13 変異
ケントが、男爵領で風呂造り始めて10日余り経った頃。
「伯爵様、これで御座います。」
1つの獣の牙に形状が似た物が出される。宝石箱の蓋を開けた状態で布の上に鎮座している。
見た所、牙の象牙質が変異した様で。玉虫色に、キラキラ✨と光輝いている。
「アスカロン、これは、」
マックスが問う。
「はい、男爵領の、冒険者組合に冒険者が持ち込んだ様です」
「で」マックスが言う
「受付嬢が、受け取った時は、この様な物では無く。普段は見ない様な白さで有った様です。その時に、
別の騎士が15頭分とこの綺麗な物10頭分が討伐証明として、納品されました。受付嬢が、あまりに綺麗だなと思い別に分けて保管して居た様です。それが、次の日に処分しようと、見た所この様に変わっていたそうです」
「それで、受付嬢が、冒険者組合の組合長に報告に行き、組合長が見てから。最初は、男爵に報告する
予定でしたが、問題が有ったのです。持ち込んだ冒険者が坊ちゃんなのですよ」
「何!あれが、また何かしたのか!」
マックスが慌てて問いかける。
「いえ、アルテナが付いていますので大事までは行きませんが。半月程前に小鬼に殺されそうになった
様です」
アスカロンが答える。
「いっその事!死んでおれば良かったのに!」
アスカロンが続ける。
「その後、丸1日寝ていた様ですが。起きてから人が変わったような振る舞いをしているようで。近頃は悪さもしていないと、アルテナから報告が来ています」
「そうか、もう暫く様子を見よう」
「それで、この牙らしき物は、伯爵様にお見せした方が良いと思ったらしく、組合長直々に持って来また」
「で、全部で20個有るのか?」
「はい、御座います」
「全て、買い取ってやれ、金貨10枚位か?」
「元は狼の牙で、証明がすめば焼却処分です。けれど、これほどになれば。王都のオークションに掛ければ幾らになるか見当もつきませんね」
アスカロンが答える。
「う〜ん、困ったな、何か良い方法はないか?」
「伯爵様、組合長の弱みは握っています。ここまで来た道中の費用を払ってやり後は、色を付けてやれば
宜しいでしょう」
「アスカロン、後はお前に任せる適当にしろ」
「はい、了解致しました」
アスカロンが、部屋から出た後で。
「しかし、これは、何がどうなったらこうなるのだ?」
1人悩む伯爵です。
この国に2人目の考える人の誕生です。
その頃、ケントは。風呂の外壁を囲い内部でやりたい放題です。
基礎は、石をインカ帝国の遺跡並みに。隙間なく設置して木で壁の下地をこしらえて、壁も板を張って
囲っています。屋根も本館と同じ物で葺いています。
男風呂側に、外から入れる様に勝手口を取り付けました。
食堂側は、まだ入り口を付けません。お邪魔虫を入れない為です。
今、何をしているかと言えば。第2アジトを、構築していますよ。
男爵邸の地下に地下室を、こしらえ。ここを本部として小鬼の魔の森入り口に作った。第1アジトと
トンネルで結び、大規模アジト化する予定です。
距離的には、5キロ程度有ります。地下では方向が不明なので大体の方向で直線に掘削して行き、男爵邸の敷地を出てから、地上の障害物無い場所で竪坑を掘って
1度地上に出てから、再度方向を確認しながら掘り進める、竪坑は500m程度ごとに設置して上部を偽装して換気口とする。
嫌な、思い出です、施工計画書を書いているみたい。
けれどどうして、こうなった。毎日が日曜日、働かなくても偶数月、決まって銀行口座に入金されている。小さいけど、家庭菜園で野菜を育て。優雅で悠々自適の年金生活が、異世界に来ても仕事中毒ですよ?
あ〜〜ため息が。
それよりも、先にお風呂を仕上げよう。魔法なので粗方出来上がっています。
風車と水を汲み上げる装置、高架タンク、配水管、太陽熱吸収装置、暖炉の煙道内に取り付ける。
排熱回収装置、貯湯タンク、蛇口は作ってはだめだろう?
高架タンクの水はオーバーフローさせて、井戸に戻す。
貯湯タンクはトイレのタンクと同じボールタップで止める。浴槽のお湯もフロートで止めたり出したり
自動で出来る。偽装はマーライオンですよ。
取り敢えず、風車を造ろう。
風車を設置して、高架タンクも木製で作るが中はステンレス製にする。
パイプもステンレスで、その周りを竹で囲う、異世界でも竹が生えていました。
配管は、風車の支柱に沿わして配管して地下埋設してから母屋の壁に沿わしてから、立ち上げて屋根瓦に偽装した。太陽熱温水器に接続する。
計画していた通りに配管も終わり。風車を回してみる。
風が少し弱いのでコッソリ魔法で風を送る。羽根がゆっくり廻りだす。最初の水の入った桶が井戸の中から上がってくる、最上部になる手前で桶が横棒に当たり桶がひっくり返り水が高架タンクの中に入る。高架タンクは、2㎥入るので桶が5ℓなので400回掛かりますが、休みなく動いているので数時間後には満タンになるでしょう。
昼食になったので、食事を済ませてゆっくり休んでいると。水が満タンになったのか、オーバーフロー
して降りて来て井戸に流れ込んでいる。
貯湯タンクにも水が来ていたが、ぬるいので少し火魔法で温める、浴槽が大きいので水が溜まるまでは、まだ掛かるだろう。
浴槽の外側に、循環式の風呂釜も追加した。ステンレスで作って煉瓦でカバーした。焚口を覗かないと
分からないだろう。
地下室の出入り口は、男風呂の脱衣室に作った忍者屋敷みたいにどんでん返しである。
脱衣室の部屋の寸法を測られたら分かる。
それと、俺が製材した木材は、燃えない。端材が邪魔になるので風呂釜で燃やそうとしたが燃えなかった。
耐火物になった様だ。
《貴方、それが大変な事になっているのが分かって無いでしょう》
えッ、どうか、なっていますか?糖尿病みたいな物か? 自覚症状は無いですが?
