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現在の一也くんのいる世界の日付は12月18日です。


一応ね。



変わったといえば呼び名というか、話し方を変えることになった。


付き合っているのに敬語というのはどこか余所余所しいという明日香からの抗議を受け、敬語や敬称はつけずにいくこととなった。


もちろんこっちとしても彼女に敬語というのはどこか違うと思っていたので、明日香の抗議は願ってもないものだった。


「おはようこざ……おはよう…一也…。」


頬を染めつつ恥ずかしそうにそう言う綾奈はとても新鮮で、いつかは慣れてしまってこういう姿は見れなくなるのだろうなと悲しくもある。


「お…おはよう綾奈…。」


もちろんこっちもまだまだこっ恥ずかしい。


「おはようっ!か…一也っ!」


もぞりと布団から抜け出してリビングに出れば、明日香が今日も元気に笑いながら挨拶をしてくる。


今日の朝ごはんは明日香作で日本らしい和食な食卓だった。


意外にも明日香の得意料理は和食で、両親が老舗料亭を開いており姉が跡を継ぐらしい。


小さい頃から料理だけは仕込まれてきたので、和食に関してはプロクラスの腕前なのだ。


朝からひじきが食べられる幸せったらないね。



さて、今日は2人と付き合い始めたことを鮎川さんと明里たちに伝えなければならない。


鮎川さんにはまだいいのだが、我らが国東家に伝えるとなると少々不安がよぎる。


朝ごはんを食べてニュースのチェックを終えたらすぐに事務所へ赴く。


「ん?そうか…。3人は身を固めたんだな。」


鮎川さんの前に立つやいなや見破られてしまった。


出鼻を挫かれた形になってしまったのだが、とりあえずは鮎川さんに報告する。


「まぁ…男護官と結婚するのは当然といえば当然か。大抵は男護官3人で最初のノルマを埋める人が多いんだが、あと1人はどうする?」


確かにあと1人をどうするかも問題だ。


候補はもちろんいるのだが、伊織さんに告白するのは歌手として同じ場所くらいに行けたときと考えていたのだが、こればかりはどうしようもない。


最悪25までに3人決めればいいので余裕があるといえばある。


1月で23になってしまうがまだ2年の猶予があるのだ。


それまでに同じ所までいけるかどうかが問題で、それまでに伊織さんが残っててくれるかも怪しいし、大穴で告白されるパターンも考えておかなければならない。


そう考えると伊織さんとも決着をつけなければ後悔することになりかねない…。


考えた挙句にデートのお誘いをしておき親睦を深める作戦に出た。


綾奈たちと比べると、伊織さんと会うペースなんてたかが知れているし、綾奈たちみたいに自分にどれだけの好意をもっているのかがわからない。


デートの誘いに乗ってくれたということは好意はもってくれていると考えるが、それでも男としてすきなのか個人が好きなのかの判断がつかない。


やはりここは妥協してはいけない…付き合っていく中で育まれるでは遅い気がする。


最低でも5人の女性と付き合わなければならないのに、1人が個人ではなく男だからということがわかっていたら真剣に愛せない。


5人を平等に愛して…愛でていきたいと考えてる俺にはそれは致命的といってもいい。


差を作ってしまって仲が悪いなんてことは避けたいし。


そんな考え事をしながらレッスンを受けていたのだが、やはりレッスンに身が入っていないとお叱りを受けた。


共に受ける純も心配してしまう始末だ…。


男護三姉妹のほうは付き合い始めたことを知っているが、純はまだ知らないのでなんで悩んでいるかはわからないらしい。


レッスンが終わってすぐに純に報告すると、純は驚きのあまり固まってしまい男護三姉妹は黄色い声をあげる。


純も早くした方がいいというアドバイスを授け、軽い放心状態の純を男護三姉妹に預けて別れた。




さて…晩御飯は寿司を食べることにした。


2人と付き合うことになった記念として美味しいものを食べておきたいという理由で選んだ。


タクシーの中で国東家にメールを送るとすぐに返信が帰ってきた。


もちろん心配する声とともに家に連れてこいという内容で、要は私達のチェックが必要だということなのだろう…。


まぁ反対されてもここは折れるつもりはないが、心配する親心というものはわかるつもりだ。


そのことを2人に伝えると、綾奈は苦笑いを浮かべ明日香は軽く震えている。


綾奈は会ったことがあるからそこまで心配はしてないようだが、明日香は初めて会う上に値踏みされることが明らかなので戦々恐々としていた。



