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2 その時、教室は

 イツキが突如目覚めた能力に従って教室から逃げ出したあと。

 そうと知らない他の生徒は、その場で立ち尽くしていた。

 窓の外に見える異様な光景を見て。

「オーロラ?」

 誰かがぼそっと呟く。



 その通り、空にはオーロラが浮かんでいた。

 日本ではまず滅多に見ないものが。

 それらに生徒の多くが目を奪われていた。

 ただ、この時は珍しい事もあるものだという程度にしか受け止めてなかった。

 折角だから目におさめておこうと。

 しかし、そんな悠長な事を考えてる余裕などすぐになくなる。



「…………う」

 くぐもった声を漏らして倒れる者が何人か出た。

 それらは自分の席に座りこみ、苦しげにうつむいていく。

 それに気付いた者が声をかけていく。

「なあ、大丈夫か」

「きついんなら保健室に行こうか」

 教師もそれに気づいて様子をうかがう。

 そして、担当の者に声をかけようとする。

「おい、誰か保健室に付き添ってやれ────」

 そこまで言ったところで、教師の声は途切れた。



 うずくまっていた生徒達。

 それらは突然変化を始めた。

 肉体が膨張し、制服が千切れ飛ぶ。

 肉の厚みが増し、背丈も伸びる。

 体格が一瞬にして膨張し、人間を超えるような体躯を誇るようになる。

 顔の形状も変わる。

 犬や猫のように、口の部分が突き出したような形になる。

 耳も尖り、動物のようになる。

 人としての体型を保ちながら、獣の要素を示していく。

 それはホラーに出てくる怪物のようだった。

 狼男、あるいは獣人と呼ばれる。



 そんな獣人達は、変化が終わるとまわりにいる者達を襲い始めた。

 太くたくましい腕を振り回し、鉄のように硬くなった爪で切り裂くように。

 近くにいた生徒の頭が飛ぶ。

 腕の一撃で首が千切れたのだ。



 別の者は爪で切り裂かれた。

 爪といっても、鉄のような硬さを持つ、鉈や斧のように分厚い刃のようなものだ。

 首を吹き飛ばすような力で振るわれれば、人などすぐにズタズタに引きちぎる。

 犠牲になった者は左肩から右の脇腹まで袈裟懸けに切り裂かれた。

 上半身が床に落ちて、下半身がゆっくりと倒れていく。



 すぐにこれらを理解できる者はいなかった。

 今までの現実とはかけ離れていた為に。

 だが、だんだんと理性が状況を受け容れていく。

 そこまでわずかだが時間がかかる。

「──── !」

 ようやく誰かが悲鳴をあげようとした。

 そいつは声を出す間もなく、獣人に殺された。



 ここに至って、ようやく他の者達が反応を示すようになった。

「きゃああああああああ!」

 ある女子は悲鳴をあげた。

 別の女子は腰を抜かしてその場にへたりこんだ。

 その近くにいた男子は立ったまま失禁をした。

 普段、威勢の良い連中は恐怖に顔を強ばらせて後退りした。

 他にも、呆然と同級生が死んでいくのを見ているだけの者もいる。

 誰もが驚愕に我を忘れていた。



 ここだけではない。

 他の教室でも同じような事が起こっていた。

 学校全体が阿鼻叫喚の地獄と化した。



 それだけではない。

 地球上のあらゆる所で同じような事が起こっていた。

 何が原因でこうなってるのかも分からないままに。

 ただ、危険がすぐそばで発生する。

 それだけは誰もが察していった。

 まだ生きてる者達は。




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