表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神の終末  作者: 白唯奏
9/9

エピローグ

 いつの間にか離れ離れになっていた。

お姉ちゃんが灰になって消えてから、数分が経った時だった。身を裂くような鋭い強風が吹いた。砂や小枝が肌を叩く。抵抗も虚しく、風はいとも簡単にわたしたちを持ち上げ、壊れた壁から外に放り投げた。明らかに自然な風ではなかった。

気がついた時にはモラールはいなかった。辺りを見回しても見えるのは木々だけ。それと、土砂に飲み込まれたあの学校。多分ここは学校の裏山だろう。

「モラールのことだから探しに来るだろうし、ここにいればいいや」

「ねえ、お嬢さん。死神だよね」

「!」

近づいてくる音がしなかった。声で後ろに『何か』がいるのはわかったけど、気配が全くしない。そもそもいるのかすら分からない。

「わざわざ振り返らなくてダイジョウブだよ。キミは今回ジャマモノだから」

「お嬢様!」

「モラール?」

モラールの冷たい手がわたしを包みこんだ。

「キミは別のボクと話してたはずだけど。どう振り切ったか知らないケド返してくれないかな?それは後でボクが殺し」

「黙れ」

「………ふーん。キミも変わったね。そんなにそれがダイジなんだ。ああ、分かった。シャルルに似てるからか。でも、もうカノジョが言った時効はとっくに過ぎてる。ボクは問答無用でキミを殺すことができる。だから返せ。それとも、それと死にたいのかい?」

「っ。__お嬢様」

わたしを抱いていた手がそっと離れた。

「ワタクシの後ろの戸が見えますか?」

「…うん」

モラールの後ろには窓すらの装飾がない真っ黒の戸が立っていた。

「ではその中で待っていてください。すぐに戻りますので」

戸を引くと、視界が一気に赤く染まった。赤いバラだ。その上では白く淡く光る蝶が飛んでいる。花畑の奥には、大きな屋敷が立っていた。

「ねえ、モラ」

振り返ると、モラールは大鎌で灰色の『何か』を空へ吹き飛ばしていた。

死神の終末1、ありがとうございました。

2については、検索をかけて頂くか、Xでのポストをご確認して頂ければ幸いです。https://x.com/Nina0aiIllust?t=hu3qWmOUIY-Fi2myEHsmXg&s=09

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