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特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。  作者: 黄玉八重
第01章 -王都アスペラルダ城下町編-
8/424

†第1章† -03話-[妹:魔法使いなんか探していたりしていませんか? 俺:いや、探してないよ]

 あれから2ヶ月が経過した。

 俺はいま地道にお金を貯めつつも、

 ダンジョンでレアアイテム目当てで潜り続ける毎日を過ごしております。

 脱出に使う魔法[エクソダス]のおかげでマッピングの必要も無く、

 どうせレベルも戦闘経験も上げなければならないと思って、

 休憩も挟みつつモンスターハウスに篭る日々を繰り返しています。


 レベルも順調に上がってるんだけど、

 流石にランク1ダンジョンからすると上げ過ぎてしまった様で、

 もう経験値も美味しくない。

 まぁ貯まったGEMもステータスに振り分けてからだと、

 敵との戦闘がステータス依存になってしまうのを恐れてしまい、

 そこまで振り分けていない為、

 敵との戦闘力に大きな差が開いてはいない。


 普通に戦闘スタイル確立の為の立ち回りとかを研究しながら、

 プレイヤースキルとでも言えば良いのか・・まぁ技術を磨いているんですよ。

 ソロで進むにはダンジョンランクいくつが限界かしら?


 ダンジョン踏破率も80%を越えて3層まで降りてきました。

 午前中にモンスターハウスで鍛えて、

 午後に探索しつつ鍛錬という動きを毎日の如く繰り返していますが・・・。

 未だにイグニスソードに巡り会えないのはなんでなの??(泣)

 【レアリティ】レアだから出にくいのは分かるんだけど、

 一応アクセサリー装備に幸運の指輪を2つ付けて発見補正上がってるはずなのになぁ。


 もしかしたら踏破率やレベルとかがドロップに関係するのかもと思って、

 少し進んではモンスターハウスに通う日々。

 休日はアルシェが遊びに・・・いや、視察に来るので一緒に視て廻っている。

 殺伐とした冒険家業を毎日している俺にとっては最高の清涼剤だ!

 妹って良いもんだねぇ。


 世の中の妹が居ないやつはどうにかして妹を作ったほうがいいよマジで!

 親を再婚させるでも、媚薬仕込んで頑張らせるも、

 神待ちしてる女の子を連れ帰って妹プレイするでもいいから妹は手に入れとけマジで!


「どうかしましたか、お兄さん?」

「いや、なんでもないよ。

 アルシェが居てくれて良かったなぁって考えていただけだよ」

「そんなぁ・・・///(*´∀`*)」


 アルシェチャンカワイイヤッター!

 そんな異世界生活を繰り返し鍛え抜かれた俺のステータス&装備をご覧ください。


()は武具補正値、[]は称号補正値。


 名前   :水無月みなづき 宗八そうはち Lev.18

 所持金  :145.625G

 ステータス:STR 15   (+00)[+05] =STR 20

       INT 10   (+00)[+05] =INT 15

       VIT 15   (+00)[+00] =VIT 15

       MEN 10   (+00)[+05] =MEN 15

       DEX 15   (+00)[+01] =DEX 16

       AGI 10   (+00)[+02] =AGI 12

       GEM 12


≪ランク1≫死霊王の呼び声:ダンジョン踏破率:82%


 ■特殊効果■

 レアアイテム出現率補正+2[レア率+0.5%UP]

 クイック+2       [攻撃速度+20%UP]


 ■称号付与効果■

 Gドロップ額UP+1[敵が落とすお金+10%UP]


 ◆称号◆

 異世界人     [補正なし]

 シヴァ亜神の加護 [INT+5 MEN+5 水氷属性消費MP-5]

 スライム料理人  [STR+1 DEX+1 AGI+2]

 スライムスレイヤー[STR+2]

 ゾンビスレイヤー [STR+2]

 小金持ち     [ドロップ金額UP+1]



