文化祭は終わりです!
「それじゃ。お疲れさまでした~! じゃあ、片付けやって帰りましょう!」
級長の号令で、片付けが開始された。
「あれ、遠山くん、服どうしたの?」
そう、今僕は体操服に着替えている。
原因は説明不要だろう。
「や、ちょっと汚しちゃって」
「ふふ、失敗するなんて珍しいね~」
「失敗ぐらいするよ」
まあ、詳しくいうことはできないし、仕方がない。
僕は、片付けを続けた。
「それじゃ、みんな、これで終了だね。お疲れさま。後日打ち上げも予定してるから、よろしくね~! それじゃ、解散!」
「お疲れ~」「お疲れさま~」「また明日~」「明日学校休みよ?」「あ、そっか」
なんて声を発しながら、三々五々クラスメイトたちは帰宅していく。
チヒロが走ってきた。
「お疲れさま、カズヤ」
「ん、チヒロもお疲れ」
「じゃあまたね」
そう言って帰ろうとするチヒロに、僕は声をかけた。
「あ、待った」
「ん? なにかな?」
「明日、うちで小規模に打ち上げやろうってカズキたちと言ってたんだけど、来るか?」
「いくいく!」
「わかった。時間とかは今日帰ってから連絡するよ」
「わかった。よろしくね~」
「おう。また明日な」
「また明日~」
僕らは手を振って別れた。
「残念だったね、アカリちゃんの告白」
「まあ、アカリもわかってただろ。たぶん、思いを引きずりすぎないためでもあったんだと思う」
「それは、そうかもしれないけど」
「ま、あいつは結構切り替え早いから、明日には戻ってるだろ」
「戻ってなかったら、また慰めてあげるの?」
「ん? 嫉妬か~?」
「違うよ~。あ、でも」
「ん?」
「あ、頭、とか、撫でてもらってみたい、かも」
「ふふ、別に言ってくれたらいくらでもいつでも撫でるよ?」
「じゃあ、今ここで、して」
「──っ! こ、これでいい、かな?」
僕はそっとコハルの頭に手をのせる。
髪の毛と手を通して、体温が混じり合う。
コハルはなんだか幸せそうな顔をしている。
僕の心も暖まった。
というわけで翌日。
「んじゃ、文化祭、お疲れさんでした」
僕がそう言ってグラスを持ち上げる。
きん、きんと、グラスが打ち合う音がする。
「かんぱ~い!」
とりあえず、注文してあったピザを開く。
「今日も誰もいないから、多少騒いでも大丈夫だ」
「あの、お兄ちゃん、私も、いいんですか?」
「大丈夫だよ~」
僕へのフタバの質問を、コハルが答える。
「ならよかったです」
こうして、僕らだけの打ち上げは始まった。
しばらくわちゃわちゃやって、ピザをあらかた食べ終わった頃。
「なんかボドゲでもやろうよ!」
チヒロが言い出した。
「人生ゲームくらいならあるけど、それでいいか?」
「いいじゃない、やりましょ」
僕の提案に、アカリが答える。
「じゃ、ちょっと持ってくる。机片付けといて」
「は~い」
「わかりました!」
コハルとフタバの返事を聞いて、僕は自室へ向かった。
「げ、職失った……」
「やった、ランクアップだ~」
「お、子供ね」
「お祝いしなきゃだね~」
とまあ、順調にゲームは進んだ。
しばらくして、
「よし、ゴール!」
「はやいな」
チヒロがゴールインした。
続いて、コハルたちもゴールインしていく。
最後は僕だった。
「よし、ようやくゴール」
「お疲れさまだね。さ、誰が一番かな」
そう、人生ゲームは、ただのすごろくと違って、最初についたやつが優勝というわけではないのだ。
つまり、僕にも優勝の目が──!
「私が一番ね」
なかった。
結局、アカリが一番。
まあ、昨日色々あったし、今日くらいいいことがあってもいいだろう。
帰り際、だった。
解散して、見送ろうとしていたとき。
「フタバちゃん、ちょっと大事な話がある」
そうカズキが言った。
「じゃ、僕はコハルたちを送ってくる」
「悪いな、カズヤ」
「気にするな。ほら、アカリ、いくぞ」
「っ、そうね。気を利かせてあげることにするわ」
僕らは、二人を残して駅に向かった。
帰ると、二人の話は終わっていた。
ただいまをいいながら、玄関を潜る。
自室に入って、ベッドに座ると、フタバが入ってきた。
「お兄ちゃん、大事な、報告があります」
「ああ、聞くよ」
ベッドから降りる。
「カズキさんと、付き合うことに、なりました」
「ああ、うん。よかったな」
ぽん、と、フタバの頭に手をのせる。
はにかむフタバの笑顔が、僕には少し眩しかった。
次話でいよいよ完結です。
シリーズの他作品も、よろしくお願いいたします。
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