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ようやく到着です!

「到着です~!」


 ってわけで、ようやくアエタに到着した。


 どこぞに立ち寄ることなく、カラオケへ直行する。


 テクテクと歩いていく。


「って、あれ?」


「どうした? カズヤ」


「いや、カラオケってどこだっけ?」


「カズヤの方向音痴が発動したな」


「いいや、僕は方向音痴なんかじゃない! 認めない、認めないぞ……」


「って言っても、建物に入るたびに毎回迷うだろ? いい加減認めろって~」


 いいや、違う、違う。絶対に認めないぞぉ!




「何とかついたね~」


「でも意外だったね。カズヤ君にあんな弱点があるなんて」


「だから、僕は、方向音痴なんかじゃないっっ!」


「まあ、弱点くらいないとね。完璧な人間なんてつまんないし」


「だ・か・らぁ!」


「あはは、僕もカズヤの弱点を見れてたのしかったよ」


「お兄ちゃんの弱点なんて、このくらいしかないのです! そもそも、立体的な構造じゃなければ迷わないのですから、実質弱点なんて皆無なのです!」


「もういいからとっとと入ろうよ」


 だんだんと恥ずかしくなってきて、僕は言った。




 部屋に入り、席に座る。


 コの字型のソファーに、先に入った人から順に腰かけていく。


「そこに荷物まとめとこう」


「オッケー」


 最初に入った僕が座席の端を指して言うと、次に入ってきたチヒロから了解があった。


「あ、待ってくださいチヒロさん。お兄ちゃんのとなりは私がいただきます!」


 そのままの流れで腰かけようとしたチヒロに、三番目に入ったフタバが、待ったをかけた。



「え、わかった。それじゃあ、僕はカズヤの奥にいこうかな」


 そう言うと、チヒロは座っている僕の膝の上を通過し、僕の右隣へ座った。


 左隣に、フタバが座ってくる。


「えへへ~。お兄ちゃんのとなりは私の指定席なのです!」


「ああ、そう……」


 まあ、別にいいのだが、これで僕の両隣は塞がってしまった。


 コハルが少し残念そうな顔をしているのが見える。


「じゃ、俺はフタバちゃんのとなりにいこうかな~」


「そんな鼻の下伸ばした人をいかせるわけないでしょ。先にコハルが入って、その後に私、カズくんは最後ね」


「え~」


「まあ妥当な判断だな。アカリ、ぐっじょぶ」


「ふん。あんたが率先してやりなさいよ」


 と言いつつも、ちゃっかり自分は望み通りの、コハルとカズキのとなりに入っている辺り、やはりアカリは上手だ。


「さて、席についたところで、そろそろ始めるか?」




「ゲッホゲホ、くそ、喉やられた」


 カラオケを終えて、店を出ると、咳き込みながらカズキが言った。


「大声で歌うからだろ。何か飲みもん持ってないのか?」


「あるある。ちょっと飲むわ……」


 ショルダーバッグからペットボトルを取りだし、カズキが飲み始める。


「まったく……。はい、のど飴」


 と、横からアカリが手を差し出してきた。


 掌の上には、のど飴が乗っている。


 アカリの好きなやつじゃなく、カズキの好きなやつだ。


 用意がいい。


「おお、さんきゅ」


 カズキはそれを受け取り、なめ始めた。



「この後はどうする?」


「まあ、多少お腹も減ったし、予定通りお昼御飯でいいんじゃない?」


「そうだな。じゃあフードコートに」


「そっちじゃないわよ。フードコートは一つ下の階でしょ。そのエスカレーター使ったら、上いっちゃうじゃない」


「あ、そっか」


 失敗失敗。


「ふっ。いい加減方向音痴を認めたらどうだ?」


「建物内限定のな。認めるよ」


「おお、ついに!」


「お兄ちゃんが弱点を認めたのです! これは、克服して完璧なお兄ちゃんになる日も近いかもしれませんね!」


「いや、努力はするし、直したいとは思うけど、別に完璧になるわけじゃ……」


「別に直さなくても、道くらい私が教えてあげるよ?」


「ありがとうコハル愛してる!」


「や、そ、そんな……」


 照れて顔を赤くしている姿も、とてもいいものだった。


 眼福!

カラオケ部分の大幅カット……。

楽しみにしてくれていたかた、申し訳ないです……。


シリーズ化してありますので、そちらから他作品もよろしくお願い致します。

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