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AMARYLLIS(旧版)  作者: ねこじゃ・じぇねこ
一章 ルーナ
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0.花の唄


 赤い花。

 美しいその花が元々何色をしていたかなんて、わたしには分からない。

 わたしが見た時にはすでに、獣の血に染められたくさんの恨みと悲鳴を浴びてしまっていて、もうすっかり呪われた花へと変貌していた。

 けれど、わたしには分かる。

 全てを捨てて従うべきこの相手は、殺伐としたさがの花弁のなかに、とても純粋な心を隠しているのだと。

 彼女の名前はアマリリス。

 絶望からわたしを解放してくれた、わたしにとっての救い主。


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