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0.転生の唄
生まれ変わり。
その言い伝えが本当かどうかなんて私にはどうでもよかった。
私がどう捉えていようと、私の置かれている状況は絶対に変わらないと知っていたからだ。決して疑っているわけではなかったけれど、盲信しているわけでもなかった。真実がなんであれ、私は私として生まれて幸せだったから。
けれど、彼女の訪れは、目が覚めるような思いを私にもたらした。
ただなんとなく幸せだった私に、使命とおそれを与えてくれた。
彼女の名前はアマリリス。
《赤い花》の血を継ぐ者。