35、再会
今は5月終わり。大学生になってもう2ヶ月近くが経過した。
桜も散ってもうすっかり葉桜になっている。
大学で友達が出来るかすごく不安だったけど、勇気を出して話し掛けてみると皆優しくて時々一緒にお昼ご飯を食べるようになった。
「倉橋ちゃんって生え際は暗めだよね?染めてるの?」
「染めてないよ」
「じゃあなんで?」
「なんでだろ。私も分かんない。昔はもっと金っぽい色だったんだけど年々暗くなってるんだよね」
友達と食堂でご飯を食べていると、リオ兄とその友達も食堂にやって来た。
小さく手を振るとリオ兄は微笑んで手を振りかてしてくれた。
「相変わらず仲良いね」
「まあね」
「いいな~。あんなお兄ちゃん羨ましい!見て、私の兄貴」
エリカはリオ兄たちの方を指して溜め息をついた。
エリカのお兄ちゃんとリオ兄は仲が良くて今日も一緒にご飯を食べてる。
そして、エリカは兄貴ってさ~と言いながらもいつも楽しそうに話していてなんだかんだ好きなのが伝わってくる。
「あ、イケメン登場だ!」
そう言ってエリカが手を振ると、大人っぽい雰囲気を漂わせた男の子がこっちに歩いてきた。
もしかして、エリカの彼氏かな?なんて他の友達と小声で話していたらすぐに否定された。
「高校のときの同級生だよ」
「斉藤と話すの卒業式以来だね」
「まあ、学部も違うからね」
「うん」
エリカの元同級生は私の顔をじっと見ていた。
私の顔、なんかついてるのかな?
あれ?それにしてもなんか見覚えあるかも。
誰だっけ?結構仲良かった気がする。
頑張って記憶を巡っていると、元同級生が口を開いた。
「間違ってたらごめん。浜中小の倉橋、だよな?」
「そうだけど。…………あ、もしかして畠中くん?」
「そう!久しぶり!覚えててくれたんだ」
「覚えてるよ。小学校の卒業式以来だからもう7年ぶりくらい?」
「うん!元気そうでよかった」
「畠中くんもね」
畠中くんは小学校時代、仁くんと仲良しで友達のいなかった私とも仲良くしてくれた。
勉強も運動もできてすごく人気だったけど、女子とあまり話さないから私は結構嫌がらせを受けたけどそのときも仁くんと一緒に庇ってくれた。
結局、仁くんが怪我を負ったことで皆何も出来なくなって嫌がらせは止んだけど。
「蒼井は?元気にしてる?」
「うん。今は隣の県で一人暮らししながら社会人してるよ」
私が仁くん家に遊びに行って帰るときにはいつもちょっとふて腐れてるけど。
まあ、私よりも家事スキルは全然上だから19歳の一人暮らしとは思えないくらいしっかりした生活送ってるみたいだけど。
「そうなんだ。久しぶりに会いたいな」
「じゃあ連絡先送ろうか?仁くんに確認してからだけど」
「うん」
とりあえず、私と連絡先を交換して仁くんに確認してから畠中くんの連絡先を教えることにした。
まあ、わざわざ確認しなくても大丈夫だとは思うけどね。
「じゃあ、次講義あるから。今度は一緒に昼ごはん食べよう」
「うん」
畠中くんは手を振って食堂から出ていった。
それにしても、まさか大学で畠中くんに再会するなんて思ってなかったな。
「倉橋ちゃん、運命の再会ってやつじゃない?」
「そんなわけないよ」
「え~、イケメンだったじゃん。畠中くん?」
「恋愛に発展したりするんじゃない?」
「そんな漫画みたいなことないよ」
友達には、まだ恥ずかしくて彼氏がいることは言えていない。
皆、彼氏欲しい~って言ってるから言いづらいし。
