4話 ~食卓を囲んで~
ピンポーン
「あん?あー寝ちゃったか...ん?」
家のチャイムの音で起きた俺は立とうとした、が右手に違和感があった
そう、俺の右手は春香の果実を掴んでた。なるほど春香は着やせするタイプか、それなりにあるな...じゃなくてだ、こいつ確か俺の向かいにいて俺より先に寝たよな?なんで隣で寝てるの?
ピンポーン
「んっあっ」
やばい、ここで春香が起きたらグーパンだけじゃすまないかもしれない
俺は立ちあがり時計を見る。時刻は6時か...結構寝たな、パーティーの準備なにもしてねぇや
そんなこと思いながら玄関へ向かう。春香は放置だ
ピンポーン
「はいはいどちらさまですか~」
わかってはいるんだけどな、なんとなく雰囲気で言ってしまった
玄関を開けると前には3人いた...3人?
するとそのうちの1人が飛びついて来たから避けた。またデジャブか
「靴は脱いで入ってくださいね如月先輩」
「もう~なんで2度も避けるのよ~」
「少々メンドーなことになりそうなので」
「ひどいな~私はこんなにも昴君のこと思っているのに」
これが冗談ならかわいんだが、残念ながら冗談じゃない。どうやら俺を好きなのは本当らしい、だが告白はされていない。たぶんわかっているんだろう、先輩は断られてしまうことを。だからこの関係でいたほうがいいと思ったのだろう、微妙な関係だな
あと中に春香がいるからくっつかれるとほんとにメンドーなことになると思う
「んじゃ、じゃまするぜ昴」
「あぁ、すまんがまだ何も用意してないから適当にくつろいでくれ」
「あいよ」
冬馬を中に入れる
残り二人も中に入れる。先輩はずっと俺にくっつこうとするがもう1人の先輩、筒賀秋先輩が止めている
「にしても筒賀先輩がいるのはしょうじき安心しましたよ」
「なに、奏がお前の家に行くと言うんだからな、ストッパーの私がいなければ大変なことになるだろう」
「そうですね」
筒賀秋先輩。群青色のロングヘアーで身長は高く、それなりなプロポーションである。少々言葉遣いが男勝りだがそれが人気なのだろうモテる。女子にも
如月先輩とは親友で中学の先輩だ。話を聞くに副会長らしい
「なんか秋、歓迎されてるな~…っは!まさか秋と昴君はすでに...」
なんか隣でぶつぶつと言ってる。てか聞こえてるんですけどね。それはないから安心してください
「奏、それはないから安心しろ」
「そうですよ先輩、これ以上ややこしくしないでください」
筒賀先輩も同じこと考えてたらしい
とりあえず俺は鍋の用意をすることにした
ほかはリビングに集まってテレビ見てる。春香は多分冬馬にでも起こされたんだろう、起きてる
鍋ができていい頃合いになり、食べることにした
「あっ!奏先輩それ俺が取ろうとした肉ですよ!」
「ふふっ、水無月君。早いもの勝ちだよ」
「行儀が悪いぞ奏。もっと落ち着いて食べれないか」
いつも1人で食べることが多いから、こうして大人数で食事をするのはいいものだな。若干うるさいが
「ほらすー君。あーんしてあーんって」
「春香やめろ。1人で食える」
「あー!ずるいよハルちゃん!私も昴君にあーんする」
「だー!落ち着いて食えない!冬馬なんとかしてくれ!」
しかし冬馬は筒賀先輩と話してる。絶対無視してるな。あとで覚えとけよ
今の状況は世の男子から見たら両手に花で羨ましく思うだろうが、さすがにこうもくっつかれるとまともに食べれないんだよな
とりあえず2人にあっつあつのつくねを口に入れる
「あっつ!」(すー君が私にあーんしてくれた!間接キスした!)
「ん~!!」(あっつい!あっついけど昴君と間接キスできた!)
なぜだ普通だったら熱すぎて悶えてもいいと思うんだが、2人はどこか幸せそうな感じがした
だが、おかげで解放された。食べるチャンスは今だな
「筒賀先輩は参加しなくていいんですか?あれに」
「茶化してるつもりか冬馬?私が昴に好意を持っていないのは知ってるだろ」
「そうでしたね。じゃあ、誰が好きなんですか?」
「えっ...」
ほぅ、筒賀先輩には好きな人がいるのか。悪いが盗み聞きしてる。春香と如月先輩は取り合いと言うなの食事をしている
「その反応はやっぱりいるんですね。前から気になってたんですよ」
「いや...それは...言えない...な、うん」
「いいですよ。いつか聞かせてください」
「あ、あぁ」
なんだ、冬馬にしちゃあきらめるのが早いな。まぁいいや、俺もあとで聞いてみるか
そんなこんなでパーティーは終了した。
みんなぐったりしる。てか寝てるからなこのまま朝までなてるつもりじゃないんだろうか
俺は洗い物してる
「昴君」
不意に呼ばれる。この声は如月先輩か
「なんですか如月先輩」
「うん...昴君はこれからも1人で何もかも解決するつもりなの?」
「...そうですね。あまりほかの人は巻き込みたくない」
そう、俺は自分の仕事をほぼ1人でやってきた。ほかの人は巻き込みたくないからだ
だが、如月先輩はそれを許してくれない。それは先輩である優しさ故か、はたまた愛故か...わからないが俺はこれからも今までどうようやってくつもりだ
「昴君。いつか1人じゃつらくなるときがくるわよ。普通はチームで動くものなのよ」
「そうですね。いつか無理が祟るかもしれません、が俺はそれでもやります」
チームを作ったほうがいいのは知ってる。上司からの指示で俺はチームのメンバーを選んでいいと言われてる。チームを作らなきゃいけないことくらいわかってるが心のどこかにある自分の弱い心が一歩踏み出す勇気を制止させてる。
「私は昴君のこと信じてるし、いつでも力になるよ」
「ありがとうございます。俺もがんばりますよ」
「えぇ、おやすみ」
「おやすみなさい」
そう言って如月先輩は寝てしまった
俺も洗い物を終えた後、すぐ眠りについた
作者です
昴の職業なんかはのちほど説明します