 †――――――――――――――――――――――――†

 ■装備■

 片手剣 :カットラス ◇入手経路:購入額(やみいち):5400G

 希少度 :プチレア 

 要求ステ:STR/12 DEX/9

 特殊効果:クイック+2


 盾   :アイアンシールド ◇入手経路:ドロップ

 希少度 :雑魚

 要求ステ:STR/15 VIT/8 DEX/12


 兜   :バンダナ

 希少度 :雑魚

 要求ステ:STR/10 DEX/12


 鎧   :ブロンズプレート ◇入手経路:購入額:780G

 希少度 :普通

 要求ステ:STR/18 VIT/10


 装飾品 :幸運の指輪x2 ◇入手経路:ドロップ

 希少度 :プチレア

 特殊効果:レアアイテム出現率補正+1x2



 †――――――――――――――――――――――――†

 ■魔法■

 ・初級魔法

 回復魔法:ヒール ◇入手経路:購入額:260G

 消費MP :8

 要求ステ:INT/5 MEN/5


 人工魔法:エクソダス ◇入手経路:購入額:300G

 消費MP :8

 要求ステ:INT/5 MEN/5


 炎熱魔法:ヴァーンレイド ◇入手経路:購入額:200G

 消費MP :2

 要求ステ:VIT/5 MEN/5


 水氷魔法:アイシクルエッジ ◇入手経路:購入額:300G

 消費MP :6

 要求ステ:INT/10 MEN/9


 風雷魔法:レイボルト ◇入手経路:購入額:180G

 消費MP :9

 要求ステ:INT/15 MEN/10


 風雷魔法:エアースラッシュ ◇入手経路:購入額:280G

 消費MP :5

 要求ステ:INT/8 MEN/8



 * * * * *

 器用貧乏ここに極めたりって感じのビルドになるのは序盤じゃ仕方ないよね。

 装備はドロップと購入品の混合で一部闇市品も入っているけれど、

 以前の装備に比べると格段に戦いやすいし守りやすい。


 特にカットラスに付与されているクイック+2は攻撃速度を20%上げてくれるので、

 攻撃される前に敵を倒せることもある素晴らしい武器だ!

 イグニスソードが出ても交換しないかも知れない、したとしても予備枠には絶対入れておくと思う。


 魔法はひとまず初級を全て覚えてみた。

 どんな場面でも対応できるように満遍なく覚えて行きたいんだけど、

 どうもアイシクルエッジとの相性が他の魔法よりも良いみたいだ。

 使ってもしっくりと来るしMPも聞いていたより減っていないように感じた。

 試しにヴァーンレイドとアイシクルエッジを使い比べて調べてみたけれど、

 体感で精神的磨耗は消費MP:4程度だと思う。

 称号のシヴァ亜神の加護のおかげかな?

 これってアルシェ関係かな?シヴァとかアルシェ関連でしか聞かないし。

 アルシェに聞いてみたら「?」って顔で首をコテンッと可愛らしく傾げていたので良くわかってなさそうだ。



 * * * * *

 その日俺は求めていた。

 今まで一人でダンジョンに潜りアイテムを回収して生活してきたが、もう限界だね!

 決まってんだろ!?



 サポーター君だよ!!サポーター君!!!

 俺が1日に5往復してるんだよ!サポーター君が居れば往復が減るから効率も良くなるだろ?

 一人でしばらく冒険してよぉくわかったんだ!

 あの某ダンジョンで出会い厨の小説に出てくるサポーターシステムは、

 いつだって異世界に完備されるべきシステムだろう!

 何をやっとるんだこの世界は!

 時代が遅れてるぞ!

 ギルドも金が欲しいならさぁ、

 稼ぎが良くなるサポーターシステムくらいいつもの遊び感覚で魔法ギルドに造らせろよ!


 やっぱり仲間にするサポーターは、

 あの体が小さい割に胸もしっかり膨らんだ真礼ボイスの娘がいいなぁ。

 俺もだけど新人冒険者なら経験も詰めるってことで荷物持ちくらいやってくれるんじゃないかな?報酬を払わないといけないけど、その分収入が増えるんだし。


「いえ、必要ないですね!パーティを組んでください!」


 ギルドで窓口をしていた職員に提案したらいまの言葉が返ってきた。


「その為のパーティ、その為のギルドカードです!」


 くっ、右手左手みたいな言い方しやがって!そうですね!

