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0.守護者の唄
守護者。
わたしにとってのその印象は、剣を携えた青年の姿だった。
命に代えてわたしを守り、この世界の本質を見据えながら大義を成し遂げる立派な人。
大人達はいつだってわたしにそう言い聞かせ、わたしもまたそれを心から信じていた。けれど、思い返してみれば、守護者が青年だなんて誰も言わなかった。
そう。彼女こそがわたしの守護者。
分かった途端、感動が生まれた。その姿は長らく想像していたものとは大きく違ったものだったけれど、それでも、予言されていた彼女の出現は、わたしにとって今までにないほどロマンチックなものだった。
彼女の名前はアマリリス。
わたしがずっと待っていた人。