尾行大作戦!(後編)
前話との二話構成となっております。
さて、僕らが何で尾行なんてしようとしているのか。
いや実際にしているのか。
事の起こりは、昨日の夜に遡る。
始まりはアカリからの電話だった。
「そういえば、フタバちゃん、カズくんと一緒に登校してるじゃない?」
「ん、ああ、まあそうだな」
「まあそうだなじゃないのよ! 普通に考えて、あり得ないでしょ? 付き合ってるわけでもないの
に!」
「あれ、言われてみればそうかもしれない。いや待て、そうに決まってる。どう考えても変だ!」
「やめさせた方がいいんじゃない?」
「いや、そうは言っても、実際のところを見てみないと、判断のしようもないよ。そもそも、今まで特に何もいってなかったことに、突然文句をいうなんて、納得してくれないだろ」
「確かにそうね」
「でも、確かに普通じゃあり得ないよな……」
「よし、じゃあ、こうしましょう!」
「何をどうするんだ?」
「二人を尾行するのよ!」
そこから、翌日、つまりは今日な訳だが、その日に尾行を結構する、という話にあれよあれよという間に相成った、というわけだ。
いまからよくかんがえてみれば、急展開過ぎる話だ。
まあいい。
とりあえずは、どんな感じなのかの確認だ。
なるほどなるほど。
「やっぱり、あの三人浮いてるよな」
「まあ、高校生男子一人と、女子中学生二人が連れ立って歩いてたら、少し遠巻きにみられるわよね」
「確かに。てか、カズキとかいう邪魔なのがくっついてるのにフタバに話しかけられる辺り、あの子も相当なのと見た」
「確かに。あと、別にカズくんは邪魔じゃないから。どこにいても何やってても映えるし、目立つし」
「まあ、それが邪魔になる要因なんだけどな」
「要はかっこよすぎるってわけね」
「うん……、まあ、その理解で構わない。ほぼ事実だし」
「でしょう?」
「何でそこでお前が胸を張るんだ。てか、カズキに好意を持つ奴がいてもおかしくないよな」
「そう! そこなのよ! 私はそこに気づいtむがむが」
アカリの語尾が奇妙な感じになったのは、僕が慌てて口を押さえたからだ。
「聞こえるって。なるほど。お前が気にしてたのはそこか」
「そう、そうなのよ。で、どう思う?」
「う~ん、特に実害はなさそうだし、別に放置でいいんじゃないか?」
「いやダメでしょ。カズくんが別の女のとこいっちゃったらどうすんのよ!」
「首をがくがくするな。もげる。心配しなくてもいいだろ。あいつはフタバにベタ惚れ中だ」
「そこも問題なんだけどね。まあいいわ。そういうことなら、見つからないうちに私たちは高校ニ向かいましょう」
「りょーかい」
その後、誰にも見つかることなく、二人で学校へと向かった。
「おはようカズヤ。今日は遅かったね。あ、前山さんも、おはよう」
「チヒロ君、だったっけ? おはよう」
教室にはいると、チヒロが挨拶してきた。
「おはよ、チヒロ」
僕も挨拶を返し、席についた。
「まあ、カズキにはばれてないと思うけど、ばれないように気を付けて」
アカリに向かって言う。
「そっちもね」
「あれ、何かしてきたの?」
「いや、大したことじゃない。ちょっと怪しい行動してただけ」
「ふーん……」
「気になるか?」
「そんなにかな。あ、そうだ。辞書の新しい活用法方を思い付いたんだ」
「へえ、どんな?」
「寝るときに、頭の下に置くとね──」
「枕を使おうよ……」
* * * * *
家に帰ると、フタバが挨拶しながら抱きついてきた。
「だからそろそろ兄離れを……」
と言いかけて、やめた。
頭を軽くよしよしとなでてやる。
満面の笑みが咲いた。
よし、これは今朝のことには気づいてないな。そう思った直後だった。
「お兄ちゃん、今日はアカリさんと私を尾行してたようですが、何をしてたんですか?」
弁明の際には、アカリも呼ばなければならなかった。
しばらくの添い寝を約束させられ、許された。
だからそろそろ兄離れしようよ、フタバ……。
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