた、認めたくない信じられない

開いた口がふさがらずなんと声を出せばいいかそれすら見当たらない



「橘:この二人を過去に担当した検察官の名前は・・・・・・・・・」



その名を聞く前に橘の姿がぼんやりとしか映らなくなり、異常なまでに頭痛を覚えそのまま倒れてしまった。



そして夢でも見ているような不思議な感覚を覚え体をゆっくりと起こすとそこはかつて自分が世話になったあの島の場所ただそこは平和な場所ではなく、味方の死体が転がる場所。


思い出した、ここで源一郎は同じ日本兵同士で戦った場所。ただぼんやりとたっていたあの場所。ジリジリと詰め寄られ最後殺されるのは儂かとつぶやいた。しかし周りの自分と戦った仲間の死体を見て怒り狂ったあの忌まわしい場所。唯一生き残ったのはあの男だ。島の仮設の営倉で源一郎が監視していた人物



「源一:後はお前と儂だけだ・・・・・・今だけお前の自由を与えてやる!儂と戦え!!!」

 

「??:あぁそうやってあなたの都合にだけ振り回される、でもあなたを愛しているからこそついていける。罪な人」




「源一:減らず口を叩くな!イクゾォォォォx!!」





そうやって果敢に的に突っ込み後少しのところだった。同じ日本人同士であるということから踏み込みを浅くしていたがための源一郎が与えた情けそのものが最後に仇となった、自分の後ろにいた人間が味方ではないことに気がつくのが遅すぎた。


ドスッ


背中から痛みが感じ始め白い砂の上に真紅の血が滴り落ちる。振り返ってみれば銃剣を手に微笑みを浮かべて手についた源一郎の血を愛おしそうに顔に塗りたくり絶望する源一郎にぎゅっと抱きしめて歓喜の悲鳴をあげる男がいる。刺された?そのまま地面に倒れこんでそこから・・・・・・かつて自分の部下を手にかけた最低の人物。目の前にいるのは軍服ではなくスーツ姿の男だ。



「??:おかえりなさいませ。これであなたは私のものです。この」




白石富治シライシトミハルのものです







嫌な夢から醒めたかのように目を開けたのは取調室ではなく、医務室のような場所。腰に下げていたカバンは外されて棚の上に腰紐と一緒に置かれていた。親切にも上着は壁に掛けられ靴は整頓するかのように置かれている。どのくらい眠ってしまったのかわからない。


不意に鼻に手をかけると少量ながら血がついている、暑くてのぼせたのか・・・・・・・その時に嫌な夢でも、苦い思い出でも思い出してしまったか。ゆっくりと目を再び閉じてふとため息をつけば白いカーテンがあき心配そうに源一郎をみる吉野の姿があった。



「吉:いきなり失神するからびっくりしてしまいましたよ。どうしたんだろうって」

「源一:・・・・・・・・・少し昔のことを思い出した、夢の中でかつて儂が南の島で起きた惨劇を。記録には残ってなどおらん。だが記録に残らずとも記憶には残っているさ」

「吉:あなたが失神した時にうわごとのように「このやろう」とか「諦めるな!」とか「おのれぇぇ!!」とか言ってたから何があったのかわからないけど」



ゆっくりと体を起こさなーい!!!保健室のようなふかふかのベットって憧れるでしょう。あれですよ、ふかふかのベットに体を埋めてなんとも幸せそうな顔してる時点で実に結構。それにもう一回寝ようとしているその顔、なんとも幸せそうな顔がふにゃーっとした顔がおじいちゃんっ子だった吉野にとって幸せだ。




「源一:すまぬ。こうふかふかしているの大好きでたまらんのでな。そうだ優子、いつも花世が世話になっているな、この前もつきまとい男の時も世話になった。布団に寝転がっていて無礼だが礼を言わせてほしい」

 

「吉:いつもお世話になっているのはこっちです、こちらこそお礼を言わせてください。それに彼女は私の友人だから」


気分が落ち着き、再び取り調べ室に戻ろうとした時だ、靴を履いて上着を着ていざ立とうとした時、視界が歪み倒れそうになってしまった。とっさに吉野が手を差し伸べてその手を掴んだ時に一気に何かが吉野の何かが流れ始めて着た


