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閑話 そして終章 ひとりの夜は、読んではいけないポエム
『沈黙』
君は
僕に
何を望んでいるの
繰り返す
せりふ
それとも
ぬくもり
けれど
口も
体も
動かない
ただ
君の前に
いるだけ
『赦し』
赦されたことは
ない
赦してほしいと
言ったこともない
それでも
生きるか
死ぬか
その自由だけは
僕にある
『引き継がれる想い』
いってらっしゃい
いってきます
あいしてるわ
あいしてる
言葉は
時とともに
消え去って行く
けれど
想いは
灯り続ける
元気でやってるかい
元気だよ
幸せだったわ
ああ、
幸せだったよ
『終章 ひとりの夜は、読んではいけないポエム』
ひとりの夜
読んではいけない詩集を抱え
ぼくは
夜道を走る
しおりが
ずれないように
ページのあいだから
声が
こぼれないように
夜空は
見上げない
考えない
ただ
走る
まだ
消えていない
どこかの灯りへ
夜が
なくなるまえに
もし
その灯りのそばに
きみがいるなら
この本は
ようやく
ひらかれる




