26 禍根を作った父は報いを受けて潰えていく
戻ってきた自宅の中で父を待つ。
どれだけ待つのかは能力が教えてくれる。
さほど待つ必要は無い。
その間に準備を済ませておく。
といってもさほど手間がかかるわけでもないが。
父の帰宅は準備が終わって数分ほど過ぎた頃だった。
予想というか予定というか。
能力が伝えてくる通りの時間に戻ってきた。
何秒か程度の誤差はあるだろうが、それは大した問題ではない。
その父が何の警戒もなく家に入ってくる。
そのまま台所兼用の居間までやって来たところで、イツキは動いた。
警戒してない父を刺すのは簡単だった。
相手は衝撃に疑問をもち。
驚いて貌を歪ませていこうとする。
そんな父を床に転がす。
見通す能力を使って。
イツキが手に入れた見通す能力には身体能力の上昇のような効果は無い。
相手に何かしら力を加えるようなものも。
まあ、見た相手の状態を知る事は出来る。
これが、ある意味なにかしらの影響を与えてるといえるかもしれないが。
そんな相手を見通す能力で、イツキは父を床に転がす事が出来た。
柔道の投げ技のように。
といっても、力で強引に相手を投げるわけではない。
相手の力がどこにかかっているのか。
それをどうやれば外して不安定にさせられるのか。
そこからどう力をかければ相手は倒れるのか。
これらを見る事は出来る。
攻撃の命中や回避の応用だ。
少しばかり慣れが必要だが、柔道や柔術のような事が出来るようになる。
もっとも、イツキの出来る事は、高段者ほどではないが。
それでも警戒してない素人を転がすくらいは出来る。
こうして父を床に倒して。
無防備な体を更に刺していく。
父の体には何カ所かの刺し痕が出来ていった。
「どうしたんだよ」
いつも威張り散らしていた父。
何かにつけてイツキに何かを命令していた男。
そんな輩が常に口にしていた言葉をかけ返していく。
「なにやられてんだ?
努力が足りないぞ」
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