「源一:これは吉野優子の記憶」


それと同時に吉野自身も何かを感じたとったかように動かないでなぜか体がふわふわと地に足がつかない無重力の感覚を味わう。どこか心地が良くて気分が良くなるようなでもどこか悲しい感覚。その感覚は誰かに守られているようなそしてふと目を開けた先にいたは軍服を着て片方の手には大剣を持ちもう片方の手で優しく吉野を包むように体を支える大きなツノを持ち鬼のような顔だがどこか優しい表情を浮かべる巨人がいた。




決して怖くない、むしろ守られているような・・・



(吉:神さんかいな・・・・まんまんちゃんしとこ、まんまんちゃんあ〜)なむなむ〜


その姿にんーって顔をする巨人、ぼく仏様じゃないよーと言おうとしているがまんざらでないためどうてもよくなりもう一度んーって顔をする。


「源一:これーなぜ突っ立っているのだ。早よ行こうではないか!」


気がついた時にはその巨人はいない、目の前には源一郎がいるだけだ。不思議な感覚がまだ残っているが源一郎を連れて再び取調室ではなく、今度はどこか大きめの部屋に連れて行かれそこにいたのはさっき取り調べをした刑事たちがデスクワークをしている姿。


その奥に通されたのは応接室と書かれたちょっとしたスペース、その机には丼が一つと味噌汁が置かれている。この部屋に入った時にいい匂いがしたのはこれのせい。橘の前に黒く長い髪をお団子にして縛る背の高い女性が岡持ちを持って金品を請求しているのだ。そしてその姿を遠巻きに頬を染めて見つめる下川春人刑事の姿があり、その視線に気がついた女性も頬を染めている。



「源一:なるほど。恋愛というものか。けしからん!もっとやれ!」

「吉:あれは逮捕ものだぜぇ!源一郎さんも悪よのー」ニヤー

「源一:吉野殿のも越後よの〜。」ニヤー


ニヤニヤしながら二人と一課長は応接室に入り話を始める前にどんぶりの中身について興味が気になって仕方がない。朝警視庁に来て一度意識が吹っ飛び気がつけばお昼ごろ。源一郎自身は別段罪にとらわれるようなことはしていないため自宅に帰る前に源一郎に雰囲気だけでもということで丼と味噌汁をプレゼントという名目で出してあげたのだ。早速丼のふたを開けるとそこに入っていたものは源一郎が夢見たものが入っている、本当は取調室で食べたかったがとはもういいプルプルの卵に熱々のカツの香り甘くて優しい香りがする。


「源一:かちゅ丼だ〜!!だーいしゅき〜!!!」

「橘:ブフォ!!!!!!!!」


その場にいた刑事たちはかっこいい顔した源一郎が急に赤ちゃん言葉を使うもんだから吹き出してしまったさ。しまいにはあひゃひゃぁと変な声を出して笑いだす者もいる始末!!可愛いはセイギィ!!

カツ丼を美味しそうに頬張りながら朝取調室で見ていた写真について思い出したこと、夢の中で見た過去の出来事をその中で出て来た男のこと


「源一:白石富治・・・・・・・・わしの部下だった人間、最低最悪の人間だ!!」


その名前を聞いて橘達はシーンと静まり返ってしまう、源一郎が叫んだからではなくその名前に対して異常なまでに緊張感を覚えているのは間違いなくただでさえその名前がNGワードのようなものになっているのは口に出すものではなかったのだ。刑事達が操作している人物が白石富治のことだった。


「橘:あなたがさっきお話ししたその名前こそ、我々が捜査している人物。白石富治です。おかしいのはその人物の全てなんです。」




            白石富治




その存在が知られたのはつい最近ただ最近と言っても四、五年ほど前から。その経歴を調べてみると何年も前からずっと同じ人物の名前がずっと昔から存在するという、同姓同名なんて別におかしくないが何年かのサイクルをへてあらわてている。そしてその名前を過去まで調べて調べていくとその人物は・・・・・


