プロローグ
不定期ですがこれからよろしくお願いします。
「眠い.......」
俺、宮野影斗は今日も何時も通りの眠そうにしながら学校に向かっていた。
身長は170cmの痩せた体型に勉強は普通、運動はやや得意な特に特徴のない普通の高校生だ。
「よっ!かげ」
後ろから俺の肩を組ながらウザいくらいに明るく挨拶してくるのは、白石卓也。俺の親友だ。
こいつとは小学校からの付き合いで腐れ縁だ。
卓也は俺と違い身長175cmの笑顔が眩しい爽やかイケメンだ。
バスケ部のエースで女子からもかなり人気がある。
全く羨ましい限りだ。
「あんた達相からわず仲が良いわね」
また後ろから声を掛けてきたのは、東堂美咲。
こいつとは家が近所でよく昔は一緒に遊んだもんだ。
髪は腰にまで伸びていて大和撫子の如く美しい容姿をしているが、性格がキツいところがある。
「だろ?羨ましいか?」
卓也は俺の肩を組ながらお得意の爽やか笑顔で言った。
その無意識に出る爽やか笑顔のせいで何人もの女子の心を鷲掴みしたことだろうか。
美咲はそんな卓也を見ながら呆れるように言った。
「んな訳ないでしょ」
呆れる美咲を見て卓也は少し微笑みながら俺達三人は一緒に学校に登校した。
これが何時もの光景だ。
「そういえば、今日は英語のテストだったな」
「まじかよ、すっかり忘れてたぜ。かげ、テスト中カンニングさせてくれ」
「何言ってんのよ」
俺達はそんな冗談を言いながら学校に向かっていると、俺は不意に大きなあくびをした。
しまった。昨日アニメを全話一気見したのがいけなかったな。
「やけに眠そうだな。かげ」
「まあな」
「どうせ、夜遅くまでアニメでも見てたんでしょ」
眠そうにしている俺を見て卓也がそう言ったが、美咲がまるで知っていたと言わんばかりに言った。
「何でわかったんだ?」
「見てれば分かるわよ」
「いや、普通分からないぞ」
美咲は当然とばかりに言ったが、卓也が即座に否定した。
「流石は夫婦だな」
「な!?ち、違うわよ!!」
にやにやしながらからかう卓也に美咲は顔を少し赤くしながら否定するように声を強くして言った。
「そうだぞ卓也。あんまりからかうもんじゃないぞ」
俺はそう言うと卓也は呆れた様子で、美咲は何か言いたそうな顔でこちらを見た。
どうしたんだろうか?
学校に着き俺何時も通り授業を受けていた。
途中卓也がまじでカンニングしてこようとしたがそこはしっかり回避した。
「かげ、何でカンニングさせてくれなかったんだよ。お陰でテストは散々だったぞ」
「いや、普通カンニングなんてさせねぇよ」
「まさか、本当にやるなんて」
今日は部活もないので俺達三人は一緒に下校していた。
テストの時間卓也がカンニングさせてくれなかった事に不満げになっていて、美咲は卓也に呆れていた。
自業自得だ。
「だーくそ!なあ、憂さ晴らしにカラオケにでも行かないか?」
「お前の奢りならな」
「私も」
「よっしゃ!早く行こうぜ!」
良いんだお前の奢りで。
俺はそう思いながら早くカラオケに行きたがっている卓也に苦笑しながら美咲と共に卓也の後を追った。
すると
「うお!?」
「な、なに!?」
「おぉ!!」
突然卓也と美咲の足元に黄金に輝く魔方陣が現れた。
「な、何だこれ!」
「体が動かない!」
卓也と美咲は魔方陣から出ようと必死に体を動かしているがビクともしない。
俺はその光景を見て悟った。
これは、異世界召喚か。
普段アニメやラノベを読み漁っている俺にはよく分かる。
「成る程な」
「かげ!呑気に見てないで早く引っ張ってよ!!」
「そうだぞ、かげ!早くしてくれ!」
呑気に魔方陣を見ている俺を見て卓也と美咲は俺に手を引っ張るように言った。
「多分そんなことしても無駄だろうな」
「はあ!?」
「何でよ!?」
今だ取り乱している二人を見て俺は冷静に言った。
「多分これは異世界召喚だ。お前らこれから勇者として召喚されるんだろうな」
「勇者って、何時もかげが読んでるあの小説に出てくるやつ?」
「そうだ」
俺の言葉に少し冷静になったのか美咲はそう言った。
卓也も俺の話を聞いて冷静になっていた。
すると魔方陣は更に輝きを増していった。
もう時間がないな。
「じゃあなお前ら、頑張れよ」
「え?かげは行かないのか?」
「当たり前だろ。選ばれてもいないのにどうやって行くんだよ」
魔方陣はギリギリ一人分の幅しかない。
これじゃあ入るに入れない。
「待ってかげ!私は..........」
美咲は俺を見て最後に何か言いたそうにしていた。
俺は魔方陣を見て更に輝きが増しているのを確認すると
「達者でな」
「かげ!!」
美咲が何か言う前に美咲と卓也は魔方陣と一緒に消えていった。
にしても異世界か。あいつらなら何とかやっていけるだろ。
「帰ってアニメでも見るか」
俺はそう言って帰ろうとしたら
「え?」
俺の足元に紫色に輝く魔方陣が出現した。
魔方陣はそのまま輝きが増していき俺は魔方陣と一緒に消えていった。
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