寿司屋に着き、個室でゆっくりとこれからのことについて話し合う。


「3人目はやっぱり伊織さん?」


熱々緑茶を入れ終わった綾奈がそれを配りながら聞いてくる。


「そうしたいのは山々なんだけど中々…ね。」


「伊織ってあの相楽伊織…だよね?一也なら余裕でいけると思うんだけど…。」


明日香がこう言うのも無理ないことだ。


綾奈も美人系で明日香もどちらかというと美人より、伊織さんに至っては完全な美人であり、美人よりも可愛い系の需要が高いここでは美人はまったくモテないのだ。


モテるモテないの概念があるのかと言われると怪しいが、選ばれる確率はグッと下がる。


密かに一也はB専なのではないかと心配されたくらいだ。


「う〜ん…2人の時もそうだったけど…男だからで付き合いたくないんだよね。俺を好きでいてほしいというか…ね?」


「その気持ちは分かるけど…伊織さんってそんな簡単に会えるんで…会えるの?」


そうなのだ…問題はそこで、伊織さんと会える機会というものはそこまで多くない。


どうやってしっかりと好きになってもらうかが問題なのだが、そのチャンスが少なくて打つ手がないという…。


「とりあえず…デートの約束をしてるので、その時に少し強めのアプローチをかけてみようかなと…。」


今できることはジャブを打って出方を見ることだ。


好意があるのは確実だとしても愛があるかどうかを確かめなければならない。


なんだか選ぶ側に回った途端偉そうな気もしてきたが、ここでの結婚は向こうでの結婚よりも重い…。


この世界でのバツイチは女性としては終わりという烙印でもある。


男に見捨てられた女性はまず再結婚の道は消え、就職活動でも前科持ち一歩手前くらいの扱いを受ける。


慎重にもなるししっかりと選ばないと向こうにも迷惑をかけかねないのだ。


伊織さんに限ってそういうことにはなりえないとは思うが、万が一という可能性もあるのでしっかりと確認はしておきたい。



そうして寿司を食べ終わった後は家に戻りゆるりと眠りに入った。









「もしもし…伊織さん?」


「ん?どうしたのかな?綾奈から電話をかけてくるなんて珍しいね。」


「伊織さんに報告したいことがありまして…私と明日香という男護官が一也さんと付き合うことになりました。」


「……………………………そっ…そうかっ……それはめでたいにぇ………。」


「一也さんは伊織さんを3人目にしたいって考えてるみたいなんですけど…伊織さんは一也さんのことは好きですか?」


「も…もちろんだっ!初めて見たときから丹田にくるものがあったくらいだ!」


「そうですか…伊織さんは優しいイケメンな男である一也さんを好きなのか、一也さんが好きなのか…一也さんはこれを一番気にしてました…。」


「そうか…私は最初は優しいイケメンな男だったから好きになった所はあるが、それでも何度もデートをしている…。その中で一也くんを好きになっていったし愛してると言ってもいいくらいだ。もう私には一也くん以外の男になびくことはないよ。」


「それなら良かったです。伊織さんは一也さんに大人な女性をみせようと背伸びしてませんか?一也さんはそんなこと気にしませんよ?次のデートでは本心を…素を少しは出してもいいと思います。」


「肝に銘じておくよ。話はそれだけかな?」


「はい。それではまた…。」


綾奈さんのアシスト発動!


実はこういう動きも有るんですよというのを見せました。


綾奈さんが明日香さんに勉強などを教えてる時にも、どうやって一也から寵愛を受けるか相談しあっていたのです。


ほぼ全てが主人公目線で進んでいるので、こういう描写をするのはこれが最後…とまでは言いませんが、基本的にないと思ってください。


主人公目線だけのほうが感情移入しやすいというか、物語に入り込めるんですよね。


あっちいっちゃこっちいっちゃすると俯瞰で見てる気がしますし、大体話が進んで戻って進んで戻ってを繰り返すのは好きじゃありません。


本編完結後だったり、一章完結後とかならまだいいんですけどね。


なんかそれっぽいことを言ってはいますが…纏めると面倒くさいということですな!


矛盾点とか大量生まれそうですし!修正やら辻褄合わせが大変そう…。


要望があればいつかはやっちゃうんでしょうけど、本編が落ち着くか完結するまではやらないのであしからず。

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