「橘:おかしなことに第二次世界大戦の時点で戦死しているはずの人物なんです。あなたと同時期に死亡したはずの人物だった」

「源一:だからこそ、儂を呼んだのだな。いつから儂の存在を気がついた?」

「橘:つい最近、あなたが曾孫である田中花世さんをつきまとい男から助けた時点からです。」


その時期から異常なまでに活発化した白石の動き、花世のつきまとい男も雪乃に迷惑を働いた男も、神田にあのような事をさせたのも全て白石富治が近くにいたからできた事。

刑事達は度々白石の元へ来たはいいが、その時間はずっといたとばかり言われ挙句には犯行動機が全くと言ってない、証拠もないでいわゆるお手上げ状態になってたらしい



「橘:あなたが現れたことによって何らかのアクションが起きる可能性があります。そのため我々はあなたを監視いたします」

「源一:協力しよう、監視というならばいつでも家にあげるといいぞ、歓迎する。しかし儂の知っている白石とその写真に写っているお奴は同じ白石なのか?」

「吉:話変わりますが、さっきあなたがよろけた時に私の手を握ったでしょう?そん時なんかこうふぁ〜ってあったかい感じがして。あれ何なんですか?」



ファ〜っと暖かい感覚、今もずっと感じる感覚。源一郎はぽかんと口を開けて首を傾げている。



「源一:儂は何もしていないが・・・・・・・・・そういえばお前さんの記憶がふと儂の中に流れ込んで来たのだ。お前さんは男兄弟の真ん中、お父上に可愛がられているようだな。あと実兄に対してツンケンしないほうが良い

儂にも、血は繋がらないが兄がいてな。懐かしいなぁ、儂と梅子の駆け落ちを手助けしてくれたものだ。儂の家族と梅子の梅子の母と侍女が・・。」


その話聞かせてもらおうと源一郎の両脇にさっきまで顔を赤くしていた下川とちょっと恋愛について絶賛勉強中な李が迫る勢いでジリジリと迫っているのが何よりの証拠といえよう、恋愛に疎い男子に何十年前に添い遂げたジジイ

本当にこの関係いけるのかな?なんて言えるが源一郎のまんざらでもない顔に爺孫のように見えてくる。


「源一:いいだろう!!!儂のこの儂の武勇伝を聞くが良い!!」


その一時間後に刑事達が鼻の穴を広げて食い入るように人生の先輩から話を聞いていたのはいうまでもなかった。


源一郎の能力はこれだけでないこと、さらに開花していくのはあの男との邂逅に繋がるとは知らずに

今回は二度連続カキカキしました。源一郎が警察に呼ばれたのは犯人として呼ばれたのではなく参考人として呼ばれたのです。まぁ犯人でないためカツ丼食べましたね、どこかの社員食堂というのは憧れます、学食とか

ジジイ、ぶっ倒れて夢の中でエグいことが起きてましたね何があったのかは後々わかっていきます

そして、吉野が見たものは一体何だったのでしょうかね?我が家庭では仏様や神様に手を合わせる時にまんまんちゃんとか言いますね、他の地域の人はどうなんでしょう


次回予告、

家に帰ることができた源一郎、取り調べ前に見た幽体で出て来た友人のことを思い浮かべつつ記憶の断片の中に出て来た人物について思い浮かべようとするがなかなか思い浮かばない

そんなこともどうでもよくなって梅子と昔話に思いをはせる。花世と創真、そして最近仲良くなった高校生軍団とともに


次回

ひいおじいちゃんとひいおばあちゃん

「源一:そうだ、少し昔の話をしようか」

「梅:懐かしいですわ〜。あの暑い暑い夏の夜の駆け落ちは今も私の心を暑くします」

「花・創:きになるなー。駆け落ちって響きが」

「高校生軍団:駆け落ち。暑い夜。」ゴクリ

「刑事軍団:駆け落ち警察参上!!」

「源一:聞いていくと良いぞ!!」ポケー

「梅:あらやだぁ」ポケー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