《冒険者組合で以前有った事です》
冒険者組合で、大変と言えば、受付のコリーンを押さえつけて、これから大人の階段の~ぼ~る〜♬
と言う時にその後の記憶が無い。多分アルテナに絞められたな。
《そんな事では有りません、狼の討伐証明の牙ですよ》
あ〜あ、あの時の歯磨きが好きな狼の牙ですね。
《歯磨きは、置いといて、狼から牙を取る時に魔法を使ったでしょう》
そうそう、楽をする為に。歯科医師の資格も無いのに牙を取る為に少しつかいました。
《その少しが大変なのですよ、貴方はまだ魔力コントロールが出来ていませんから、魔力がダダ漏れですよ》
チェルノブイリかスリーマイル、位漏れているらしい。
漏れると何かマズイ事が起きますか?
《漏れても普通は問題無いですが。貴方の場合は、魔力量とイメージですね》
イメージは、歯に血が付かない様にとか歯石が付いていたら汚いとか思いながら綺麗になれと思ったな。
木材も、切断面が綺麗になったら良いねと思ったな。
そのイメージと魔力漏れが異常に多いから別の物になったのか。
その牙は何処に有りますか?
《スミルナ辺境伯の所に、冒険者組合の組合長が、今日持って行っています》
原住民の父親の所か、しかし表には出さないだろうな。
自分の勘当した息子が魔法使える様になった可能性。それも、特殊な魔法が使えるとならば、俺なら隠すだろう。
《牙が、特殊な輝きをしていたから。伯爵領の地下牢で死ぬまで、狼の牙に魔法をかけ続けて。夜は夜で、毎夜種馬のごとく励まないといけない。ハーレムだけど大変ね〜〜フフ》
アルテミア様、何か他人事みたいですが?
《アラ、貴方と私は、他人ですよ》
天使の使徒見習いとか、肩書が……ホワイトハウスの内部での陰謀渦巻く世界ですね。
何か意図してこの世界に無理やり連れて来られた様ですから、俺の役目は何なんだろう?
ダメダメ、この世界3人目の考える人になりそうです。
アルテミア様が教えてくれない事には、俺程度では思いも付かない事だろう。
アルテミア様、貴重な情報、重ね重ね有難う御座います。
何れ、父の方から、何かしら動いて来るだろう。それまでは大人しくしていよう。
風呂も、完成したから今夜入って見るか。取り敢えず湯加減は宜しい様です。
夕食後に、風呂の使い方、入り方をレクチャーして。今夜から入れますと言う。
明日からは、昼は冒険者。夜間に地下アジトから、トンネルを掘削する。
朝、朝食を食べてから。冒険者組合に行く、今日は中に入らないで外で待つ。
アルテナに、仕事を探して貰う。暫く待つと出て来た、今日は特に無いそうだ。
薬草採取でもしながら、常時討伐依頼の魔物と出会えばそれが仕事だ。
俺も、勉強がてらに薬草でも探してみるか。
そういえば、俺 鑑定スキル持っていたよな。
≪ステータス≫ 【この世界の平均値 (人族)】
《ケント・スミルナ》 人族 男性 15歳
レベル: 5 【5 最大10】
職業 : 冒険者(天使の使徒見習い1/100)
体力 : 50 【50 最大100】
魔力 : 50,000 【100 最大500】
筋力 : 50 【50 最大100】
防御 : 50 【50 最大100】
魔攻撃 : 250 【50 最大100】
魔防御 : 250 【50 最大100】
運 : 20 【50 最大100】
《スキル》
鑑定 レベル 2 【5 最大10】
《空間制御》《空間収納》レベル 2 【5 最大10】
言語文字理解
《魔法制御》
魔法 《水・火・風》
土属性魔法《錬金 レベル2》 【5 最大10】
《称号》
天使アルテミアの加護 《治癒魔法》(制限解除)
《これで、見やすくなったでしょう。貴方は鑑定を使った事が無かったので参考資料を付けました》
至れり尽くせりですが、何が狙いです?
《それは、じ、か、い、の、お、た、の、し、み。フフフ》
お読み下さり有難う御座います。
絶滅危惧小説になっていましたが、ポイント及びブックマークも日々上がっております。
投稿数が増えないと読んで貰えませんね。




