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ひとりの夜は、読んではいけないポエム  作者: 水翔
物語 詩集「ひとりの夜は、読んではいけないポエム」にまつわるストーリー
9/21

第二話 「秒針の鼓動」 一

 世界と繋がれていた

 細い糸が

 たった今

 ぷつりと切れてしまった。


 手首に巻かれた

 アンティークな機械式時計

 「チク タク」という

 微かな響きだけが

 世界に存在し

 前へと進んでいる

 唯一のいかりだった。

 

 耳を押し当てる。

 振ってみる

 リューズを巻く

 秒針は

 凍りついたまま


 ぞっとするような冷気が

 這い上がってきた。

 時計が死んだ

 僕の命は?

 指を手首に押し当てる

 指先は

 自分の脈拍すら

 とらえられない


 鼓動も

 息も

 生きてるしるしを

 つかめない


 「直さなければ」



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