今日の講義を終えて侑希と駅で待ち合わせて一緒に帰ることになった。
改札口付近で侑希がこっちに向かって手を振った。
「レンレン!」
「侑希、お疲れ」
「お疲れ~」
侑希はバイト先が同じだから昨日会ったばかりだ。
ちなみに、バイトは本屋さんの店員だ。
侑希と同じタイミングで始めたお陰でバイト先にも早く馴染むことができた。
人見知りも改善されてきた気がする。
侑希は私よりも少し前の駅で降りた。
最寄り駅で降りて改札を通ると、ちょうど畠中くんに会った。
「あ、」
「そっか。家近いもんね」
途中まで一緒に帰って分かれ道で分かれると思ってたら畠中くんが立ち止まった。
「家まで送るよ」
「いや、いいよ。まだ明るいし」
「そっか。じゃあ気をつけて」
「うん。ありがとう」
畠中くんに手を振って家に帰った。
行動までイケメンなのはいいけど、全女子にそんな対応してたら思わせ振りだってそのうち怒られちゃいそうだな。
それにしても、明日は土曜日だし家帰ったらアニメ一気見しようかな。
「ただいま~。って、まだ誰も帰ってないか」
リビングのテレビをつけて今週配信されたばかりのアニメを全てみた。
今日はお母さんとお父さんの帰りが遅い日だ。
夜ご飯は食べて帰るらしい。
じゃあ、今日はリオ兄とジュン兄の分だけでいっか。
ぐっとのびをしてキッチンに立った。
今日は時間があるしメンチカツにしよ。
リオ兄もジュン兄も喜ぶだろうな。2人ともメンチカツ大好きだし。まあ、私が1番好きだけど。
タネをこねて冷蔵庫で冷やしておいた。
リオ兄とジュン兄から連絡が入ってから衣をつけてあげ焼きにしてその他の副菜も作った。
料理って始めると楽しいんだよね。
始めるまでが面倒だけど。
ちょうどスープができたタイミングで玄関の鍵が開く音がしてリオ兄とジュン兄がリビングに入ってきた。
「「ただいま~」」
「おかえり~。ご飯もうすぐ炊けるよ。今日は、帰ってくるのが早かったからメンチカツにしてみたんだ!」
「食べるの楽しみ」
「蓮が作ってくれたのとかもったいなくて食べれねえ」
「じゃあジュン兄は食べなくていいよ」
「食べます!喜んでいただきます!」
ジュン兄は急いで手洗いうがいをしてシンクに入っていたフライパンとボールを洗い始めた。
私が料理をするときは大体、ジュン兄とリオ兄のどっちかが洗い物をしてくれる。
私の性格をよく分かってるなとは思うけど、甘やかされるとそれが普通って勘違いしそうになる。
「洗い物、ありがとね」
「どういたしまして。蓮も飯作ってくれてありがとうな」
「ありがとうな、蓮」
「どういたしまして。じゃあ、ご飯も炊けたし冷めないうちに早く食べよ」
ご飯をお茶碗によそってテーブルに運んだ。
メンチカツは大好評で私も満足な味だった。
今度、仁くんにも作ろうかな。あ、けど、仁くんには負けちゃうか。
食べ終わったお皿を片付けてデザートを食べているとリオ兄が私の方を見た。
「蓮、今日食堂で喋ってた男、知り合いっぽかったけど誰?」
「小学校の頃、仁くんと仲良かった畠中くん」
「いじめてたやつじゃないんだな?」
「うん」
「良かった」
リオ兄はホッとしたように息を吐いた。
私が小学校の頃いじめられてた時期ってリオ兄とジュン兄が卒業してからだもんな。いじめっ子の顔知らなくて当然か。
デザートを食べ終えて仁くんにメッセージを送った。
今日、畠中くんと再会したことと、畠中くんに連絡先を送っていいか。
既読つかないな。寝ちゃったのかな?
