ラヴクラフトパンプキン3
冷静に考えて、
南瓜をベースに10話も投稿する輩は、「小説家になろう」内で私が唯一だろうなぁ。と思いました。
「いっきますよ‼」
鎌爪さんが気を惹いている内に、足元に到着。鍬を構えた。
狙うは一点。
一番足の数が少ない正面を………………………………………………………………
ドーン!
下から抉り上げるように
一撃!
タコ足に刃がめり込み、亀裂が走る。
「ウォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ⁉⁉⁉!」
苦悶の慟哭が響く。しかし、まだ浅い。
俺に蔦が伸びるかとも思ったが、鎌爪さんが獅子奮迅。こちらに攻撃をする余裕がないらしい。
その隙に………………
更にもう一撃!
めり込んだ鍬の刃を足蹴にしてもっとめり込ませようとする。しかし、軸足が蹴りの反動で少し後ろに下がるだけ。
蔦というより最早木の幹の様になった南瓜の足は未だ伐れず、未だ倒れない。
「離せやこの………似非野郎が!」
しぶとさのあまり、私怨に火が付く。
あのクソ農家の所為で…………………(浅慮な俺らも悪いが……)許すまじ!
自身のやられた恨み辛みが肉体のリミットを砕いていく。
留めとばかりにぐらついた足元に止めのダッシュ!ジャンプ!からの必殺‼
「ドロップキィィィィィィィック!」
華麗な跳び蹴り。
その一撃は確実に鍬の刃を捉え、足の一本を割き、砕いた。
「ウォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
正面の支えを失った異界原産南瓜がバランスを崩し、前のめりに倒れ込む。
ドガーン!
中々身の詰まった南瓜の音がした。
倒れた時、地面が揺れるほどの重量だった。
大きさは申し分なく、しかも、美味しい音がした。
コイツは…………旨そうだ。
頭の中で煮つけやコロッケやプリンが巡っていった。
良いですよね、南瓜。
南瓜アンパンとか、南瓜プリンとか、あと、南瓜を潰してマッシュパンプキンにして揚げ餃子にするとこれが旨かったりします。
文字通り、お化け南瓜か……………食べてみたいなぁ。