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そういえば、一也くんがどうやって名曲を再現しているのか疑問なことでしょう。


一也くんのスマホのウォークマンに入っているのを聞きながら作っています。


実は、電話帳とかその辺以外は変わっていません。


死に際に一也くんが持っていたものはそのままでワープしているので、今だに昔住んでいたところの鍵を持っています。 


これをご都合主義という。



 遂に正月休みが終わった。

 ゆるりとした生活から一気に忙しい日々の始まりだ。


 ギターの腕前はドレミの歌をなめらかに弾けるようになったくらいで、ギターの練習よりも家族サービスを優先していた。


 久しぶりに訪れた事務所では、予想以上に沢山の社員の女性たちに話しかけられた。

 桜子さん曰く、男成分がこの正月休みで枯渇していたらしい。

 

 普段はほぼ毎日会えていたおかげで潤いのある生活だったらしいのだが、慣れ親しんだ成分が急に途絶えたせいでストレスが溜まっていたようだ。


 いつもより多めに会話をして鮎川さんのもとへ挨拶に向かう。


「やぁ、あけましておめでとう。正月休みは満喫できたかな?」


「あけましておめでとうございます。おかげさまで家族とゆっくり過ごせました」


 桜子さんが淹れてくれたコーヒーを飲みながらしばらく談笑していると、純が部屋に入ってきた。


「あけましておめでとうございます! いやぁいい正月休みになったよ!」


 テンションがどことなく高い上にいつになく晴れやかな表情をしている。

 どうやら久々に忙しい日々から解放されたのがよほど嬉しかったらしい。


「さて、2人揃ったところで今後の予定を立てていこうか。桜子!」


「はい! 一応今後の予定はこのようにしようかと。」


 バサリと机の上に置かれた紙束の表紙には、サンライズ計画予定書と書かれており、ペラペラとめくってみるとそこには1日単位でびっしりとスケジュールが書き込まれていた。


「ここ最近寝ずに作りました! へへへ……どうですか?」


 とろりとした表情を浮かべながらニヤニヤ笑うので、せっかくの美人が台無しになっている。

 そして、もちろん純は引いていた……。


 しかし、こんなにヘロヘロになっただけあって、1日1日の予定が完璧に仕上がっている。

 しっかりと休日も入っており、不満は一切ないくらいだ。


「す、凄いですね……。これは訂正するところなんてありませんよ」


「確かにいいね。適度に休憩もあるし休日もあるし。ただ……新曲を3曲はさすがの一也でもきキツくないかな?」


「大丈夫です……。新曲に関しては2月か遅くても3月リリース予定なので、安心してください。

もちろん全曲こちらで用意しても構いませんよ」


 安心してくださいなんて言われても、ソファに深く座ってヘロヘロになっているので説得力が皆無だ。


 しかし、3曲となると中々大変かもしれないが、やってみたい気持ちが強くなってきたし、なによりまだまだ名曲の数々を放出したい。


「3曲頑張ってみます。2曲でストップしそうなときは相談しますね」


 そう言うと純が本当にいける!?的な視線を寄越したので、軽くサムズアップして応える。


「まぁ曲の方に関しては問題ないだろう。しかし、問題はメディア関係だな……どうする?」 


 今度は鮎川さんが紙束を机の上に置いた。

 

 そこには数々のメディア出演依頼について書かれており、地方のイベントから特番まで本当に多くの依頼が来ていた。


「自分たちのラジオを持つし、ラジオ関係は多めに入れとくのもいいんじゃないかな?」


「確かにそれがいいな。ラジオ関係は受けることにしよう。テレビは……バラエティじゃないやつがいいです。」


「そうか。こちらで選んでも構わないか?」


 鮎川さんは信頼できるので選別は任せることにした。

 桜子さんの平穏はまだまだ遠そうだ……。


 こうして今後の予定を立てていき、大体のスケジュールが決まった。


 1月中に新曲を出す予定だったが、他の男性アーティストが多く曲を出すらしいので少し遅らせることにしたらしい。


 このおかげでゆっくりと名曲選別ができるので、最高の1月になりそうだ。


 話し合いが終わりレッスンをみっちりとしていき、早速新曲制作にとりかかる。


 まずは前から決めていたDEENから1曲チョイスし2曲目はWANDSから、3曲目はサザンから拝借した。


 ラインナップはひとりじゃない、世界が終わるまでは…、涙のキッスだ。


 やはりここの王道は捨てがたし!

