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怪物があふれるようになった地球で生き残る、全てを見通せるようになったこの目を使って  作者: よぎそーと
4章

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71 その頃のヒーロー達 6

「あれは……」

 空から下りてくる巨大なエネルギー。

 その存在は藤原ヒロトモも感じ取っていた。

 隣にいる夷隅ミオも。

「ねえ、あれって」

「ああ」

 不安げな顔をするミオにヒロトモが頷く。



 異質なエネルギーだった。

 何が起こったのかは分からないが、何かがやってきたのは感じ取る事が出来た。

 それが彼等のいる大地と相容れないものだという事も。

 不安がこみ上げていく。



 それはヒロトモとミオだけではない。

 周りにいる者達も、地脈や霊脈の中にいきる怪物も同じだった。

 周りに居る者と人間だった存在も。

 誰もが一様に不安をおぼえていた。



 彼等が拠り所としている大地もだ。

 エネルギーの供給を受けていきてるヒロトモやミオだ。

 彼等の霊魂は大地そのものと結びついている。

 だから彼等の考えや気持ちは大地に伝わり。

 大地の思いや意思もヒロトモやミオに伝わる。



 今も大地から伝わってくる。

 恐怖というか、嫌悪感というか。

 憎悪や怒りといった感情が。

 敵対というべきだろうか、空からおりてきたエネルギーにはそんな思いを抱いている。

 そんな意思や意識を受け止めるヒロトモとミオも同調していく。

 大地の気持ちに心が、感情が同調していく。



「どうにかしないと」

「うん」

 大地の声に応えるようにヒロトモが決意を固めていく。

 隣に立つミオも同様に。

 大地によって生かされ、未来を手に入れた二人である。

 そんな大地を損なう何かがやってきている。

 放ってはおけなかった。



「みんなに声をかけてくれ」

 ミオに仲間を呼びにいかせる。

 その間にヒロトモは考えていく。

 空から来る侵略者を倒す方法を。

 大地にもお伺いを立てて。

「────あれをどうにかする方法はありますか?」



 後日、ヒロトモは仲間と共に出向いていく。

 空より降るエネルギーが落ちる場所へ。



 しかし、そうも言ってられなくなっていく。

 空からエネルギーが落ちる場所は次々に出現していったからだ。

 そこかしこで、あらゆる所で。

 その対応の為に様々な所に足を向ける事になる。



「急がないと」

 焦りが生まれた。

 天空のエネルギーは大地を遮断する。

 地脈や霊脈が彼方此方で分断される。

 これらは大地の中で繋がってるので、完全に遮断されるわけではないが。

 しかし、地上に生きる様々な生命への障害となる。



 エネルギーが遮断されれば、大地の中にいた者達が生きられなくなる。

 これらは怪物と呼ばれるものなのだが、ヒロトモはそんな事気にしない。

 全て等しく生命を持つ存在だから。

 どれほど凶悪であっても、無闇に命を損なわれるわけにはいかない、こう考えてる。



 そんな怪物は地脈や霊脈によって生かされている。

 これらが地上に溢れる事で、怪物も自由に動けるようになっている。

 それを遮られ用としてるのだ。

 大地の中は大丈夫とはいえ、それで良いというわけにはいかない。

「せっかく外に出られたのに」

 同情がヒロトモを突き動かす。



 ヒロトモとて例外ではない。

 既に大地のエネルギーによって生きてる身だ。

 地脈や霊脈が途切れたら、活動できる場所が限られてしまう。

 怪物と違って、ヒロトモは大地のエネルギーの外でも生きてはいける。

 しかし、エネルギーを受けられる場所が減れば、その分活動する時間の長さが短くなる。

 生死に直結しなくても、自由自在に動ける範囲が狭まる。



 何より、エネルギーという新たな食料との接点が途切れてしまう。

 食事が必要なくなったとはいえ、生きていくのにエネルギーは必要だ。

 そもそもとして食事とはエネルギーを体に取り込む事だ。

 食べるのが野菜や肉からエネルギーに代わっただけだ。

 このエネルギーが存在しない場所で生きていくのは難しい。

 腹が減ったらエネルギーのある場所に戻れば良いだけだが、それも手間がかかる。



 今やヒロトモとて生きるために大地のエネルギーが必要なのだ。

 これを分断されるわけにはいかない。

「誰がやってんだ」

 焦りながら空から降りてくるエネルギーを見つめる。



 しかし、止めようと思っても止まらない。

 天空のエネルギーを断ち切りたくても、そんな事出来るわけもない。

 そのエネルギーは大地のエネルギーを弾くのだ。

 どんな攻撃をしても簡単には壊れない。

 大地からエネルギーを誘導してぶつけても、無くす事は出来ない。

 大きく減退はするが、消滅まではいかない。



 それがヒロトモを焦らせる。

 一つのエネルギーを打ち消すだけでも手間がかかる。

 しかも、その間に空からのエネルギーはどんどん増えていく。

 柱のように地面に立つそれらは、ヒロトモ達の居場所をどんどん縮めていった。

 それを止める事も出来ず、ヒロトモ達は居場所を失っていった。






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