10/21
第二話 「秒針の鼓動」 二
「直さなければ」
部屋のドアを開けた
その先の夜闇に
僕は落ちていった
気がつけば
店の中だった
国籍のわからないランプ
歯車の外れた時計
乾いた花束
ひびの入ったガラス瓶
書店のようでもあり
雑貨店のようでもあり
どこか生き物の気配が漂う不思議な店。
店に入ったとき
何かが
「カチリ」
と音を立てた
「いらっしゃい」
その声に
顔を上げる
店主らしき
その者に
僕は咳き込むように言った
「この時計を
直して欲しい」
受け取った
店主は
灯りに時計をかざし
素っ気なく言った