 パーティ組めば問題ありませんよね分かってましたよ余計な提案してすみませんね!

 それにしても・・・ギルドに来るたびに対応する人が一緒なんだが、この人って俺の担当とかそういう感じ?


「お姉さんいつも俺の対応してますけど、

 ギルド職員は各冒険者の担当とかあるんですか?」

「いえ、偶然です!」

「じゃあ何で雑貨屋でも、鍛冶屋でも、武器屋でも、買取大窓口でも、

 インフォメーションでも俺の対応をしているんですかね?」

「秘密です!偶然です!自意識過剰です!

 パーティを組んでダンジョンに潜ってください!」


 ぐぬぬ、抵抗しおって。

 でも、パーティは確かにそろそろ経験しておかないと、

 いざ緊急事態が起こって野良パーティを組んでから、

 強敵相手に乗り越えなきゃならない場面に遭遇したら困るよな。

 役立たずで死地に置いて行かれたくないし。


 リ○ルカ・アーデ召喚されないかなぁ。


「お兄さん、お兄さん。薄っすら冷気を纏ったそこのお兄さん」


 確かに俺はシヴァ亜神の加護を持っているので、

 アルシェほどではないが十分に涼しい。

 クーラーと扇風機くらいの差かな。

 この声の主は俺を呼んでいるのかも知れないが、間違っていたら恥ずかしいので横目で声の主を探してみよう。


「えっ?」


 声のした方向をチラリと見たが、それらしき人物はいない。

 一瞬幽霊を期待したが、やっぱり勘違いだったか・・・。

 念のため振り返って確認をするが俺を追い抜く冒険者しか視界に入らず、声の主らしい者は見当たらない。


「お兄さん、下、下ですよ」


 鈴を転がすような声に気付き慌てて顎を引くと、いた。


 身長はおよそアルシェくらい。

 魔法使い特有のゆったりとしたローブを身につけ、

 目深にかぶった帽子から薄水色の髪の毛がはみ出している。

 背中にはがっしりとした体格の兵士が1人と、

 どこかで見覚えのあるメイドさんが2人控えていた。

 それもそのはず、ふた月ほど前に見た事があるんだから。

 兵士?知らない子ですね。


「こんな所で何をしてるんだ・・・アルシェ」


 普段アルシェが視察に来る日ではないので聞いてみる。


「初めまして、お兄さん。

 突然ですが、魔法使いなんか探していたりしていませんか?」

「いや、探してないよ。サポーターは探しているけど」


 俺に人指し指を立てて初対面を装ったアルシェを俺はばっさり切り捨てた。


「あ、あれ?サポータァー?ち、ちょっと待っててください」


 焦ったように後ろに控える3人と共に円陣を組み話し合っている。

 大方サポーターとは何ぞや?知りません、

 役に立たないわねという会話をしているんだろう。

 会議は終わったのか、目深に帽子をかぶっているせいで表情は見えないが口がドヤしてる。


「初めまして、お兄さん。

 突然ですが、サポーターなんか探していたりしていませんか?」

「いや、探してないよ。魔法使いなら探しているけど」


(∵)←注:アルシェ

 意地悪のやりすぎで真顔になって固まったアルシェはだんだん顔を赤く染めていく。

 俺にからかわれている事に気付いたようだ。

 何か用があって会いに来たんだと思うけど可愛い娘ほど意地悪したくなるのは生物の性だよね。


「お、おおお、お、お兄さん!

