いっぽうそのころ
第一夜、side:G
カズヤ君たちの部屋から帰ると、私たちは寝る用意をし、ベッドに入った。
今日行ったどこがよかったとか、そんな話をしていた時、私は気づいた。
最近元気のなかったアカリちゃんが、今日は少し元気そうだったのだ。
そのことを口にするか迷ったけれど、やめておくことにした。
ようやく忘れられたのかもしれないと、思ったから。
「コハル、何かあった?」
だから、アカリちゃんにそう声をかけられたときは少し驚いた。
けれど、少し納得している自分も、心のどこかにいたように思う。
私が気にしていて、気付いている。
アカリちゃんがそのことに気づいていないはずがないと、どこかで分かっていたんだろう。
私たちは、友達なんだし。
そう思えたから、私は答えた。
「ううん、元気みたいでよかったなって」
すると、サチちゃんが合いの手を入れてくれた。
「ああ、そういえばそうだね。もう、失恋の件は忘れられたの?」
少し驚いた様子で、アカリちゃんは答えた。
「あれ、さっちゃんに話したっけ? まあ、最近の私見てればわかるかぁ……」
しばしの沈黙の後、彼女は続けた。
「ん~、どうなのかな。忘れられてはいないと思う。でも、ある程度は落ち着いたのかな。せっかくの修学旅行だし、楽しみたいっていうのもあるのかな。このままじゃダメなんだろうっていうのはわかってたし、和也たちが気にしてくれてたのもわかってたし、立ち直らなくちゃっていうのはあって」
絞り出すように、彼女は話した。
「でも、なかなか立ち直れなくて……。そんな時に修学旅行があって、いいきっかけになるといいなって、思ってる。変われるといいなって。いや、戻る、のほうが正しいのかな。元気な私に、回復できるといいな。待っててね。そのうち元の私に、戻るから」
「うん。私も、アカリちゃんが回復するのを待ってる」
「だね~。そろそろ寝ようか?」
「だねだね。おやすみ~」
「おやすみなさい」
「おやすみ~」
そう言って少しして、
「明日、カズ君たちと一緒に行かない?」
そんなことをアカリちゃんは言った。
「え、私はいいと思うけど、その、大丈夫なの?」
「だいじょぶだいじょぶ。このモヤモヤさっさとなんとかしたいし。さっちゃんもいい?」
「いいよ~」
というわけで、明日はカズヤ君たちと一緒に行動することになりそうだ。
はい。というわけで明日から二日目です。
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