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遅れた分少し長め!

改行が多いからなんて意見はのんのん!






 三佐さんのANNも終わり、いよいよメインパーソナリティを務めるラジオの収録が近づいてきた。

 桜子さんから台本を受け取り読み込んでいく。


 一通りの流れが書いてあるのだが、最後の方に台本なんか気にせずに自由にやってくださいと書いてある。


 自由になどと言われても……それを桜子さんに伝えると、桜子さんは苦笑いを浮かべながらもフォローしてくれた。


 どうやら、普通は台本通りにする男がいないので、それならいっそのことある程度の流れ以外は自由にやらせることにしたらしい。


 桜子さんから台本を作り直してもらうかどうか聞かれたが、ここはあえて作り直さず行くことにした。


 何故ならば、他がそれでやってるのだから負けられないという思いが出てきたからだ。

 背伸びせずに台本を作り直してもらえばいいものの、無駄に対抗心を燃やしてしまった。


 桜子さんから心配されたがそこは虚勢を張る。

 漢にはやらなければならない刻というものがあるのだ!


 そうして純と何を話すか考え始めたのだが全くいい案が浮かんでこない。

 時事ネタは軽くやることにしたのだが、他に話すことがないのだ。


 歌手としてのことを話すのは最終手段としてとっているので、この事以外で考えなければならない。

 

 そして、そうこう頭を悩ませて悩ませているうちに時間は過ぎて行き、結局なにも進展なく終わってしまった。


 帰ってから考えようと言って別れたものの、帰ってからすんなり浮かぶわけもなく……二人に協力してもらう。


「やっぱり……男性目線の女性をリアルに伝えるのはどうですか?」


「それっ! やっぱり男の人のリアルな声って中々聞けないし、それいいと思うっ!」


 と、二人に協力してもらうがやはりこういうところに落ち着く。

 それだけ女性の興味というのはそっち方面に強いということなのだが、それでも他の話題がでないか三人で熟考する。


 しかし、やっぱりいいものは浮かぶわけもなく、いよいよラジオ本番の日が近づいてきた。


 緊張よりも焦りが先行している中、挨拶もそこそこにスタジオへと入る。

 机に書き込みまくった台本を置き時間がくるのを待つ。


 あと3分で始まるというのだが、時間が全く進んでいるように感じなかった。

 手はじっとりと汗ばみ心拍数を上がっていく。


 プロデューサーからの始まりの声が届き手信号が始まる。

 いよいよだ……いよいよ大きな一歩を踏み出すときがきたのだ。


「サンライズのワンナイトラジオ!」


 純と息ぴったり合わせて最初は上手くいった。

 初っ端も初っ端から躓くわけにはいかない。

 始まりが上手くいったおかげか手汗も収まり、気分が高揚してきた。


 オープニング曲であるサンライズの新曲のイントロが終わったところで、いよいよトークに移っていく。


「どもーサンライズのカズです」


「ども、ジュンです」


「さて、今夜限りのサンライズのラジオな訳ですけども、いやぁ〜今日まで緊張したっ!」


「だよね。僕もさすがに緊張したよ」


「マジか。ジュンはあんまり緊張してないように見えたけど実はしてたんだな」


「そりゃしないわけないでしょ……。これで緊張しないやつは心臓に毛がモッサリ生えてるね」


「確かに一理あるな」


 ここまでごくごく自然にオープニングトークができている気がする。

 初めてらしい会話をオープニングトークでと台本に書いてあるので、上手くはいったようだった。


 次はオープニングトークの延長というか、フリートークが続くのでこのままだらだらと話し続けることにした。


「というか、今までしっかりと聞いたことなかったけどさ……ジュンは歌手活動はどう?」


 割りと強引な形で純を芸能界へと連れて行き、そこそこ月日も経った今、純が歌手としてやってきてどうなのかを聞きたかった。


「どうってかなりアバウトだね……まぁ結構楽しいかな。レッスンはかなりキツかったけどさ……慣れてくれば楽勝だし、思ってたよりも楽しくやれてるよ」


「そっか……割りと強引というか、わざわざ引っ張ってきただけに後悔はしてないかな〜っさ……」


「後悔はしてるよ?」


「うそぉー!?」


「だって自由時間が少ない! 毎日レッスンレッスンで趣味に手を中々つけられないし!」


「そ、そりゃあ悪かったけどさ……でも、結構楽しんでんじゃんよ!」


「だって後悔よりも充実感のほうが勝ってるからね。もしもカズがだらしなくなったら後悔が勝つかもよ?」


「うへぇ〜……これで気が抜けなくなったな……」


「そうだよ。これからも僕のために頑張ってね」


 軽い冗談も交えつつ行っているオープニングトークは、プロデューサー的には問題ない出来だったようだ。

 ガラスの向こうからサムズアップといい笑顔が見える。


「さてさて、そろそろ次のコーナーにいきますか」


「そうだね。次はなにやるの?」


「次のコーナーは……サンライズにお任せっ!」


 軽快な音楽をバックにコーナーが始まった。


「サンライズにお任せっ!……って、何するのさ」


「要はなんでも相談コーナーってとこかな。リスナーからの相談事を見事に解決するんだよ」


「難しそうだけど早速いこうよ」


 何通も送られてきたはがきやメールの中から厳選に厳選されたものが渡される。


「え〜まずは最初のお便り……ナツメさんからです。私は今受験で悩んでいるのですが、自分の実力の限界の大学を受けるか少しランクを落として首席を狙うか……サンライズの皆さんはどっちがいいと思いますか? だそうです」


