表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/76

62

はやめ!!

ん〜っすばらっ!




 この場にいる人たちの殆どが女性にも関わらず皆が凛としており、一般女性よりも明らかに余裕が感じられる。

 舞台の裏から純とこっそり見ているのだが、明らかに今まで会ってきた女性たちとは毛色が違っていた。

 強かというか、自制する力を持ち合わせている分内に秘めたるものは凄いものがありそうだ。


 優雅に談笑しながら食事をしている貴婦人たちと陶家族たち。

 もうすぐ出番とはいえ、こんな優雅な場所で歌うなんて場違い感が凄まじい。

 話に聞いていた感じと全く違う……元々は……。




「やぁ! 君たちがサンライズのカズとジュンだね! 会えるのを楽しみにしてたよ!」


 招待された場所に到着し、受付の女性に招待状を渡すとどこか告げられずに案内された。

 そして、案内された場所には陶家の三人が鎮座しており、部屋に入るやいなや千代子さんの夫がテンション高く近寄ってきた。


 その後ろでは陶の母娘が立ち上がってこちらへ会釈してくれていた。

 そして、わいわいきゃーきゃーなっている陶父に千代子さんがちょんちょんとつつく。


 すると、テンションが上がりきっていた陶父が落ち着きを取り戻し椅子へ戻っていった。

 陶父が椅子に戻るのと同時に千代子さんに座るように促される。


 椅子に座り簡単な自己紹介を済ませ、陶父の名前は隆康たかやすということが分かった。

 隆康さんは千代子さんを含め五人の女性と結婚をしているのだが、千代子さんの力によって他の女性はほとんど会うことはないらしい。


 これは隆康さんからこっそり教えられたことだ。

 隆康さんは生まれたころから千代子さんの夫となることが決まっており、そういう教育を受けてきたので外というか、他人への憧れが大きいようだ。


 奏さんよりもサンライズへ興味津々で、あまりの姿勢に千代子さんに制されていた。

 そして、三人に顔を見せるためにサンライズ控え室に行き、簡易の囲いを作っていく。


 ものの数分で出来上がった覆い……部屋に囲いと布を被せただけのものだが、その中で三人と向かい合う。


 心なしか淑女スタイルが崩れかけている二人とワクワクが漏れ出している隆康さん。

 仮面を外すのに些か不安を感じるが、契約なので外さないわけにはいかない。


 ゆっくりと仮面を外し素顔を三人の前に晒すと、千代子さんと奏さんは驚いた表情で固まり隆康さんはテンションが再び爆発してしまった。


 そして、すぐに仮面を被りなおしテンションの上がった隆康さんの対応をする。


「凄い! カッコイイだろうなとは思っていたけど、ここまでとは思わなかった!」


 わーきゃーなる隆康さんを落ち着けつつ囲いを桜子さんとともに片付けていく。

 そうして片付け終わる頃には硬直していた二人も再起動を果たし、暴走し始めかけていた隆康さんを止めてもらった。


 そして、奏さんから話があるとのことで俺と奏さん以外が部屋から出ていった。


「えぇと……お話というのはですね……私のことどう思いますか?」


「とても世の男性にとって理想的な女性だと思いますよ?」


「いえ……客観的な意見ではなくて、カズさん本人の生の意見が聞きたいなと……」


 中々積極的なことだ……。

 ここまで積極的に自分のことを純を外させてまで聞くということは、そういうことな可能性は高いだろう。


「そうですね……男に対してがっつくこともなく魅力的だと思いますよ」


「そうですか……ありがとうございます……」


 頬を軽く染めて俯くその仕草を見てそういうことだというのを確信した。

 今のところ別に自分の琴線に触れるほどでもないので何とも思わないが、明らかな態度を見れば嫌でも意識はしてしまう。


「それが聞きたかったんですか?」


「いえっそういうわけではなくてですね……私……カズさんのことがすっ……好きなんです!」


 ぎゅっと目を瞑ってスカートを握り告白してくる様は、向こうでの引っ込み思案な初心な少女が頑張ってるように見える。


