主要キャラはこれで出揃いましたかね?
「おはよう、カズヤ!」
朝。登校中、駅の前を通りすぎた辺りで、横から声がかかった。
「ん。ああ、おはよう。チヒロ」
チヒロは、幼馴染み以外で唯一の同性の友人だ。
「課題ちゃんとやった? 僕、忘れちゃってて、来る途中に思い出したんだけど……」
そういえば、課題が出てたっけ。
当然、やってある。部室で終わらせてしまうため、記憶に残らないのだ。
課題って、終わらせるともう存在を忘れてしまうよね。
「ああ。ちゃんとやってある。間に合わなさそうなら見せてやるけど、ちゃんと自分でやれ。たぶん、先にカズキが借りに来るから。……ああはなるなよ……」
忠告も交えて、返事をしておく。
カズキは、課題は大抵忘れてきて、僕のを写すのだ。それで成績は中の上なんだから地頭がいいんだろうが、まあ、課題は基本的には自力でやった方がいいものだ。
「わかった。たしか、提出は三限だったはずだから、学校についたらやってみるよ」
「ああ。頑張れ」
その後も、他愛ない話をしながら、学校へ向かった。
途中で、チヒロは、こんなことを言った。
「そうそう、僕、文芸部に入ろうかと思っててさ」
「うちに?」
「うん。やっぱり部活には入った方がいいかなって思って。で、だったらカズヤもいるところかなって」
なんて嬉しいことをいうんだ、この友人は。
「まあ、部活って言っても、ゆるゆるだけどな。じゃあ、今日から来るのか?」
「うん。そのつもり。あ、入部届もらわないと」
「だな。まあ、よろしく」
「うん。よろしくね」
「あ、おはよ。とーちゃん。そうだ。かずくんと話してたんだけど、私たちもあんたの部活入るから、よろしく」
教室に入ってくるなり、アカリは開口一番そういった。
「とーちゃんって呼び方、どうにかならんの? 最近気になってきたんだけど。え、てか、何て言った?」
聞き間違いだろうか。
「いや、私たちも文芸部に入るから、よろしくねって」
「ああ、聞き間違いじゃなかったのね。わかった。にしても、珍しいな。本なんてほとんど読まないだろ。お前。いや、それはカズキもなんだけど」
「別にいいでしょ。それに、本くらい読むし」
「そうなのか。知らなかったな」
「まあ、最近になってからだしね。それに、たしかゆるゆるでしょ、あそこ」
「ああ。中々にゆるゆるだ。ほとんど活動記録が無い辺りなんて、結構ヤバイ。あ、でも、去年やったコンテスト、今年もやればいいのか。で、集まったのをまとめて、部誌として発行かな。去年と全く同じ活動記録ができることになるけど」
「一応やることはあるのね。まあ、そういうことだから、これからよろしく」
「ああ。まあ、よろしく」
「そういや、課題はやったのか?」
「あ、やってないわね。何限まで?」
「三限だって」
「りょーかい。カズくんにはそっちから見せてあげて」
「あーい」
「おはようカズヤ。課題あったよな。見せて」
「当たり前のように見せてもらおうとするんじゃないよ。おはよう」
「いや~。近くにお前がいたからか、物心ついたときには宿題課題の類いは写すものだと思っててなぁ」
「いつ物心がついたんだ、全く」
「渋々ながらも渡してくれるとこ好きだぜ? いつもありがとな」
「たまには自力でやった方がいいぞ?」
「たまにはな~」
「あ、おはよう。カズヤ君」
「おお、おはようコハル」
「あれ、そういえば、教室でも小説を読むようになったんだね」
「辞書はもう飽きた。そのうち暗記しちゃうよ。てか、結構覚えちゃったし」
「あはは。でも、読む本無くなっちゃわない?」
「大丈夫。小説投稿サイト漁ってれば、いくらでも出てくるよ」
「確かに、結構たくさんあるもんね」
「ああ、そういえば、課題があったみたいだけど、やって来たか?」
「もちろん。ていうか、昨日カズヤ君がやってるときにやってたよ?」
「ああ、そういえばそうだったな」
そして放課後。
我らが文芸部室には、僕が知るかぎり最多となる、五人もの生徒が集まっていた。
そして、部長たる僕は、こう言った。
「まずは、今日出た課題を終わらせようか」
シリーズ化してありますので、そちらから他作品も、よろしくお願い致します。
この話で出てきた去年の活動は、「先輩は~」を読むとよくわかるはずです。
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