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怪物があふれるようになった地球で生き残る、全てを見通せるようになったこの目を使って  作者: よぎそーと
5章

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79 その頃のヒーロー達 8

「急げ、こっちだ」

 怪物達に声をかけていく。

 まだ天空の領域にも、大地の力が満ちてもいない場所。

 しかし、人々がやってきて、空からエネルギーを降ろそうとしてる空間。

 そこにいる怪物を逃がそうとする。



「急げ、地脈や霊脈をすぐそこだ!」

 ヒロトモが怪物達を促す。

 この場においての趨勢は決している。

 既に大地の者達の多くは負けている。

 超能力を操る人類に、怪物は打ち倒されていった。

 おかげで元々少なかった大地の者達は更に数を減らした。

 貴重な戦力を減少させていっている。



 ヒロトモを始め、大地の者達は地脈や霊脈から力を得る事が出来る。

 この力で絶大な能力を振るう事が出来る。

 火炎を吐き出し、吹雪を呼び込み、濁流を放ち、嵐を起こす。

 人間を超える怪力や、にらみつけるだけで命を奪う魔眼を持つ者もいる。

 しかし、その悉くを人々は蹴散らしていく。



 怪物が大地の力による怪力を持つように。

 天空によって力を引き出された人々は超能力を使う。

 それは怪物の力に劣るものではない。

 心を読み、空を飛び、透明な力を叩きつける。

 この力は怪物と互角に渡り合う事が出来るほどだ。



 そんな力を持つ者達がヒロトモに立ちはだかる。

 勝ち目は低い。

 これが何の能力もない、銃や戦車で武装する程度だったらどうにかなったが。

 それ以上の対抗手段を持ってる人類に、ヒロトモ達は劣勢に追い込まれた。



 この場に限った事ではない。

 他の多くの場所でも敗退を余儀なくされた。

 大地のエネルギーが行き渡ってない場所の多くが天空に支配された。 

 その度に怪物は居場所を失っていった。



 抗う為にヒロトモは戦い続けた。

 仲間とともに大地の力を行き渡らせようとした。

 天空の領域を断ち切ろうとした。

 これらの努力が無意味であったわけではない。

 救えた怪物もそれなりにいる。

 大地のエネルギーを満たして天空の力に対抗できるようになった場所もある。

 降り落ちる天空の力を切断し、大地を取り戻した事もある。



 だが、それ以上に天空の拡大は進んでいった。

 各地にいた人々が能力に目覚め、天空の力を呼び込んでるからだ。

 大地の力は次々に分断され、消滅させられている。

 そんな天空の力の前に、ヒロトモ達の行動は無駄で無意味に見えた。



 しかし、それでもヒロトモは怪物の希望となっていた。

 怪物達の為に働き、天空の力を阻止している。

 その働きは怪物達にとって救いに見えた。

 まさしくヒロトモはヒーローだった。



 それはある種の逃避行動。

 現実を無視した考えである。

 実際にはヒロトモの動きは全く効果を出していない。

 大地の勢力は徐々に後退している。

 ヒロトモの活動は成果に結びついてない。



 もう少し効果的に動けばまだいくらか状況は変わっていたかもしれない。

 しかし、ヒロトモは何もしていない。

 ただ、目の前の敵にぶつかっていってるだけである。

 その動きが派手だからごまかされてるだけだ。

 必要のない所に戦力を集めている。

 あるいは、各地に戦力を分散させてしまっている。

 要所をとられ、仲間の怪物を失い、戦力を次々に失っている。



 おそろしいのは、この事に誰も気づいてない事だ。

 がむしゃらに突撃する姿に感動している。

 ただそれだけでしかない。

 成果や結果など誰も気にしてない。

 損害の大きさに目を向ける者はいない。



 見ているのは姿だけ。

 目に見える範囲で何をしてるのか。

 これだけで評価をしていた。



 そんな怪物達は次々に居場所を失っていく。

 撤退に次ぐ撤退。

 いつしか、ヒロトモは逃げ道を確保するためだけに行動していた。

 どうしてこうなったのかと思いながら。



「行け!

 ここは食い止める」

 叫びながら地脈や霊脈からエネルギーを呼び込む。

 降り注ぐ天空のエネルギーを遮るために。

 大地のエネルギーの道が出来て、その中を怪物が進んでいく。

 既に周囲は天空によって力を得た者達に囲まれている。

 それらが空からエネルギーを降ろしてきてる。

 これらが生き残った怪物の退路すら断ち切ろうとしている。



 そうはさせじと、ヒロトモは大地のエネルギーを呼び込んで道を作った。

 その中を通って怪物が逃げられるように。

 地脈から枝分かれしたエネルギーがヒロトモへと向かっていく。

 それも空から降りてくるエネルギーによって押しつぶされていく。

 その中を、怪物はどうにかくぐり抜けていき。

 最後にヒロトモが通っていく。

 それと共に、脱出路となっていた大地のエネルギーが消えていく。



「大丈夫?」

 大地の領域に戻ってきたヒロトモをミオが迎える。

 不安げな顔でいたわるミオ。

 そんな彼女に、

「大丈夫だ」

 短く応えていく。



 状況は確かに悪い。

 だが、弱音を吐くわけにはいかなかった。

 周りにいる者達を心配させないためにも。

 少しでも気力を奮い立たせるためにも。



 そんなヒロトモだから怪物達もついていく。

 苦しい状況を乗り越えようとする。



 そんなヒロトモと怪物達は、逃げ込んだ大地のエネルギーのあふれる場所へと向かう。

 そこから大地の中へと向かい、休みをとる。

 空が地表を覆っても、まだ大地の中まで侵入されてるわけではない。

 この中なら空におびえずに済む。



 その中で、ヒロトモはミオを抱きしめる。

 大いなるエネルギーに守られながら。

 ミオもヒロトモを抱きかえす。

 寄り添いながら、支え合うように。

 そうしないと不安に押しつぶされてしまうから。



「……必ず取り戻すよ。

 大地を」

「うん、がんばろう」

 励まし合う。

 空虚さを感じながら。



 出来る事ならとっくにしている。

 しかし、それがままならないでいる。

 それでも望みを口にして。

 希望を抱いていく。

 そうしなければ現実に押しつぶされるから。

 次々に失われていく大地の事を考えてしまうから。



 やがて二人は口を重ね。

 そして肌を合わせていく。

 これまでそうしてきたように。

 深く深くつながっていく。





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