 少し王道から逸れた名曲はまだまだチョイスしづらいが、そこらを発表するのはもう少し売れてからだ。


 まだまだ人気獲得に励まなければならないときに、マンピーのGスポットなんて歌えないだろう……。


 

 そうして名曲のコピーをしているときだった……携帯に着信があったので見てみると、伊織さんからのメールが届いていた。


『今度の日曜日なら1日空いてる』


 久々に伊織さんとのデートが決まった……!

 すぐにこちらもフリーなことを伝えると、すぐに返信がきた。


『それなら朝から会えるな! 場所と時間はこっちで決めていいかな?』


 ここ最近はどちらの予定も合わなかったので中々会うことができなかったのだが、遂にフリーな日が重なった。


 場所は自由が丘で10時集合らしい。

 まだ日曜日までは日があるが、今からワクワクが止まらなくなってきた。


 伊織さんのおかげでいい感じで名曲コピーに捗れる状態になれたが、作業中に無意識の内にニマニマしていたようで、目ざとい明日香にバレてしまった。


「んん〜……なにやら嬉しそうだねっ!」


「あ、あぁ……今度の日曜日に伊織さんとデートすることになったんだよね」


 男護官である明日香に隠してデートに行くわけにもいかないので、ここは大人しく素直に白状した。


「へぇあ!? 伊織って相楽伊織ですよね? そうですか……いよいよ3人目なんですね……」


 2人には伊織さんを彼女にしたいということは伝えていたので心配ないと思っていた。

 

 しかし、強制的に5人以上と結婚をしなければならないとはいえ、先に彼女となった身からすると人数が増えていくことはやはり嫌なようだ。


 もちろんそんなことは分かってはいたが、実際に少しだけ切なそうな顔をされるとくるものがある。


 明日香には伝える前にバレてしまったので、綾奈にも伊織さんとのデートの日程を教えた。

 

 すると、綾奈も少しだけ明日香と同じような表情を浮かべたが、すぐにキリリとした表情へと切り替わった。


「いよいよ伊織さんを落としにかかるんですね……。」


 ただならぬオーラを漂わせながら呟いているが、別にこのデート1発で決めにいくつもりは全くない。


 もう少しデートを重ね、雰囲気のあるレストランで告白するというのが理想なのだ。


 しかし、今のところこちらから告白するというのは実行できていない……。

 綾奈には告白されて明日香には告白させられたような形だった。


 なので、伊織さんにはこちらから告白したい。


 大人びた印象を受ける伊織さんだが、実はかなりの乙女ティックなのでかなりイケる気がしている。


「べ、別に次のデートで告白するつもりはないよ。もう何度かデートしてから告白するつもり」


「そうなんですか……。それではデートの日はしっかりと警護しますからね!」


 ふんすと鼻を鳴らして意気込んでいるのだが、デート当日にあまり対抗心は燃やさないようにしてもらいたい……。


 一抹の不安を抱えながらもギターの練習を再開し、いよいよ運命の日曜日がやってきたのだった。



最近は引越しなどで忙しい日々を送っております。

東京近郊ではなく地方に住んでいるので、家賃が安いのが最高ですね。

物価も安いし!


2LDK借りても東京の1Kよりも安い問題!!

しかも駐車場込で!


やってらんねーよ!


私は5年ほど神奈川県の中原区に住んでいました。

2010年に武蔵小杉にですね。


そこの家賃が1Kで54000。

次の住むところは2LDKで44000(駐車場、固定水道代など込みで)。


アホらしくなります……。


家賃と電気代などで約70000近くが飛んでいく生活……不耐!!


地元サイコー!


というわけで、私も一也くんと同じく筋トレルームを作ります。

まぁ趣味部屋の中に筋トレグッズを置くだけですが、やっとこさ筋トレルームができるのです。


幸せ!


因みに私が使っていたトレーニング施設は1回260円で使えるので、わざわざジム会員になってやる必要がないのです!


これこそ地方の特権ですな!


地方はマッチョになるための環境が整っているのにも関わらず、意外にも肥満は東京などよりも多いんですよね。


これは車移動が多い上に飯が美味いというのが原因がらしいです。

東京は電車で立って会社まで歩きなどが多いですからね。


中々マッチョが増えなくて泣きそうです……。

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