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文化祭です!

「今日はいよいよ文化祭! みんな楽しんでいこ~!」


「「「「「「おお~~~~~!」」」」」」


 というわけで、文化祭が始まった。


 各自の行くべき所にバラバラと散っていく。


「じゃあ、昨日決めたように動くから。当番でちゃんと来てくれよ? 誰も来なかったら僕動けなくなるから。よろしく」


 文芸部の方の当番は僕が最初だ。


 次の当番であるカズキによろしく言っておく。


「大丈夫だって! じゃあ、よろしく頼んだぜ?」


「ああ。まかせとけ。って言っても、一人でぼーっとしてるだけかもだけど」


 そう言って、僕は教室をあとにした。




「お兄ちゃん! 来ちゃいました~!」


「お、フタバ。よく来たね」


「お兄ちゃんのいるところに私がいくのは当然なのですよ~」


「はは。まあ、ゆっくりしていきなよ。幸い、と言っていいのかわからないけど、人はいない」


「ふふ。じゃあちょっと座らせてもらいますね。そういえば、邪魔になっちゃうとあれなので、私はカズキさんには近づかない方がいいでしょうか?」


 僕の膝の上に座りながら、フタバは尋ねた。


 少し考え、僕は言う。


「ん? ああ、たしかにそうかもしれないな。行動が操りにくくなるかもしれないな。でもまあ、大丈夫じゃないかな?」


「怒りませんか?」


「ああ、別に怒ったりしないよ。それより、部誌ひとつ買ってかない?」


「買います買います! お兄ちゃんのかいた文章はどこにあるんですか?」


「あとがきにちょっと寄せ書きがあるくらいかな。それ、うちでやった企画の文章を集めたやつなんだ」


「へえ、そうなのですか。読んでみます~」



 さてさて、カズキに交代し、僕は教室の方へ向かった。


 別に仕事があるわけでもないが、やることもない。


 僕は特段この手のイベントが好きなわけでもない。


 まあ、嫌いというわけでもないが。


 適当にうろついてみるのがいいだろう。


 ああ、よさげな場所を探してアカリに教えなければならないんだったか。


 その前に教室に顔を出してみよう。



「お、チヒロ。調子はどう?」


 ちょうど教室前で客引きをしていたチヒロに、声をかける。


 かつらか何かだろうが、髪が長くなっているので、女の子のようだ。


「あ、カズヤ。うん、いい調子だと思うよ。問題も特に起きてないし、結構お客さんも来てる」


「みたいだね」


 教室の前には列ができていた。


 迷路をかねているせいで、一組ずつしか入れられないくせに一組にかかる時間が長いのだ。


 中からは悲鳴も聞こえてくる。


「頑張って。僕は適当にふらふらしてくる」


「うん、またあとでね!」


 手を降って、僕は教室をあとにした。



 適当にぶらついていると、人気のない場所へ出た。


「へぇ、ここは人が少ないのか。意外だな」


 ふと呟く。


 小さな庭のようになっているところだ。


 一本、小さな木が植えてある。


「だね~」


 後ろから声がした。


「普段使うところでもないしな。ちょっと離れてるから、少ないのか?」


「でも、ここならピッタリかもね」


 あれ、ちょっと待て。


 僕は誰と話してるんだ?


 ふと気になって振り返ると、そこにはコハルがいた。


「あ、やっと気づいたね~。ちょっと前から近くを歩いてたんだよ?」


「そうなのか。声かけてくれればよかったのに」


「ふふ~。カズヤ君を眺めてるのも好きだからね。私」


「まあいいけどさ。どうする? 場所はここでいいとして、一緒にちょっと回る?」


「うん、そうしよう!」


 そういうことになった。




 さて、予定通り午前中に部誌は全部売れた。


 あとはアカリの方にかかりきりでオーケーだ。


 僕は午後からの宣伝当番ということで、看板をもってうろついていた。


 もっと持ちやすく作ればよかったな。


 持つところが四角いので、痛い。


 例の場所は、すでに伝えてある。


 あとは、アカリがカズキを誘うだけだ。


 ふと窓から、例の小さな庭を見る。


 二人が歩いていくのが見えた。


 少し離れたところに、フタバとコハルがいるのが見える。


「僕もいこうかな」


 呟き、僕は看板を掲げたまま、歩きだした。

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