私も今日は早く寝よう。
お風呂に入って髪を乾かしてすぐに寝た。
翌朝、目が覚めると畠中くんからおはようとメッセージが送られてきていた。
無視するのもな~と思いつつ無視した。
別にメッセージであんまり喋るタイプじゃないし、せっかくの休みなのにおはようからだんだん会話して時間を使いたくない。
休みの日の時間は有効活用しないといけない。
自分にたくさん言い訳をしながらスマホを閉じて、リビングにおりて朝ごはんを食べていると家のチャイムが鳴った。
まだ7時半なのに。春雪かな?と思ってインターホンを見ると畠中くんが立っていた。
「どうしたの?」
『朝早くにごめんね。よかったら今から一緒に出掛けない?』
「あ、ごめん。今起きたばっかりだから。」
『そっか。また誘うね』
「え、あ、」
畠中くんはすぐに帰っていった。
なんだったんだろう?首をかしげていると、ジュン兄とリオ兄が真後ろに立っていた。
「びっくりした~。」
「悪い。驚かせて」
「今のやつが畠中?」
「うん」
「なんか、なあ」
「うん」
ジュン兄もリオ兄も顔を見合わせて少し眉を歪めた。
2人とも人をみる目っていうか勘が鋭いからそんな反応されると怖いんだけど。
少しびくびくしながら朝食を食べて片付けていると、私のスマホが鳴った。
今度は誰?と思ってると、仁くんから電話が来ていた。
今日は休みだったんだ。てっきり仕事だから返信が来ないのかと思ってた。
「もしもし」
『蓮、畠中の連絡先俺に送ったらすぐに消せ。あと、2人になったりしてないよな?』
「昨日、途中まで一緒に帰ったけど」
『何もされてないか!?』
「されてないよ。てか、なんでそんなに焦ってるの?」
『いや、後で話す』
仁くんはそう言って電話を切ってしまった。
てか、後でってどういうこと?
こっちに帰ってきてる途中ってこと?
そして、30分後。また家のチャイムが鳴ってインターホンの前には仁くんが立っていた。
すぐに玄関を開けると、仁くんに抱きしめられた。
「寂しかったの?」
「違う。それより連絡先消したか?」
「なんで消してほしいのか教えてくれるまで消さない」
仁くんの顔を見ると気まずそうに目を逸らした。
なんでそんな顔するんだろう。
なにか言えない理由でもあるの?
俺以外の男の連絡先は消せって言うならまだ分かるけど畠中くんの連絡先を消してほしがる理由が分からない。
「あ、そういえば今日の朝、畠中くん来たよ」
「なんで蓮の家の場所知ってるんだ?」
「仁くん家の隣だからじゃない?」
「俺、畠中に家教えたことねえよ。そもそも、あいつ引っ越したから途中まで一緒に帰ることもないだろ」
「え、」
じゃあ、畠中くんが途中まで一緒に帰ってたのは私の想像?
それとも、私が会った畠中くんは偽物だったってこと?
幽霊?幽体離脱?悪魔が魔法で変身した姿?
え、どれも怖すぎない?こんなこと実際に有り得るの?
