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プロローグ
ここからは、詩集の詩をモチーフにした物語です。
その店は
どこにあるかわからない
どこに行けば
見つかるのかわからない
看板はない
蔦の絡まる古びたガラス戸の向こうに
天井まで届きそうな本棚の影と
得体の知れないガラクタのシルエットが
重なり合っている。
何かの羽がすれ違うような微かな音
大きな獣が静かに息を吐くような律動
生き物の気配がするのに、姿は見えない。
書店のようでもあり
雑貨店のようでもあり
どこか生き物の気配が漂う不思議な店。
そこに
その詩集は
置いてある
誘われるように
やってくる
欲する者を
待つように