 しかし、一目惚れをしたわけでもなし、そんな大して交流もしてない女性から告白されても何とも言えない。

 嬉しいは嬉しいのだが、今現在はかなり満たされておりがっつくようなこともない。


「貴方のような美しい人に好きだと言ってもらえて嬉しいのですが、貴方の気持ちには応えられません」


 丁重にお断りさせていただいた。

 目の端に涙を浮かべており僅かながらに罪悪感が生まれるが、心を鬼にして丁重に断る。


「そうですか……仕方ありませんね。でも、私諦めませんからっ!」


 涙を浮かべていた目をキリリと輝かせ宣言する。

 どうやらこれを聞かせるためにこの場を設けたようだ。


 フラレる可能性が高いことは分かっていたようで、この諦めないという想いの強さを見せるのが第二の目的だったように感じる。

 思ってた以上に強かな可能性がある。


 連絡先を聞かれ、宣言を聞いてからだとここで断るのも悪いと思ったので連絡先を教えておいた。


 そうして純たちも控え室に戻ってき、これからの段取りの確認をして舞台へと向かう。

 それがこれだ……。


 話で聞いていたよりも空気感がキツイ……。

 しかし、出番ももうすぐくるのだ。


 奏さんの誕生日だということが発表され奏が舞台にのぼる。

 溢れんばかりの拍手の中、サプライズゲストの登場です!という中で二人で出ていく。


 出ていった途端に拍手が歓声に変わる。

 そんな中で明かりを消してバースデーソングを歌う。


 奏さんの目線はガッチリこっちにこちらをロックオンしているが、そこは敢えてスルーさせてもらいロウソクを吹き消してもらった。


 再び拍手が沸き起こり明かりが戻る。

 そして奏さんが舞台から降りると同時に楽器が舞台に運び込まれライブが始まる。


 サンライズのライブの中で立食バースデーパーティーを楽しんでもらい、ライブが終わると同時に舞台から捌けていく。

 もちろん淑女たちからの質問攻めなどを避けるためだ。


 このパーティーの主役はあくまで奏さんなので、盛り上げ役は仕事をこなしたらすぐに捌ける。


 別室で豪華な食事を三人で食べて楽しんだ。

 滅多に食べれないようなものをどんどんと用意してもらいガンガン食べた。


 パーティーが終わり陶家族が控え室にやってきた。

 みんなにサンライズを紹介してくれと言われ大変だったらしい。


 奏さんには再度宣言され、裏で千代子さんから報酬をもらい陶の皆さんとお別れした。

 その後、奏さんと二人っきりになったことを綾奈と明日香にはぷりぷりと怒られて小さくなったのは内緒話だ。



後半の詰め込み感は許してちょんまげ。


前編後編に分けるのがあんまり好きじゃないのでこうなるのは仕方ないね。


しかし、身体もどってこねぇ……!

一週間のなまりは一ヶ月かかるますな!


早くパッキパキにしたいです!



あと、最近はあべこべ作品が増えてきましたね。

いい傾向にあります。


これを期に沢山のあべこべ作品が昇華してくれるのを願ってます。

作品が増えるということは良作が現れる可能性も増えるということ……。

更新速度はイマイチなようですがね……人のことは言えませぬが!


私的にはあべこべファンタジーが増えるのを望んでいるのですが、中々ありませんね〜。

自分の読みたい系のジャンルの小説って滅多に見つからないんですよ。


キャリアウーマンな年上女性と年下男性のラブストーリーとか、武力よりも知力寄りな戦記ものとか。

美人と少し地味系の男子のラブストーリーとか、勇者として頑張ったけど復讐者になるのとか……etc……。


まぁ読みたいやつがピンポイント過ぎて中々見つからないんですよ。

タグ検索も異世界転生や年の差みたいな広くヒットするのだと億劫ですよね!


もっともっと狭く固定化されたワードが生まれるといいと思います。


案外ラブストーリーが好きなのです。

結構ベッタベタなやつね……。


友情系とか涙ホロリんちょ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