5 最善の道を示す能力
目に飛び込んでくる、頭に浮かんでくる光景。
そして、最善へと至る道。
景色の、廊下に示された光る道。
何処までも続く紐のような、青く光る道筋。
それを辿って進んでいく。
これもイツキが得た能力だ。
進むべき方向を能力が示してくれる。
目に映る風景に、進むべき方向をあらわしてくれる。
誘導・ガイド機能といおうか。
このおかげでどこを通れば安全なのかが分かる。
ただし、完全ではないのも確かだ。
どれだけ避けても、危険が消えるわけではない。
あくまで避けるだけで、脅威を無くすわけではないのだ。
また、比較的安全というだけで、脅威そのものと遭遇する事はある。
今なら怪物になった人間にどこかで襲われる事になる。
この回数を大幅に減らすのが手にした能力の限界だ。
なので、最終的にはイツキ自身の手で敵を倒さねばならない。
でなければどこかの段階で死ぬ。
この条件も含めて能力は道を示してくれている。
敵に出来るだけ遭遇せず、対抗手段を得られる方向を。
この導きに従って、学校内を進んでいく。
大回りをしながら。
まっすぐ進めばすぐに到着する部屋。
だけど今はとてつもなく大回りをしている。
教室から出て非常階段へ。
そこをのぼって最上階に向かい、そこから階段へと向かう。
階段で一つ下におりたら、今度はまた非常階段へ。
そこから1階まで下りて、第二校舎へ。
こんな調子だ。
おかげでというか、怪物には遭遇していない。
既に何匹もの怪物が出現してるというのに。
その理由は、ちらっと見えた教室の様子から察する事が出来た。
その場にいる生徒の殺戮に忙しいようだった。
ありがたいのでそのままもう少し教室の中で勤しんでいてもらいたい。
また、そこから逃れる者達の存在も大きい。
運良く廊下に出た者達も、同じように外に出た怪物に襲われていく。
それが良い囮になってくれていた。
おかげでイツキが襲われる事もない。
中には怪物と戦ってる者もいる。
イツキのように何らかの力に目覚めた者達だ。
これらが己の能力を使って怪物と互角に戦っている。
潰し合ってくれるのはありがたかった。
どちらが勝つにしても時間を稼げる。
そうしてギリギリ安全を保ちながら目的地へと向かう。
向かった先は家庭科室。
包丁などの刃物を確保出来る。
また、技術室にも向かう。
工具などを手に入れることが出来る。
更に、化学室。
劇薬などを手に入れることが出来る。
これらを出来るだけ確保して、学校から脱出する。
向かうのは職員室。
最後に必要なものを手に入れるために向かう。
ただし、ここでは少しばかり頑張らねばならない。。
どうしても戦闘が避けられないのだ。
「……しょうがねえ」
腹をくくる。
幸い武器はある。
あとは運次第。
こればかりは能力も完璧な安全を示せない。
危険を覚悟で飛び込んで、やるだけの事をやるしかない。
ブックマークをつけて今後も付き合ってくれるとありがたい。
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