 なんで意地悪するんですか!ちゃんと期待通りの答えを返してくれないと話が進まないじゃないですかぁ!」ポカポカッ


 全くダメージにならない拳を俺にブチかましながらプリプリと怒るアルシェは可愛いなぁ。


「ごめんね。・・・えっと、出来れば欲しいかな」

「本当ですかっ!なら私を連れて行ってくださいませんか、お兄さん」

「却下」ニッコリ


 従者達「これはひどい」

( ´・ω・)´・ω)(ω・`(∵` )←注:アルシェ


「王様や王妃様に許可を貰わないと、

 この国の大事な姫を危険なところに連れてはいけないよ」

「許可を貰えれば、連れて行ってくれますか?」

「まぁ、そうだね。

 アイテム回収とか戦闘効率とか考えて、

 そろそろパーティを組みたいと思っていたから俺としても可能ならアルシェと組みたいかな」


 身長の差から自然と上目遣いになるアルシェは、

 縋るような眼差しと声音で俺に問うてくる。

 もちろんリ○ルカ・アーデを、

 いや、サポーターを求めていたのは事実で、

 戦闘さえ最小限に抑えればBOSS前まで連れて行く許可くらいなら貰えるかな。

 流石にBOSS戦は連れて行くと死ぬ危険だってあるわけだし、

 雑魚召喚をすると前情報を聞いているので初見の一人は怖いから野良パーティ組もうかな・・・。


「わかりましたっ!では許可を貰いに行きましょう!」


 サッと俺の手を握るとグイグイ引っ張って城下町を歩いていく。

 従者たちを見やるとホッとした顔になっているから、

 アルシェが何か我が侭を言って飛び出したとかそんな感じ?

 良くわからないけど、久し振りに王様と王妃様に会えるのは楽しみではあるかな。



 * * * * *

「大丈夫ですよぉ、問題ありません。好きに連れて行ってくださいな」

「お母様っ!