「僕なら上の大学を目指すね」


「おっ! 俺も純と同じだな。やっぱり自分自身にやる気とか向上心があるのなら上の大学を目指すべきだと思うよ。

いい大学なら授業の質も良いだろうし、周りのレベルも高い。そんな環境で勉強できるってのは自分にとってもいい刺激になるはず」


「要は周りに流されずに自分で決めたことを貫きなよ。僕らもそうしてここにいるんだから」


 なんだか純にいい感じに締められてしまった。

 まぁ手紙を読んでない側が締める約束にしていたのでこれはこれでいいのだが、純が卒なくこなすもんだから驚いてしまう。


「それじゃあ次のお便りいくよ。え〜っと……キミさんから。私は某有名高校に通っているのですが私自身積極的なタイプではないので中々友達ができません。どうやったら友達ができますか?」


「ハードな相談がきたな」


「う〜ん……キミさんの学校での立ち振る舞いがわからないからあれだけど、もう少し積極的に話しかけにいくのがいいと思う。

人って案外他人に対してなにも思ってないからね。

少しの個性を見せるだけでギャップ感じて仲良くなれるもんだよ」


「確かに自分から話しかけにいくのは大事だよ。話しかけられないってことは話す用がないってことだし、今のキミさんはゼロの状態にある。

気に入らないタイプの人たちだって話してみると案外面白かったりするからね」


「でも結構難しいよね……口で言うのは簡単だけど」


「まぁな……でもさ、勇気を振り絞らなきゃ手に入らないものなんだし、自分は友達がほしいと思ってる。

それなら一歩踏み出さなきゃ何も始まらないよ」


「まぁ僕はキミさんの気持ちがわかるからあれだけど、カズは友達多いもんね」


「いや、俺だって変わる努力して今があるんだし、実例が近くにいるってことで……」


「男と女じゃ土俵が違いすぎるよ……」


「だぁー! とりあえず、気になってる女子にむりくり用を作ったりなんだりして声をかける! いい美容師知らないかとかでもいいし!」


「なんだか投げやりな感じになったね。まぁでもこればっかりは勇気を出さなきゃ始まらないしファイトだよ!」


 またもや純にいい感じに締められてしまった……。

 もしかして純はこっちの才能まであるのかと不安に駆られる。


 トークまで持っていかれてしまっては運動系しか純に勝るところがなくなってしまう……。

 まさかこんなポテンシャルの塊野郎だとは思わなんだ。


 純の思わぬポテンシャルの高さにショックを受けつつも手紙を読み、相談コーナーも無事に終えることができた。


 そうして一旦CMを挟んで軽く休憩をする。

 ガラスの向こうではプロデューサーと桜子さんがにこやかに会話している。


 雰囲気から察するに今回の出来がいい的な話だとは思う。


「なかなかいい感じに進んでるね!」


「そうだな……後半もこんな感じでできれば問題なさそうだな」


 調子よく出来ている純はウッキウキ状態なのだがこっちは気が気ではない。

 純の成長は単純に嬉しくはあるのだが、このまま急成長され続けると立つ瀬がなくなるというか……。


「それにしても……中々調子がいいな純」


「そうかな? 僕としても結構上手く出来てるような気がするんだよね!」


 純の成長をライバル視する前にとりあえず褒めておく。

 まずはこれを喜ばなければならないだろう。

 そして、これに刺激を受けて自身も成長しなければならない。


 何処かで純よりはまだ上だと思っていた。

 しかし、そんな浅はかな考えを持っていた結果がこれだ。


 CMが終わる前に心の中で頬を張り気合いを入れる。


「さて、サンライズのワンナイトラジオも後半戦なわけだけど、始まる前はあんなにおっかなびっくりしてたのに始まってみると早いもんだな」


「そうだよね。カズなんてただでさえ鋭めな目つきしてるのに、さらに鋭くなって殺し屋みたいだったよ」


「そりゃ言い過ぎだろ! 俺の目つきは優しい目つきですよね?!」


「……ハハハッ! プロデューサーさんも苦笑いじゃないか!」


「ちくしょー!」


 話がノッてきたのでプロデューサーに振ってみたのだが、あっ……みたいな表情をした後に苦しい苦しい笑顔をくれた。

 悲しいことに本当にやばい表情だったのだろう。


 これにはがっくりと頭が下がる。


「まぁまぁそんなに落ち込まないでよ」


「ケッ! やってらんねぇ……ストだスト! ストライキだ!」


「どうどう。カズみたいな男は少ないんだからレアだよ? 希少価値だよ?」


「んな希少価値なんていらねぇよ! そんな我侭いう子供見るような目で見るな!」


 まさかのイジられ展開もあったが後半も何事もなく進んでいき、いよいよラジオも終わりの時間

が近づいてきた。


「ふぅ……そろそろお別れの時間が近づいてきたな」


「そうだね。終わる前にあれやっとかないと、リスナープレゼント」


「あぁそうだな。えぇ……今ラジオを聴いているリスナーのみんなに僕らのサインと生写真入りCDをプレゼント! もちろん抽選だけど」


「詳しくはホームページに書いてあるからしっかりと読んでてね」


「ホームページに今日のラジオのアンケートがあるんだけど、それを書いてくれた人たちには抽選権があるからどしどしアンケート待ってまーす」


「それじゃあ今日はこの辺で」


「サンライズのワンナイトラジオ! お相手はサンライズのカズと……」


「純がお送りしました」


「それではまたいつか!」


「じゃあねぇ〜」



お久しぶり!

別に仕事が忙しくて遅れたわけではないぞよ?


ゴールデンウイークからどんちゃん騒ぎ……明けたらゼノバース2とペルソナ5を購入。

もちろんベッコリハマって気づけば5月も終わりかけ……あいたーっ!


仕事から帰り筋トレ、風呂、飯、ゲーム、寝る前に漫画を読みながら腹筋をして就寝。


んん〜……充実!

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