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因みに事務所の人間が一也たちの素顔をリークした場合には死にます。


精神的に死にます。



「さて…今日は新曲の収録をする。発売はクリスマス前にするように手筈は整っているから安心してくれ。」


純と2人して鮎川さんの言葉に耳を傾けているのだが、果たしてそんなすぐに発売できるものなのだろうか…。


「本当にそんな短期間でいけるのか…みたいな顔をしているな…。もちろんいけるぞ。男性アーティストの力を甘く見てはいけない。向こうも万難を廃して取り組んでくれるからな…。」


心を読まれたことに2人して驚いたが、どうやら男の力でゴリ押すらしい。


あまり褒められたやり方ではないようなのだが、いい所を見せたい女性としては有り難い申し出らしい…。


「とりあえず…だ。2人には収録に取り組んでもらうからそのつもりでいてくれ。あとの詳しいことは桜子から聞いてくれ。」


鮎川さんの部屋を出てすぐに桜子さんにサンライズ専用部屋に連れて行かれる。


この部屋は遂にもらうことができた特別な部屋で、情報の流出を限りなくゼロにするために用意されたものだ。


「えぇ…今日はこれから収録を行います。15時までに収録を終わらせた後、16時から女性誌の…ガールズコレクションのインタビューがあります。22日10時には週刊誌のインタビュー、23日21時にはラジオの収録ですが問題はありますか?」


