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KARTの各メンバーの名前を書いておきます。
春日部隼人
新田真司
力石康太
田辺隆平
どこかで書いてたかもしれませんが、再確認するのめんどくさくて……。
小説手直し前にしか書いてなかった気がするので、こっちでおなしゃー!
春真っ盛り。
桜もそろそろ咲き始めたころ、桜子さんが大きな仕事を持ってきた。
春のスペシャル番組で、番組対抗でクイズをしていくのだがそこにゲストとして呼ばれた。
しかも、相手の番組のゲストがあのKARTなのだ。
そのおかげで純のやる気が珍しく高まっている。
燃えに燃えている純が食い気味にその仕事を受け、収録日まで多少のクイズ対策をとった。
といっても、ただ単にクイズをやって頭を柔軟にするだけだが。
そして、いよいよ収録日となり楽屋へと到着した。
机の上にある台本を軽く読んでいると、桜子さんからKART以外の演者たちが到着したことを伝えられた。
それならば挨拶に行こうと立ち上がったとき、扉がノックされ大御所女優さんの名前が聞こえてきた。
すぐに扉を開けて部屋へと招き入れる。
流石に出入り口で挨拶は礼儀がなってない。
下が上の所に来てくれたなら出入り口でも問題はなかろうが、逆はまずい。
「私は楠原御影です。今日はよろしくお願いしますね」
「は、はいっ私はカズ、こっちはジュンです。今日はよろしくお願いします」
挨拶もそこそこに楠原さんは帰っていき、一息ついているとまたもや扉が叩かれた。
扉を開ければ共演者の方が立っており挨拶を交わす。
扉を閉め、純に挨拶に行こうと言おうとしたとき再び扉が叩かれる。
こうしてKART以外の共演者との挨拶は済ませ、最後はこちらから挨拶に行く。
そして、KARTの楽屋の前を見て衝撃を受けた。
なんと、KARTの楽屋の前から列ができていたのだ。
何故か等間隔で挨拶に来るなとは思っていたが、こういうことだったのだ。
列を譲ろうとするのをやんわりと断り、列の後ろへと並び順番を待つ。
どんどんと列が進んでいきいよいよ順番が回ってきた。
そして、ノックをすると中から苛立ち混じりの声が返ってくる。
扉を開けて挨拶をすると苦虫を噛み潰したような感じで返された。
軽い嫌味もセットだ。
それでもにこやかに対応したものの、案の定気分を悪くした純がイライラとしている。
楽屋に戻るやいなや座布団の上にボフリと座り愚痴をこぼし始めた。
「なんだよっあの態度は! 調子に乗ってるんじゃないの!」
「まぁまぁ、これから見返していけばいいだろ」
「そうだけどさっ! 絶対あいつらを超えてやるから!」
なんだかKARTと絡むことで純がやる気になっている気がする。
それならば定期的にKARTと絡むのも悪くない気がしてきた。
イライラしている純を尻目に台本を再度読み込み、純も発散するするように台本を読んで時間を潰している。
そうしていよいよ時間となった。
全員が舞台に集まると、プロデューサーさんが簡単に段取りなどを伝えていく。
文字通りサンライズチーム対KARTチームという勝負になるのだが、そのせいで少しピリついている気がする……。
そして、明らかにKARTと純が火花を散らしており、それに当てられた女性陣も何処か気を張っている。
なんだか不安な気持ちになりつつも、いよいよ収録が始まった。
MCの上田さんがまずは初っ端から簡単な脳トレ問題を出し、それをみんなが難なく解答していく。
因みに、出演者の紹介は放送時テロップで行われるらしい。
「まぁこの程度の問題なんてクリアできて当然ですよねぇ国東さん」
「そうですね、このくらいの問題なら簡単ですね」
「それでは逆に、一番書くのに時間がかかっていた力石さんはどうでしたか? 結構分かり辛かったりなんかは」
「僕としてはこういうなぞなぞ系の問題は少し苦手ですね。雑学とか常識問題とかなら……」
