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光の悪魔に恋をした。【高校時代版】  作者: 幽幻 桜


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10/12

10話 私のせいで迷惑かけて、ごめんね……!

「う……うう……」


体中が痛い。でも胸あたりは柔らかく、温かい温もりを感じる。

頭がなかなか働かず、その温もりをギュッと抱き締めると……「う?」とか細い声が聞こえてきた。

……少し思い出してきた。そうだ、僕たちは魔界からの追手に追われて落ちたんだ。この……人間界に。

今、ここがどこなのかというのも分からず、そのまま、アークが目覚めるのを待つ。ただ、紅色の壁にもたれかかるようにして倒れていた。そしてアークの体を傷付けないように庇っていた。

そっか。それでこの胸元の温もりか。

…………。


「セイ……さん……。」


僕がただ何も考えずにボーッとしていると、アークが目を覚ました。

アークは僕の体から離れ、同じように壁にもたれかかる形で僕に話をしてきた。

「……私、ね。魔界の中で忌み嫌われる存在だったの。その理由が、悪魔の心じゃないから。誰よりも綺麗な心だって。……悪魔にとっては最悪だって。魔界全体から、嫌われてた。

なのに、少し天界に足を踏み入れただけで『裏切り者』だって……。

セイさん、私のせいで迷惑かけて、ごめんね……!」

彼女は最初は躊躇するように、ポツリポツリと話してくれた。けれど、最後には涙を流した。

……そっか。僕は決心すると彼女を再び抱き締めた。「え……?」

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