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怪物があふれるようになった地球で生き残る、全てを見通せるようになったこの目を使って  作者: よぎそーと
5章

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83 人と怪物の戦場 2

 燃え上がる炎のようなエネルギー。

 魔力や霊気と呼ばれる、生命力の輝き。

 それを放ちながらあらわれた敵。

 天使と呼ぶにふさわしい姿がそこにあった。



 とはいえ、神の使いというわけではない。

 少なくとも神話や伝承にあるような神の僕ではない。

 それは怪物でしかない。

 人類の敵だ。



 実際、怪物の一種である。

 姿形こそ人間と同等であるが。

 だが、本質や性質は人とは違う。

 精神性は怪物と同じ。

 すなわち、強弱で判断する野蛮性の持ち主。



 今もそれは、大地の力の中から現れて、まわりにいた者達を攻撃しようとしている。

 炎のように放ってるエネルギーを周囲に拡大しながら。

「死ね」

 宣告と共にエネルギーが放たれる。

 炎の性質を伴って。



 炎はそこにある何かに付着する。

 つきまとって消滅させる。

 灰になるまで消し去る。

 殺戮と殲滅の代名詞。

 それを容赦なく放ち、人々を焼き尽くそうとする。



 そんな天使の力を見て、イツキはすぐに解析と分析を始める。

 相手の力がどういったものなのか、どうやって用いてるのか。

 その全てを調べていく。

 弱みを見つけていく。



 同時に自分でも使えるようにしていく。

 調べ上げればイツキも相手の力を使えるようになる。

 この能力を使って、イツキは様々な能力を身につけてきた。

 怪物から様々な能力を奪ってきた。

 今も同じように天使の全てを見極めようとしていく。



 だが、それもすぐに終わる。

 見て分かったのだが、相手から学ぶものはない。

 天使が使ってる能力は、今までイツキが見てきたものと同じ。

 力の強さは絶大だが、本質的な部分は同じ。

 これといって見るべきものはない。

「なんだ」

 少しは得られるものがあると思っていたが。

 残念な結果になった。



 もっとも、これは今回だけではない。 

 怪物との戦いでは最近ずっとこの調子だった。



 怪物の用いる能力は確かに様々だ。

 しかし、ある程度の共通点もある。

 単に威力が違うだけという事もある。

 今、目の前の天使が放ってる火炎のように。



 火炎そのものは今まで使ってきた怪物もいる。

 これらと天使が使ってる能力に大きな違いはない。

 ただ、威力の差があるだけだ。

 この威力は、使ってるものの強さに応じたもの。

 天使の場合、持ってる霊気や魔力といった力が大きい。

 だから周囲に大きな火炎をまき散らせる。



 しかし、それだけだ。

 ただ強いだけ。

 特にめぼしい部分はない。

 目新しい何かもない。

 ようは、たき火と同じ。

 火炎放射器と同じ。



 そして、対処も同じ。

 既にこれまで何度も見てきた攻撃手段だ。

 対策も出来上がっている。

 相手が火炎なら、やるべき事は一つ。

 水をかければ良い。



 火炎は水によって消える。

 単純明快な道理だ。

 特別な何かなど存在しない。

 周りにいる人々は、即座に対応を開始している。

 自分たちの周囲に水の性質を持つエネルギーを張り巡らせていく。

 霊気や魔力といった力を、水に変換していく。

 それだけで火炎を防ぐ事が出来る。



 加えて、火炎を燃え上がらせてるものを断ち切っていく。

 火炎は単独では存在しない。

 燃える何かがあってはじめて存在する。

 それは空気であったり薪であったり。

 燃やせるものが無いなら、火は発生しない。



 そんな火炎の素になるものを消していく。

 この場合、大地から組み上がってくる膨大なエネルギー。

 これを天使が汲み上げて、火炎としている。

 このままでは終わることなく炎が周囲にまき散らされる。

 そこで、まずは天使と大地を切り離す。



 天使の周囲に断絶を作り出していく。

 その為に、まずは空からエネルギーを呼び込む。

 大地の対極にあるエネルギー。

 これによって大地のエネルギーを消滅させていく。



 人々が誘導するエネルギーが天使と大地の間に入っていく。

 膨大なエネルギーは天使の周囲を覆い、大地と断ち切っていく。

 さすがにまずいと思ったのか、一度大地の中に戻ろうとする。

 しかし、イツキがそれを阻む。



「逃げるな」

 周囲のエネルギーを動かし、天使の退路を断つ。

 使ってるのは大地のエネルギー。

 これを動かし、天使の動きを封じる。

「なぜ────」

 驚愕する天使。

 だが、別に不思議な事はない。



 イツキの能力は見通す事。

 そこにあるものの使い方や動かし方も見通す。

 だから天空のエネルギーを引き寄せる事が出来た。

 しかし、天空の力だけが使えるわけではない。

 分析や解析が出来たなら何でも使える。

 それこそ大地のエネルギーであってもだ。



 とはいえ、効率は悪い。

 相性というのだろうか。

 イツキの性質や能力だと天空のエネルギーを引き込む方が楽だ。

 比べると大地のエネルギーを動かすのは手間がかかる。

 なので好んで使う事もない。

 とはいえ、時と場合によっては遠慮する事なく使う。

 今のような場合などにはだ。



 逃げようとした天使を阻むなら、天空のエネルギーを用いた方が良い。

 だが、引き込むには時間がかかる。

 大地のエネルギーが邪魔をするからだ。

 ならば、そこにある大地のエネルギーを利用した方が良い。

 効率は悪いが、即座に使う事が出来る。



 この大地のエネルギーを使って敵を阻む。

 敵の力を使って敵を倒す。



 逃げ場を失った天使はあわてる。

 無尽蔵に引き出すことが出来たエネルギーも失った。

 今、天使は己の持つ魔力や霊気といった力のみで行動するしかない。

 逃げ場だった大地すら失って。



 そして、生き残る可能性はない。

 力を失った天使と違い、イツキは天空より力を引き出し続けている。

 瞬間的にはともかく、持久戦になったら勝ち目はない。

 天使の魔力は消費する一方だが、イツキ達は延々と補充と補給を受け続けるのだ。



「じゃあな」

 膨大なエネルギーが空から降りてくる。

 大地を遮る事で天空のエネルギーが通りやすくなった。

 その巨大なエネルギーが天使を覆う。

 瞬間的に魔力を放って抵抗する。

 一瞬だけ天使の周囲を魔力が覆った。

 ほんの少しの間だけ天使は生きながらえる。

 しかし、覆った魔力も天空のエネルギーによって破壊される。

 滝のように降り注ぐエネルギーの中に押しつぶされ、天使は消えていった。



 残った怪物も同じだ。

 逃げ場を失い、天空の値エルギーにさらされていく。

 そのエネルギーが怪物を消し去っていく。

 逃げ込もうにも、大地のエネルギーで作られた壁が阻む。

 そんな怪物を空が飲み込んでいく。



 一瞬にして怪物が消えていった。

 あたりには静寂と平穏が残る。

 湧き出る大地のエネルギーも、降り注ぐ天空のエネルギーによって打ち消される。

 大地の中まで入りこめないが、地表に出るのを防いでいく。

 地表にあふれるエネルギーを減らしていく。



 周辺に満ちる大地のエネルギーも消えていく。

 供給源が無くなったのだ、残ったエネルギーもいずれは無くなる。

 空から降り注ぐエネルギーによって打ち消されていく。



 怪物も生きられなくなっていく。

 空に覆われた場所は怪物をむしばむ。

 体も霊魂も打ち消されていく。






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