問題はないのだが、やはりラジオ収録には不安がある。


初めての生収録だから失敗も多いだろうし、何よりも聴衆率がどうなるかが不安だ。


ラジオはテレビほどパーセントが伸びないとはいえ、聴いてくれている人に対しての期待に応えられるかというのがある。


雑誌は間違えても訂正はきくけれど生収録となると…。


それでもいずれはやらなければならないので、今回のラジオ収録はいい経験だと思って気楽にいくことにした。


純のほうはストレスでハゲそうだが…まぁなんとかフォローしてくれるだろう。


駄目だったら助太刀すればいいわけだし。



桜子さんとの予定の確認を終えるとすぐに喉を作るためにスタジオへと向かう。


軽い発声練習と歌詞の確認に音合わせを行い、それら全てが終わるといよいよ次の新曲の収録となった。


はっきり言って俺からしたら新曲感はまったくなく、カバー曲というスタンスでいくことで楽にいけることができた。


いい曲作りますねという言葉もいいアレンジしますねと変換することで、心労を大分やわらぐことに成功した。


何度かやり直しやチェックを重ねること2時間…ほとんどオッケーな状況になり、昼休憩を挟んで再度手直しするところは手直しを行うこととなった。


「ふぅ…中々慣れないね…収録は…。」


大分慣れてきてるとは思うのだけれども純はそうではないらしい。


「そう?結構様になってるよ。」


「そうかな…?まぁ一也がそう思うだったらそうなのかも…。」


にへらと笑う純を見ていると、こっちも釣られてにやりと笑ってしまう。


「昼は軽めにしとく?」


「そうしようか。」


事務所近くの喫茶店に皆で向かいサンドイッチとカフェオレを注文する。


周りの女性の熱い視線とひそひそ話を聞きながら男性専用席へと座る。


こういうとき、純はいつも眉間にシワを寄せていたのだが、最近はそういう露骨な不満を表情に出すことはなくなった。


丸くなったのかどうなのかは今度聞いてみよう。


「そういえば…一也は結婚はどうするの?」


完全に失念していた…。


てっきり九条さん経由で伝わっているものと勝手に思っていた。


そういえば…レッスンで考え事していてうまくいかなかったとき怪訝そうにこちらを見ていたな…。


「あ…あぁ…いっ言い忘れてたけどもうこの2人とは付き合ってるんだわ…。」


そう伝えたときの純の動揺を忘れることはないだろう。


それを聞いて九条さんたちはニヤニヤとしており、なおかつ熱っぽい視線を純に注いでいる。


しっかりと硬直が解けるのを待っていると、純は金魚のように口を動かした。


「ま…まさか…その2人と……。一也に先を越されるなんて思ってもみなかったよ。」


明らかに動揺を隠せてはいないが、喫茶店で男が大騒ぎするわけにもいかないので割りと冷静さを保ててる方だとは思う。


現に手の震えでカップがカチャカチャと鳴っている。


「純だってもう頭の中にはあるんだろ?ちゃっちゃと決めたほうが幸せになれるぞ?」


「そ…そうはいっても…やっぱり心の準備とか色々あるじゃないか…。」


「そんなもの男護官に選んだときから覚悟してたよ。」


純もそうだと思っていたのだがどうやら違うらしい。


一応…準の好みの女性であり能力は確かなものということで選ばれた3人なのだが、結婚までの想像までには至っていなかったようだ。


結局は選ばれるであろう3人なのだが、今の純の言葉を聞いて眉がハの字に曲がってきている。


「そうだね…。僕も多少はいいと思えるのを選んだし、これまで付き合ってきて悪くないと思える様にもなってきてたし…。」


「まぁ…家に帰ってじっくり考えればいいさ…。じゃあそろそろ戻るぞ。」


純の葛藤は3人がいない所でしっかりとやるべきだろうし、そろそろ戻らなければならない時間だ。


会計を済ませ軽い喉の調節のあと仕上げの収録を終え、残す仕事は雑誌の取材のみとなった。


「どんなことを聞かれるんですかね?」


「もちろんサンライズのことと顔を隠していることについては聞かれるでしょう。


あと…個人的な質問はくるでしょうけれど、これは答えたくないときは断っても問題はありません。


時間は一時間から二時間程度ですからそこまで気負わなくても大丈夫ですよ。」


桜子にアドバイスを貰うと今日の雑誌記者の顔写真とプロフィールを手渡された。


どういう人物がくるのかしっかりとチェックをしなければならないそうで、それを見ても別に問題があるようにはみられなかった。


「もうすぐで向こうも準備ができるみたいなので、2人も準備をしておいてください。」


それから待つこと数分…桜子さんから準備ができたと聞いたので案内されて戦地へと赴く。


案内された部屋には可愛らしい女性が首から一眼レフカメラと身分証明書をさげ、手には資料であろう紙束とアイパッドを持っていた。


「ほ…本日は取材を受けていただいて…ありがとうございますっ!」


ガッチガチに緊張しているようだがこっちは仮面をしているため悟られてはいなさそうだった。


というか、明らかに向こうのほうが緊張していたので逆に緊張がほぐれてしまった。


ホラー映画鑑賞などによくある友達がビビりすぎてると冷めてくるあれだ…。


テーブルを挟んで向かい合うように座り名刺を受け取る。


掛川奈津子…改め掛川さんは深い深呼吸をして気持ちを作ろうとしている。


その様をじぃ…っと眺めていると、パチリと目を開いた掛川さんとバッチリ目が合い顔を紅くさせていく。


「ふぅ…それでは取材を始めさせてもらいますねっ!」


こうして初めての取材仕事が始まった。



電車の中で吐き気との戦い…。


執筆も命がけやで…。




最近はランキングの日刊を100位まで見てるんですが、割りと中位〜下位辺りに私の好きな感じののが転がってるので、ランキングは下から見ていきます。


ランキングに乗らない設定の人も結構多いっぽいので、隠れた名作を見つけるのは中々大変です。



最近は筋トレではなくランニングメインの体力作りに励んでいます。


ロードに乗ったり庭造りをしたりと身体を動かしながら鍛えられることをやっています。


割りと普通の筋トレでは使わないような使い方をするのですぐに筋肉痛になりますし、タイヤをハンマーで叩くやつと似てますね。


因みにほっぺた大好きです。

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