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2. 証拠なき討伐

俺たちは目立つ雪原を通り過ぎ、隠れやすい林に入っていった。


「ここで待つのが貴方のやり方ですか……」

「正面切っての戦いは何としても避ける。どんな雑魚が相手でも」

「小鬼にもですか?」

「ああ」


思ったよりパールはノリが軽い。余程自信があるようだ。


「ですがこの調子だと先にご飯が尽きません?」

「動けば痕跡が残り、痕跡は次の追跡者への手がかりになる。だから極力動かない」

「凄い徹底ぶり……狩りではなく潜入ですね」


周りからもドン引きされるほど慎重な俺だが、その雑談の最中、視界の端で何かが動くのを見つけた。


「来た……こんなに早く出会うとは運がいい」

「800メートル先に小鬼が3体います」

「3体?」


パールもサラッと見つけたようだ。しかしどう見ても1体しかいない。


「岩陰に2体いますよ」

「……ここから見えないが?」

「わずかな魔力の揺らぎです」


こいつは絶対に強い奴だ。俺が足を引っ張るほどだ。もう俺の命運はこいつの背中にかかっている……。

だが今はこいつの背中に賭けるしかない。俺一人じゃここで終わりだ。


「なかなかの手練れですね……」

「いきなり他人行儀にならないでくださいよ!」

「驚いてつい……すまない」


強者に媚びる癖が出てしまった。


「敵は3体。ならパールはどう倒す?」

「私の答えはこれです!」


突如パールは小鬼に向かって走っていった。


「何するんだ馬鹿野郎!」


正面戦闘は嫌いだ。出るか?待つか……もうこうなったら俺も出ていくしかない。一体何を考えてやがる!この距離なら銃の射程内。俺は無意識にライフルを構えパールの背中に向けた。こいつに狙撃鏡なんて気の利いたものはないが正直何を考えているか分からないパールの方が怖かったからだ。


「これで終わりです!」


パールは威勢よく取り出した杖を振る。


直後、耳をつんざくような轟音と共に地面が抉れ、小鬼のいた場所は雪煙が空高く舞い上がり、地面には黒く焦げた痕が残った。まるで巨大な爆弾が炸裂した発破現場だ。


「……は?」


驚きのあまり俺の身体は動かなかった。杖を使う古典的な魔術師を見るのも初めてだし……何よりあの威力は何なんだ?馬鹿げてる!


「これで十分でしょう?」


事が済んだパールは声を張り上げてこちらに語り掛ける。


「一体何を……」

「見ての通りの爆発魔法ですよ」

「あー……なるほど?」


帝都で爆発事故とは聞いていたが誘爆とかではなくパール自身が引き起こした感じか?怒らすとやばそうなやつか?


「討伐した証拠を取ってさっさと帰りましょう!」

「まあそうなんだが……威力がおかしすぎる。帝都の一般の魔術師でもあんな破壊力は出せないぞ」

「それは街を壊さないように皆威力を控えているだけですよ」


嘘だ。威力だけでなく魔力消費も段違いに違いない。あいつは何か隠している。杖が強いのか代々魔術師の家系なのか?今まで魔術師は何人も見たがもっとこう……しょぼいというかまああったら便利?程度がほとんどだった。やべえと思ったのは親衛隊とか国家魔術師の上官ぐらいだと思っていたが……


「私の魔力自体は人並み以下なんです。だから知り合いが効率の良い術式(ロジック)を考えてくれたんですよ。落ちこぼれの私でもなんとか食らいつけるぐらいになるほどの」

「これで落ちこぼれなのか……」


術式にも効率の良し悪しがあると聞いたことがある。使えない俺は真面目に話を聞いたことがないが。少しは勉強しておくべきだったかもしれない。だが大きすぎる爆発はある問題を起こした。


「ところで……小鬼を倒した証拠すら残ってないぞ」

「?……すみません!つい……もう一度いきましょうか?」

「次は威力を加減してくれ」

「はい……」


結局、俺たちのノルマ達成は振り出しに戻った。

書いてるうちにこっちの方が面白そう?と脳内設定が目まぐるしく変わります。最初パールはこんなハイテンション系じゃなかったはずなのに……

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