追いかけ甘愛
知ってるくせに、逃げられた。
いつでも諦め思考な彼を、そっと見つめていたいだけ。
「嫌いだ」
なんて呟くその横顔がとてもつらそうだった。
そっと見つめていると、いつも彼が泣いて去ってしまう。
本当はそんな彼を思い切り抱き締めてしまいたいのに、見ていることが精一杯の私。
「嫌いだ」
私を切り捨てようと必死な彼に、私は依存したように縋りついてしまっていた。
本当は、私こと、好きなんじゃないの?
自意識過剰な私は、勝手にそんなことを考えて、「好き」を飲み込む。
いつも私を見てたじゃない。
あれほど優しくしてくれたじゃない。
たくさんの人が感じる片想いを、今は私が、彼に対して独り占めしたい気分だった。
でもそれでいて、誰もが憧れる相思相愛を私も求めてしまう。
「嫌いだ」なんていう彼が、一瞬でも私に手を伸ばしてくれるなら。
私はその手を精一杯に引き寄せるのに。
腕が絡むほど近くに居てくれたなら、いっそ私から隠してる言葉をあげるのに。
君がどんなに諦め思考でも。
どんなに人が嫌いでも。
たとえ愛なんて信じてなくても。
私だけは、君に嫌われてしまう程、君だけを愛してあげるから。
ねぇ、もっと近くで泣いて?
ほら、抱きしめてあげるから。
ねぇ、もっと私を求めて?
ほら、優しくしてあげるから。
実は2話目は後付けです・・(ホントは1話目の短編予定でしたが、つい(笑




