尾行大作戦!(前編)
明日の更新分との二話構成です。
「ちゃんと友達はいるみたいだね。よかったよかった」
フタバが友達と仲良く談笑しながら学校へ向かうのを後方から見て、僕は言う。
「当たり前でしょ。フタバちゃんは、ブラコンって点を除けばとってもいい子なんだから」
「ブラコンとは失礼な。ただお兄ちゃんが大好きなだけの、かわいい妹だ」
「ちっ。兄がシスコンとは、手に終えないな、この兄妹」
「シスコンとはなんだシスコンとは!」
「しっ。ばれるわよ」
「そうだった、危ない危ない。でも、やっぱり浮いてるよな、あいつ」
「まあ、女子中学生をにまにましながら見守る高校生なんて、浮いてない方が逆に気持ち悪いけどね」
「言えてる」
さて、僕たちは今何をしているでしょう?
* * * * * * *
その日は、何の変哲もない普通の日だった。
朝起きると、いつものようにフタバが僕のベッドに入って来ていて、いつものようにフタバを放置して洗面所へ行き、顔を洗って意識を覚醒、部屋に戻ってフタバをベッドからつまみだし、制服に着替えた。
学校へいく用意を終えて、リビングとダイニングが併設されている一回へ降りる。
誰もいない部屋の、誰も座っていないダイニングテーブルに、母親が作っておいていった朝食がおいてあり、それを食べ始めると、フタバが降りてくる。
「おはようございます、お兄ちゃん!」
「おはよう、って言うか、そろそろ兄離れが必要なんじゃない? もう中三なんだし」
僕の正面の席に座ったフタバに言う。
前々から思ってはいたけど、こんな調子では、彼氏などできそうにない。
告白されても全部振っているようだし、この子将来どうする気なのかしらん?
って言っても、彼氏を作ってもらったらもらったで、僕は兄として全力で反対するわけだけど。
たとえその相手がカズキであっても、僕はきっと反対する。
絶対に他所へはやらん!
はいそこ、シスコンとか言わない。
いいんだ。世の兄はみんなこんなもんだ。え、違う? そんなわけ無い。
兄っていうのは、みんな妹を大事にするもんだ。
限度があるって? 愛に限界なんて無い!
限界じゃなくて限度?
ちょっと何言ってるかわかんないですね。
「ごちそうさま」
なんて一人でやってる間に朝食を終えてしまった。
食器を洗って、拭いて、片付ける。
と、荷物をもってフタバが降りてきた。
洗い物の間に行く用意をしていたのだ。
「よし、それじゃいこうか」
「はーい。いくのです~」
僕も、玄関付近に置いてあった荷物を持って、玄関を出る。
鍵を閉めると、道路へ。
「おはよう、フタバちゃん、カズヤ」
カズキが家の前にいた。
まあ毎日のことだ。
「おはようございます、カズキさん。じゃあ、いってきます、お兄ちゃん!」
「じゃあ、またあとで、学校でな、カズヤ」
そう言って、二人は中学校のある方角へと足を向ける。
いつもカズヤがくっついていくのだ。
人のいいフタバは、それを断れずにいる、と。
全く、本当にフタバはいい子だ。
まあ、カズキも、下心オンリーって訳じゃなく、変な虫がつかないように見張るっていう役目もあるわけだけど。
ああ、そういえばカズキがついてるんだよな。
それでも告白されたりしてるっていうのは、どういうことだ?
全く、カズキも仕事がいい加減だ。
いや、というよりは、フタバが可愛すぎるのがいけないのか。
全く、かわいい妹を持つと、兄は苦労するなあ。
ここでいつもなら僕は高校のある方へと足を向けるのだが、今日は違う。
僕は、アカリの家の方へと足を向けた。
「よし、いったわね。じゃあ、後をつけるわよ」
門から出てきたアカリが言う。
「わかってる。いこう」
僕はうなずいて、フタバたちの歩いていった方へと顔を向けた。
「いきましょう」
「オーケー」
尾行作戦、開始。
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