「蓮、落ち着けって。どれも違うから」
「そんなの分かんな」
「分かるわ!」
あ~あ。怖いけどちょっと面白そうって思ってたのに。
仁くんってばすぐに否定するんだから。
唯と春雪とヒナはのってくれるのにな~。
仁くんはスマホを操作して誰かにメッセージを送っていた。
「畠中と話してくる」
「私も行っていい?」
仁くんの腕を掴むと後ろから頭に手を置かれた。
顔をあげるとジュン兄が立っていた。
「俺も行く」
「じゃあ俺も」
リオ兄も外に出てきた。
仁くんは焦った様子で首を横に振った。
ジュン兄とリオ兄はそんなの無視で仁くんの肩に手を置いた。
「絶対目立たずに声が聞こえない距離で座るならいい」
「「うん」」
仁くんは疑うような目線を向けてきたけど、私もジュン兄もリオ兄も安心してと言って笑った。
金髪は目立つと思って、私は普段しないお団子をして、リオ兄はメガネをかけて、ジュン兄は帽子を被った。
これで変装もバッチリだ。
仁くんが入っていったカフェに私たちも時間をズラして入っていった。
仁くんと畠中くんのいる席に視線を向けるとすごく険悪そうな雰囲気が流れていた。
声が聞こえない距離と言っていたけど、空いていた席に着くと普通に声が聞こえてきた。
仁くんはこっちに気付いていないようだ。
「畠中、答えろ。どういうつもりで蓮に近付いた?」
「嫉妬?お前、相変わらずウザいな」
「んなのどうでもいいんだよ。もう蓮に近付くなって言ったよな?」
「そんなの覚えてないよ」
畠中くんはふんっと鼻で笑った。
あれ?この畠中くん、ホントに私が知ってる畠中くんだよね?全然別人みたい。
仁くんと仲良さそうだったのに。
「お前、自分が何したかも忘れたのか?」
「子供の嫌がらせぐらいでそんなにキレるなよ」
「何が子供の嫌がらせだよ。あんなんイジメだろ。背中に悪口書いた紙貼ったり、女子に蓮の悪口流したり、蓮のこと突き飛ばさせたり、階段から突き落とそうとしたり。全部、お前が仕向けたんだろ?」
え、なにそれ。
全部知らないんだけど。
それ、ホントに私がされてたの?
「もし、その場に俺がいなかったら、お前、人殺しになってたかもしれねえんだぞ?警察にも教師にも黙ってたのは蓮が事情を知って傷付かないためだ。その代わり、蓮に近付くなって言ったよな?」
私が気付いてないだけで仁くんは私が思ってる以上に私のこと守ってくれてたんだ。
今日も、声が聞こえない距離の席って言ったのは私が傷付かないように。私を守るために言ってたんだ。
いつの間にか、視界がにじんでいた。
「蓮、大丈夫か?ケーキ、食べるか?」
「食べる、」
「俺のパフェも食べるか?」
「食べる、」
拭いても拭いても、守られてたことに気付けなかった自分が情けなくて涙が止まらない。
けど、リオ兄とジュン兄からスイーツを少しずつ分けてもらったお陰で気持ちは少し落ち着いた。
「どうする?帰る?殴り込みに行く?」
「社会的に殺す?」
「リオ兄もジュン兄も冗談が物騒すぎる」
「「冗談?」」
リオ兄もジュン兄もアイドルスマイルみたいな顔をしたけど目が全然笑っていなかった。
お兄ちゃんたち本気だ。
そう思った瞬間、涙が急に引っ込んだ。
私が泣いたら色んな意味で畠中くんが死ぬ。
「ここでもう少し話聞いててもいいかな?」
「「いいよ。俺らも聞きたい」」
お兄ちゃん2人はニッと笑った。
それが怖いんだって。
とりあえず、2人から目を逸らして仁くんたちの会話に耳を傾けた。
会話の内容的に、畠中くんが仁くんの言っていたことに肯定したらしい。
「なんで、そんなことしたんだ」
「………お前のせいだよ。俺は、勉強も運動も全部努力してたのにお前は初めてやることだってすぐにできて」
「じゃあ、俺にすれば良かっただろ」
「倉橋が俺を好きになるのがお前には一番堪えると思ったんだよ。だから、イジメられてる倉橋を俺が助けて、倉橋が俺を好きになる作戦だったんだよ」
え、私そんなチョロいやつって思われてたの?
