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第二話 「秒針の鼓動」 三
「無理だね」
「何故だ!」
「そいつはもう
役割を終えちまった」
「役割?」
「そう
役割をな」
「そして
今
あんたには
ふたつの
選択肢が
ある」
とまどう僕を
店主は
にやりと笑った
嘲笑
微笑み
どちらにもとれる
笑いだった
「どちらを
選ぶね」
差し出された
ふたつのもの
僕は
手を伸ばした
部屋は
出ていった時のままだった
僕の手首には
腕時計が巻かれていた
一見
アンティークな機械式時計
だが
「チク タク」
という音はしない
「ドクン ドクン」
その音が
部屋の中で
鳴っていた




