とある独白
私は、前山アカリは、幼馴染みのカズくん、横山カズキのことが好きだ。
小さな頃から一緒にいた。
半ば家族みたいなものだったカズくんに、自分が恋愛感情を持っていることに気づいたのは、中学校にはいってからだった。
その思いに気づいた私は、もう一人の幼馴染みであるとーちゃん、遠山カズヤに、その事を相談した。
どうしたらいいのか、教えて欲しいと。
とーちゃんは言った。
「応援はするよ。なにかできることがあるなら手伝う。でも、何をするかは自分で決めた方がいい。じゃないと、きっと後悔するよ」
と。私は、確かにそうだと思った。
だから、自分で考えて、行動することに決めた。
自分で考えて行動するとは言っても、さっさと告白してしまうという方向には進めなかった。
そうすれば、きっと今の関係が壊れてしまうと思ったから。
でも、思いを伝えるのを諦めた訳じゃなかった。
きっとカズくんは、私のことを恋愛対象としてみていないはずだと、とーちゃんは言った。
自分がそうだから、きっと間違いないはずだと。
ならば、まずは自分の立ち位置を、そこまで上げる必要があると、私は思った。
ただの幼馴染みから、一人の女の子に、見方を変えさせる。
そのために動くようになった。
とは言っても、さしてそれまでと行動を変えた訳じゃなかった。
せいぜいが、過度なスキンシップをしないようにしたくらいだ。
あんまりくっつきすぎると、異性として意識されないんじゃないかと、妹のフタバちゃんを例に出してとーちゃんが助言してくれたからだ。
少し距離をおいてみるといいかもと、それまでと態度を変えてみたりもした。
私自身が耐えきれなくなって、一週間くらいでやめてしまったけれども、効果はあったのだろうか。
本人に聞いてみないとわからない。
それ以外にも、いろんなことをやってみた。
とーちゃんに手伝ってもらったりもした。
でも、結局私は勇気が出せなくて、いまだに告白までは至れてない。
そうやっている間に、ふと、私の中に疑問が湧いた。
もし、もしも、カズくんが、他の女の子とそういう関係になったら、私はきちんと祝福できるだろうか。
心から喜べるだろうか。
できないだろう、と、結論はやけにあっさりと出た。
きっと、口だけでは、うわべだけでは、喜んであげられるのだろう。
でも、きっと心から祝福はできないような気がする。
それって、本当に「好き」なんだろうか。
私は、カズくんが「好き」なんだろうか。
「好き」なら、喜べるはずじゃないのか。
その人の幸せを、祝福できるんじゃないのか。
ただ「欲しい」だけなら、それは恋なんかじゃない。
きっとそれは、欲だ。
私は、どうなんだろうか。
その時にならないと、わからないんだろうか。
心を痛めつつも、喜べると、いいな。
そんな考えを最後に、その思考を私は打ち切った。
そして今、私は悩んでいる。
カズくんは、明らかにフタバちゃんのことが好きだ。
端から見てもわかるくらいだ。
カズくん自身も気づいている。
きっと、気づいていないのはフタバちゃんだけだろう。
あの子は、能力面ではとーちゃん以上に優秀なのに、そういった面においては、結構鈍感そうだから。
でも、きっと恋愛というものを知ったとき、あの子はきっと気づくだろう。
自分が、カズくんに好かれていることを。
その時彼女はどうするだろうか。
どう思うだろうか。
カズくんに好意を抱くだろうか。
それとも、距離を置こうとするだろうか。
ここで後者を私が望んでいたら、きっとこの思いは欲なんだろう。
ああ、辛いなあ。
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