「残念ながらこの番組はひらめき問題とかがほとんどでーす。さぁそれでは次の問題にいってみましょう!」
次の問題も簡単なひらめき問題で、全員がしっかりと正解していった。
しかし、4問目から難易度が大きく上がった。
そして、いよいよ答えられない人も増えてきて、KARTの田辺と新田、そして俺とほかの出演者さんたちがぼちぼち答えられなかった。
「やっぱりこのくらいの問題になると答えられない人も増えてきますねぇ。これからさらに難しくなりますから頑張ってくださいね」
純から厳しめのアイコンタクトが送られてくるが、右手を軽くあげて応える。
次の問題とその次の問題はなんとか答えることができた。
ポイント差は30ポイントでこちらが若干先行しているが、まだまだどうなるか分からないのが現状だ。
そして、次が早押し問題で純がKARTをガッチリ意識している。
しかし、意気込み虚しく問題内容がよろしくなかった。
チラチラと映る人の顔を見て、その人物が誰なのかを当てるというものだ。
有名な人物でも、こっちではほとんどが女性だったり知らなかったりなので、この問題は絶望的と言ってもいい。
案の定KARTチームがどんどんと答えていき、容易く逆転されてしまった。
純はそこそこ答えられていたのに、完全に足を引っ張った形だ。
当たり前なのだが、男だったころとは面影もない人ばかりなので、龍馬の女版や信長の女版など見てもわかるわけがない。
上田さんにも人の顔を覚えるのは苦手な人かななどと、よくわからないフォローをされてしまった。
KARTのドヤ顔と純の目線が心に刺さる……。
因みに、白木はジェスチャーでこちらに答えを教えようとしたため、スタジオをモニターでしか確認できない場所へ移動させられていた。
そのままずるずると点差をつけられていき、その差は80点。
最後の問題が100点問題なので逆転は可能だが、なんというか得点配分が高すぎる気がする。
しかし、逆転できるのだから狙わないわけにはいかない。
そして、いよいよラスト問題がやってきた。
「難読漢字問題!!」
上田さんのコールとともに最後の問題が発表された。
問題内容は読みがなが出題され、チームの代表が書いて答えるというものなのだ。
こちらは俺が自ら立候補して選出され、相手は春日部隼人がでてきた。
「さっきの問題でボロボロだった君がくるとはね」
「生憎だけど、漢字は得意なんだよ」
俺に聞こえるようにだけ皮肉たっぷりに話しかけてくる。
しかし、一々構ってもいられないので春日部をすかしていく。
「さぁ最後の問題はこちら! みぞれです! 私はさっぱりわかりませんけれども、お二人はわかるかな? 解答スタートです!」
みぞれ……わかりそうでわからないところだ。
チラリと横目で春日部を見ると、苦々しい顔をしている。
皆が見守る中、春日部出した答えは靄のような違う漢字、俺の出した答えは霙。
「さぁ両者出揃いました。果たして正解はどちらなのか……結果はCMの後で!」
お約束のズッコケも入り、CMタイムも終えていよいよ発表の時がきた。
「さて、今度こそ正解発表に参りましょう! 正解は……カズさん! 勝者は赤チームです!」
その瞬間我がチームは歓喜に満ち溢れ、KARTたちは悔しがっていた。
しかし、結果だけ見れば勝ったのはこちらだが、正解数はKARTたちのほうが多い。
試合に勝って勝負に負けた気分ではある。
これが直対だったら完敗だっただろう。
勝利の嬉しさの中に悔しさも残るものとなった。
それでも、チームの皆が喜んでくれているし、ここは素直に喜んでおくことにした。
二度に渡る執筆途中の全消えにもめげずにようやくです。
本当にモチベーション下がりますよね……。
突貫執筆でござい……。
しかも、私の地元が台風による大災害にみまわれたのでさらに忙しくなりました。
まだまだ復興に行っているので、まだまだ更新速度は早くなりそうにありません……。
申し訳ない!




