第三話「アイドルってキラキラしてる」
前回のあらすじ
スカウトをやり始めた流樹だったが、スカウトは中々一筋縄ではいかない。
そんな時思い当たったのが、一つ下の幼馴染、西園湊人だった。
しかし、湊人にはスカウトを断られてしまう。
どうする。流樹。
「無理かな。ボク、体力とか無いし。」
「そ、そっか・・・ごめんな。」
流樹は謝った。
「う、ううん。ボクこそ力になれなくてごめんね。」
互いに沈黙が流れた。
「じゃあさ、レッスンだけでも見てってくれるかな?俺がどんな風にアイドルになるか見てて欲しいんだ。」
「・・・うん。わかった。見るだけなら。」
そう言った湊人の顔はどこか曇っている感じだった。
―事務所内レッスン室―
レッスン室に辿り着いた流樹はレッスン着に着替え、社長とレッスンの先生の到着を待っていた。
「先生と社長、遅いなぁ。」
ガチャ
「ごめんねぇ!道路すごく混んでて・・・あらっ!」
社長はレッスン室に入るなり、湊人を見つけた。
「なに!?このかわいい子!!どこかのモデルさん?」
早速、湊人をロックオンしたようだ。
「いえ。俺の幼馴染の湊人です。」
「あらそうなの?もしかしてスカウトしてきたの?」
(うっ・・・)
流樹と湊人は十数分前の出来事が脳裏に流れた。
「い、いや。スカウトしたんですけどもぉ・・・や、やっぱり湊人にも事情があるっていうか・・・」
「あらぁ?ダメだったのねぇ。ま、いいわ早速レッスン始めましょう。」
「まずは、腹筋と背筋と腕立て伏せ10回ずつ5セットね。」
・・・・・・
(うわぁ。大変そう。あぁ、流樹君、顔引きつってる。ボクだったらやっぱり無理だなぁ。)
・・・・・・
「よし。ウォーミングアップ終了。次ダンスね。まずは軽いステップから。」
「はい!」
・・・・・・
(うわっ。かっこいい。流樹君すごい。)
・・・・・・
「次は、デモ音源が来たからそれに合わせて踊るよ。」
「はい!」
・・・・・・
(流樹君と一緒に歌って踊って・・・ボクにも・・・でも・・・)
-1時間後-
「今日はここまで。お疲れ様。」
「はい!ありがとうございました!」
「湊人!どうだった?俺、アイドルみたいだった?」
「・・・」
「み、湊人?俺、ダメだった?」
湊人は決めた。
「・・・き君と・・・って・・・りたい。」
「湊人?今なんて・・・」
「流樹君と一緒に歌って踊りたい!!!ボクもアイドルになりたい!!!」
「えぇ!!湊人!?どうしたの急に!?」
予想外な言葉に流樹は驚いた。
「最初はアイドルってつらいことや大変なことが多くてちょっと怖いって思った。
でも、音楽に合わせて踊る流樹君をみてたら、アイドルってキラキラしてるって・・・流樹君と一緒にキラキラなアイドルになりたいって思った!
だから・・・」
「・・・なと・・・グスッ・・・み、湊人ぉぉぉぉ!!!」
流樹は泣きながら湊人に抱き着いた。
「ちょっ、流樹君!泣かないでよぉ!よしよし。」
こうして、湊人はアイドル活動をする事を決意した。
-残りメンバー2名-
西園 湊人
誕生日:9月22日
学年:小学5年生
身長:131cm
趣味:ぬいぐるみ集め、原宿散策
好きな食べ物:ドーナツ、オムレツ
湊人君がメンバーになりました。
二人をよろしくお願いします。
次回は、第四話「笑わない転校生」をお送りします。