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34 始まる戦争

 親の処分が終わり、心の中で一区切りがついた。

 問題の原因が消えた事で気分が軽くなる。

 もちろん状況は変わってない。

 怪物になった人間が襲いかかってくる可能性は常にある。

 それでも、気分はすこぶる晴れやかだった。



 作業そのものも進んでいく。

 周囲の危険を取り除き、問題を減らしている。

 これからもまだ敵は増えるだろうが、その数を減らしている。

 しばらくの安全は確保出来そうだった。



 ただ、あちこちの避難所から出てくる者達。

 食料や物資を求める者の姿も多くなっている。

 政府の救援もろくにないままなので、どこも必要なものが足りなくなってるのだ。

 生きるためにはしのぎを削らなければならなくなってきている。



 それでも最初はどこも話し合いでどうにかしようとしていた。

 食料や物資を融通し、争う事無く必要なものを融通しようと。

 無駄な事である。

 どこも欠乏に陥る直前なのだ。

 既に何もかもが足りない場所も出てきている。

 余ったものを取引で手に入れることなど出来るわけがない。



 それが分かってくると、人は決断をしていく。

 無いなら奪わないといけないと。

 理性で判断していく。



 そう、理性で判断してるのだ。

 智慧が足りないわけでも、頭の回転が落ちてるわけでもない。

 それしかないと理性で判断をして強奪を決意していく。

 やけっぱち、自暴自棄になってるわけではない。

 もしそうなら、強奪を選択する事も出来ず、悩んで迷い続けていただろう。

 手遅れになってもなお。



 人は理性や知性があるから愚行を選ばないのではない。

 理性や知性で暴力を選ぶのだ。



 そんな人間として至極真っ当な思考の果てに、あちこちの避難所は行動をしていく。

 まずは手近な所に攻めこんで。

 それが終われば少し離れた所へと向かって。

 残り少ない物資を強奪していく。



 急がねばならない。

 時間がたてば、食料は食い尽くされる。

 消耗品などの物資も使い潰される。

 他の避難所の人間が使う事で、これらは確実に消えていく。

 時間と共に。



 そうならないうちに食料も物資も確保せねばならない。

 時間が今は一秒でも惜しかった。



 当然ながら、これらは陰惨な戦闘になっていく。

 なにせ相手を根絶やしにするしかないのだ。

 そうしなければ、自分達の身内にまわすだけの物資がなくなる。

 他の勢力は一人として生かしておけなかった。

 よほどの能力や才能がなければ。

 知識や技術がなければ。

 あるいは、単純に見た目が良くなければ。



 能力や知識などは今後生き抜くために必要になる。

 そして、見た目が良い者は娯楽に使える。

 こんな理由から、負けた側は選別されていった。



 だからこそ、争いで負けるわけにはいかなかった。

 勝たねば一部を除いて皆殺しになるのだから。

 下手すれば、一部すら残らず全員殺される。

 女子供であろうと。

 むしろ、即戦力にならない者は容赦なく殺される。

 将来の労働力として、労働力の産出としての価値はあってもだ。

 現状で養えない者は切り捨てられる、文字どおりの意味で。



 老人に至ってはこうした選別すらされない。

 例外なく殺される。

 知識や技術、経験がなければ。

 劣った労働力に何の価値もないのだから。



 殺戮が始まっていく。

 世界各地で。




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