62 敵対勢力 警察 3
警察からすれば突然の事だった。
ある日突然、保護下の町から火の手があがり、建物が崩壊し。
人々が逃げ惑いはじめたのだから。
あわてて避難誘導と事故現場に人を派遣した。
しかし、それらも外に出たまま帰ってこなかった。
何かある。
様々な事件に対処する警察だ。
即座にこれがただの事故ではないと察した。
何者かの攻撃ではないかと。
即座に対応を変えた。
事故ではなく事件へと。
攻撃・防衛体制になっていく。
警察署の外に出る者は武装をさせ。
怪物に変化したものを同行させた。
外で事件を起こしてる者に対処させるために。
警察署も応じて防衛体制を作っていく。
何者か分からないが、町で事件を起こしてるなら、警察署にも攻撃してくる可能性がある。
それを迎撃するために。
やらねば多くの者が死ぬのだから。
「なんてこった」
これが警察の感想だ。
世界が激変してからこっち、人々を守るために奔走してきたが。
どうにか生き残りを集め、町で保護をして、安全な場所を作ってきた。
それがこのような襲撃を受けるとは。
「どこの誰だ」
空にオーロラが舞うようになってから出てくるようになった怪物か。
食料や物資欲しさに暴れる連中か。
どちらにせよ、撃退せねばならない脅威である。
警察としてはこれまで通りに動くつもりだった。
人々を守り、荒くれを撃退する。
たとえどれだけ犠牲が出ようとも。
これまでそうしてきたように。
今回も人々を守るのだと。
────何をいっている?
警察支配下の町を知る者はこう思うだろう。
警察は保護といって人々を強制的に連行してきて。
警察署周辺の家やビルに人々を押し込めて。
食料などを配給で管理をして。
作業や労働などを押しつけて。
更には生活の全てを監視下においた。
少しでも逸脱する者には処罰を加えながら。
全ては規則を理由にして。
それは、控えめにいってモラル・ハラスメントでしかなかった。
起きる時間から寝る時間まで管理をして。
箸の上げ下げから、トイレの利用時間まで。
自由はそこにはない。
いうなればそれ、刑務所のような状態だった。
規律という名の牢獄。
秩序という地獄。
これが警察の作り出した町である。
そんな町で人々は逼塞しながら生きていた。
ただ生きてるだけで好きな事は出来ない。
あくびや背伸びすらもろくに出来ないでいる。
やれば処罰を受けるのだから。
しかし規律を旨とする警察はおかしいとは思わない。
むしろ、これが当たり前。
出来ない方がどうかしている。
これが警察の考えだった。
彼等は当たり前をやってると思ってる。
だから違和感など感じない。
不満を持つのは、そうなる者の方が悪いとしか思わない。
むしろ、規律と秩序でまとめあげてるのだ。
これに従わない方がおかしい。
だから警察は規律で人を縛り上げる事を躊躇わなかった。
完全監視社会を作りあげた。
そんな町を警察は理想の状態だと確信していた。
外はともかく警察の保護下の町は平穏だと。
平和を保ってるのだと。
彼等が悪さを取り締まってるなら間違ってはいない。
だが、ここで警察がやってるのは、統制でしかない。
既に述べたとおり、町全体を牢獄としただけである。
そんな牢獄が破壊されていく。
警察はそれを秩序の崩壊と見て。
救出された者達は、自由への解放と見た。
もちろん、町の全ての者が平穏を得たわけではない。
救助対象となったまともな者は自由を取り戻したが。
そうでない者達はその場で処分されていった。
ある意味解放ではある。
この世からの。
そんな町を見て警察は、自分達の努力が無駄になっていくのを感じ。
それでもやってくるだろう敵に備えた。
苦労して作った牢獄の破壊、その報いを与えるために。
警察の威信のために。
警察の威信のため。
つまりは、人々の営みや平穏など全く考慮しない。
あくまで警察の意地や存在のためだけ。
その為に警察署に立て籠もり、来るかもしれない敵を待った。
結果は惨敗。
署内の空気は全て消え去り、誰もが呼吸困難に陥っていった。
最初は何が起こったのか分からなかった。
いきなり呼吸が苦しくなったが、それがどうしてのなのか見当も付かなかった。
考える余裕すら無かったが。
だから逃げ出す事も考えられなかった。
勘の良い者は反射的に動き出しはした。
何が起こってるかはわからないが、ここにいては不味いと思った。
その直観に従い、外へと向かう。
外に近いところに居た者は何とか逃げる事は出来た。
しかし、奥まった所にいるものはそうはいかなかった。
大半がそのまま窒息していった。
逃げ出せた者も無事ではいられない。
飛び出した途端に攻撃を受けて死んでいく。
待ち構えていたイツキ達によって。
魔術や超能力による遠距離攻撃を受けて、逃げた者はあっさりと倒されていった。
逃げる事に失敗した者は窓や出入り口の近くで倒れていく。
あと少し、あと何メートルか。
そこまで行けば外に出られる。
外が目にうつってる。
だが、動けない。
体から空気が抜けきり、体がまともに動かせない。
すぐそこにある希望を見ながら、絶望をおぼえていく。
その絶望を表情にして、息絶えていった。
こうして規律ある地獄を作り出した警察は滅びた。
周辺にいる多くの怪物候補達と共に。
牢獄だった町は、廃墟だけを残して消滅していった。
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