 私が散々お願いをしてもお兄さんと冒険をする事に反対だったではないですかっ!」

「それは当たり前だろう、

 アルシェは私たちにとって大事で大切な娘なのだから、

 初めから賛成するわけがないだろう。

 街には宗八君だけでなく他の冒険者も住民も居る。

 ダンジョンでアルシェを見たと騒ぎになると収拾するのにどれだけの苦労があると思っているのだ」


 つまり、二人はアルシェがこの街で冒険するのに必要な下準備をしていて、

 その時間稼ぎをしていたというわけか。

 許可を貰えたって事はもう準備は出来ていたって事か?。


「許可をいただきありがとうございます。

 もちろん、アルシェに無理はさせませんし、

 BOSS戦にはアルシェを同行させませんからご安心ください」

「えっ!?」

「当たり前だろ?アルシェはこの国にとって大きな役割を担っている。

 はっきり言ってBOSS戦なんて危ない戦闘に連れて行けるわけないだろう。

 ああいう存在は予想もしない行動に出ることもあるし、

 あと少しで勝てると気を緩めた瞬間に起死回生の1撃を見舞ってくる。

 その矛先がもしアルシェだった場合、俺に助けに入る余裕があると思えるほど、

 俺は自分の能力もこの異世界も楽観視していない」


 命の危険がある事を伝えると悔しそうに顔を歪めるが、

 自分の立場を考えると納得も出来るのか複雑な表情を浮かべて立ち尽くす。

 BOSS戦には連れて行かないが、

 その道中までの許可は貰えて冒険は出来るのだからそこで満足して欲しい。

 俺だってアルシェに死んでほしくないしね。


 この異世界も例に洩れず人死にはある。

 もちろん蘇生魔法もあるにはあるけどランク1ダンジョンではドロップしないし、

 闇市に流れていたとしても要求ステータスが厳しく消費MPも50となっている。

 俺じゃ1回も使えないし、

 使えるようになってもMP管理上の問題で使うタイミングも見ないとこっちが死ぬ。

 普通の魔法が即発動するのに対して発動までに少しラグがあって、

 対象が死んでから10分以内でないと生き返らせることは出来ない等、諸々の事情により現時点では使えない。


 近々魔法ギルドで蘇生魔法の研究の成果が日の目を出るという噂があるけど、

 そんな魔法を本当に開発することなんて可能なのか疑問しかないので話半分に聞いている。


「いや、BOSSに挑むときもアルシェを連れて行っても構わないよ。

 その為にアルシェは私たちに内緒で、

 いままで以上に頑張って魔法の扱い方と戦闘方法を勉強していたわけだしね。

 実際に私たちも手を回して教師の魔法使いにBOSSへ単身挑んでもらい、

 魔法使いの立ち回りも教えてもらえるように依頼をしてたからね」

「えっ!?」

「アルシェから初めに話をされた時から、

 意欲的に図書館で戦闘に関する本を熱心に読む様子を見てはいましたけど、

 教師からの報告で確信しました。

 いずれ宗八の元へ押しかけるであろう事を。

 ですから、私たちはアルシェが無茶をする前に行動を開始して許可を降ろすにしても条件を協議した結果・・・」


 1.宗八が許可を貰いに来る事

 2.教師から立ち回りについて合格が降りる事

 3.住民への配慮を持って混乱を防ぐ事


「1.は今解決しました。

 2.はひと月前に合格しております。

 3.があと少し掛かりそうだとギルドから報告が上がって来ておりますので、

 もう少し待てばアルシェを冒険に連れて行きBOSSを倒すことも可能になりますよ」


 まぁ、そのぐらいはしないと二人も許可を出さないだろうけど・・・え?

 ひと月前に合格?

 一体いつからアルシェは話をしていたんだ!?

 ゴホンッ・・・まぁランク1とはいえダンジョンはダンジョン。

 俺の考えていたような危機的状況をこの異世界出身の人が想定しないわけもないか。

 じゃあ、俺はそれまでにイグニスソード探しでもしながら待つとしますか。


「わかりました。

 では、準備が整うまで待ってからアルシェと共にダンジョン踏破をしたいと思います。

 それまでに欲しいアイテムがあるのでマラソンでもして時間を潰してます」

「それには及ばない」

「・・・ファッ?」


 王様が俺のマラソンを止める。

 走らせろよ!俺は走りたいんだよ!レア装備を手に入れたいんだよ!

 走らせてくれよぉ~。

 とはいえ、用件を聞かないことには話も進まないし大人しく耳を傾けよう。


「アルシェの件は依頼扱いとさせてもらう。

 今の状況から断るとも思えないからね、前報酬として渡しておこう」


 その言葉を聞き届けてから王妃様が呼び出し用の鈴をチリンチリンと鳴らすと、

 メイドさんが長方形の箱を持って扉の向こうから現れた。

 あれだ、時代劇とかで見た刀が納められてるタイプの箱だ・・。

 静々と王妃様の元へとたどり着いたメイドさんは、

 大事に抱えていたその箱を王妃様へ手渡すとそのまま入ってきた扉から消えていった。


「宗八。前へ」

「・・・はい」


 王妃様に名前を呼ばれて前へ進み出るなか、

 アルシェの横に来た時にアイコンタクトを取ってみるが、

 アルシェも何を渡そうとしているのか分からないようだ。


「この中に貴方が欲している物が入っています」

「え・・」


 ・・・・・まさか


「・・ありがたく頂戴します」


 受け取った箱からはそれっぽい重さを感じる。

 ・・・・・・・・・まさかな。


 元の位置へと戻って来てから促されるままに箱を開けてみると、

 そこには赤い刀身をした片手剣が納められていた。


 片手剣 :イグニスソード ◇入手経路:報酬

 希少度 :レア

 要求ステ:STR/12 DEX/12

 特殊効果:炎属性攻撃


 マジかぁ・・・・。


 こうして、俺は念願のイグニスソードを手に入れたんだけど・・。

 なんで、俺がこれを求めているのを知っているのか改めて確認をすると、

 元ルームメイトの衛兵が情報提供したらしい。

 なんで、俺がまだ手に入れてないと知っているのかと訊ねると、

 城を出てからの行動や装備品などの更新はギルドへ依頼をして、

 俺の状態を報告させていたらしい。


 なるほど。

 だからいつも同じ職員が対応していて、

 俺の冒険者生活内容を聞いたりしていたのか。


 ・・ん?

 頭にある人のある言葉が甦る。


(いつでも見守っていますからね)

(見守っていますからねぇ・・)

(いますからねぇ・・・)

(からねぇ・・・)


 燃えるような赤色をしたイグニスソードから顔を上げて王妃様の顔を伺うと、

 ニッコリと笑いかけてきて、

 その表情からはこう・・ひとり暮らしの息子の元へ物資配給をして満足する母のような・・・。


 王妃ェ・・・・、

 過保護なのかストーカーなのか判断に困りますぞ。

いつもお読みいただきありがとうございます

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