そりゃまあ、助けられたら助けてくれた人をカッコいいとは思うけどそれで恋に落ちたりはしないよ。
そんな単純じゃないよ。ってヤバい。
リオ兄とジュン兄の怒りメーターが限界突破した。
2人の手を引いて、お会計をしてすぐにお店を出た。
あまりにも慌てすぎて、仁くんに気付かれたけど店内で殴りかかったりしたらヤバい。
「蓮がなんかしたわけじゃねえのに、マジで顔面潰れるぐらい殴ってやりたい」
「ああ。社会的に抹殺してやる」
怖いよ。ジュン兄もリオ兄も怒りすぎ。
はぁ~、とため息をついてカフェの方を見るとなぜか仁くんと畠中くんの席にヒナが手をついて立っていた。
慌ててカフェに入ってヒナの手を引いてお会計を済ませて外に出てきた。
「ヒナ、なんでいるの?」
「3人が珍しい格好して家出てくところ見たからついてきたの。じゃあ、あいつがレンをイジメたとか言うから。あ~!ムカつく!マジ信じらんない!」
ヒナは髪を何度もかきあげてため息をついた。
すると、ジュン兄がヒナを抱きしめた。
「うんうん。ムカつくね~。俺もムカついた。殴ってやりたいね」
「ウザい」
「そうだね。ウザいね」
「後で殴りに行っていい?」
「いいよ。俺も行く」
「ダメだから!」
ヒナもジュン兄もそんな穏やかなトーンで殴りに行くとか言わないでよ。
そういうのが一番怖いんだよ。
しばらくすると、話終えた仁くんと畠中くんが出てきた。
ジュン兄、リオ兄、ヒナの3人は畠中くんを見て完全に戦闘モードに入ってしまった。
なんで3人とも私より怒ってるんだろ。
まあ、考えるまでもなく愛されてることは十分伝わってるけど。
「倉橋、悪かった」
畠中くんが気まずそうに謝った。
すると、ジュン兄とリオ兄とヒナは畠中くんを睨み付けていた。
「いいよ」
「え、」
畠中くんは驚いたように私の顔を見た。
「良くないけど、畠中くんのお陰って言っていいのか分からないけど皆に愛されてるんだなって実感したし、今は幸せだから。私の中だけでもなかったことにしてあげる。」
微笑むと、ヒナたち3人に抱きしめられた。
暑いし恥ずかしいなと思いつつ、少し嬉しかった。
そして、そのまま畠中くんに向き直った。
「畠中くん、仁くんは器用だけど、全く努力してないわけじゃないよ。仁くんの字が綺麗なのは自分のお小遣いでこっそり字の練習のワークを買って地道にやってたからなんだよ。」
「そうか」
「うん。それだけ」
畠中くんに背を向けて家に向かった。
ヒナたちはまだ少し怒っていたけど、当人が許したからもう何も言えず社会的に抹殺する方法~♪と即興で作った歌を歌っていた。
そして、家に着く前、仁くんが私の腕を掴んだ。
「なんで、字の練習してたこと知ってるんだよ。誰にも言ってなかったのに」
「中学の頃に、結愛さんに頼まれて仁くん起こしに行ったときに大福が漁ってたから。新品のも使い古したのもあったし、レシート入ってたからお小遣いかなって」
「探偵かよ」
それだけヒントがあれば誰でも分かると思うけど。
けど、1つだけ皆が気付いてなさそうな仁くんの変化に気付いたんだ。
そっと仁くんの袖をつまんで引いた。
「仁くんさ、大人になったよね。今日、冷静だったの仁くんだけだし」
「社長に、すぐキレる癖やめろって怒られたから」
「そっか。なんかクールになったみたいでカッコいい」
「そうか?」
仁くんは首をかしげた。
それから、家に帰って仁くんと私の部屋でアニメを見ることにした。
テレビの前に座ると、仁くんは私の肩に頭を乗せて抱きしめた。
「ストレス溜まる。仕事よりも今日1日の方がよっぽどストレスだった」
「そっか」
「あ、連絡先、ちゃんと消したか?」
「うん。けど、仁くん以外、小学校も中学校も友達いなくなっちゃったから再来年の成人式行くのやめようかな」
「里中たちは第二中だから成人式、同じ会場だろ?」
「あ、確かに」
侑希たちも同じ町内に住んでるんだよね。
町の面積が広いから家自体は離れてるけど。
まあ、まだあと1年以上あるし、そのとき考えればいっか。
「仁くん、いつも守ってくれてありがとう」
「え、ああ。」




