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今回の話が一番文字数多い様な気がする。



目を冷ませば目の前には眠っている綾奈さんがいる。


昨日起きたことを思い出すと顔から火が吹きそうになるが、一世一代の告白をしてきた綾奈さんにどうして恥をかかせられようか!


告白する気満々の所に告白されるというのはなんとも締まらない形ではあるが、それでも綾奈さんと付き合うことになったことのほうが喜ばしい。


じっと綾奈さんを見つめていると、パチりと目を開いた。


たっぷり5秒ほど見つめ合うと段々と綾奈さんの顔が赤く染まっていき、もぞもぞと布団から出ていってしまった。


「もうっ!起きてるんなら起こしてください!は…恥ずかしいじゃないですか!」


顔を真っ赤にして朝食を作りに行ってしまったので、布団の中でぬくぬくと1人寂しく暖まることになった。


あんな反応をされるとどうしても悶々としてしまう。


布団でもぞもぞと悶ていると部屋がノックされ声をあげると、明日香さんがゆらりと入ってきた。


「おはようございます…。」


どこか元気がないように思える…。


いつもは元気一杯に布団を剥がしにかかってくるのに…だ。


「綾奈さんはうまくいったんですね…。」


その事か…と、少しだけ冷たい汗が滲んできた。


2人は同じ部屋に寝ているのに夜出たきり戻らなければ、それは告白が成功していることを表している。


明日香さんも元気が先行して意識してはいなかったが、男護官になれるくらいなので頭は相当いいはずなのだ。


夜のことと綾奈さんの幸せオーラを見れば嫌でも分かるというものだ。


私は選ばれないかもしれないという不安を与えてしまったかもしれない。


こんな同情ではなく、明日香さんとは純粋な関係でいたい。


「明日香さん…。今日は2人でデートしませんか?」


「本当ですかっ!?もちろん行きますっ!2人でっ!」


今まで陰鬱なオーラを纏っていた明日香さんのオーラが一気に日向の様なものに変わる。


綾奈さんには先手で王手飛車角取りを決められてしまったが、ここから先はこちらから王手をかけていきたい。


綾奈さんと付き合うことになったのに、明日香さんだけは保留にすることはできない。


ウッキウキで部屋を出て行く明日香さんを見ながら今日のデートプランを頭の中で考える。


さっきの印象的にそこそこ嫉妬深いというか、割りと心を壊しやすそうな印象を受けたので、あっまあまなデートをするのもいいかもしれない。


向こうでは唾を吐かれる側だったことをやるのだ…多少の抵抗があるのは仕方ない。


ベッドから這い出てて、いの一番に綾奈さんに今日の予定を知らせる。


やっぱり、付き合うとなった瞬間に次の女の人とデートに行くというのは不誠実だと思ったし、男護官である綾奈さんには伝えでおかないとまずい。


「明日香さんも幸せにしてあげてください。」


そう言われたときはやっぱりこっちの女性は強かだと思わされた。


鮎川さんには今日のレッスンを休むことを伝え、綾奈さんの作ったご飯をもりもりと食べていく。


綾奈さんはふわふわなオーラを纏い、明日香さんは宝くじの高額当選にでも当たったかのようなオーラを纏っている。


「それでは行きましょうっ!」


トイザらスに行くことになった子供よりも興奮を抑えられないといった感じの明日香さんに、少し父性をくすぐられてしまう。


明日香さんに引っ張られる様に出ていったのだが、俺に見えないように明日香さんと綾奈さんはボディランゲージをしていた。


「どこに行きますか?」


しっかりと手を繋いで聞いてくる明日香さんには秘密にしておき、目的の場所へと向かっていく。


到着したのはアクセサリーショップ。


綾奈さんの指のサイズはこっそりと測ってあるし、ここで明日香さんの指輪のサイズを見ることが出来れば、サプライズ結婚指輪をすることができるのだ。


しかし…アクセサリーを見てわーきゃー言ってる姿、こういう所は向こうの女性とまったく変わらない。


「これとかどうですか?」


ハートの石が入ったネックレスを手に取り首元に合わせながら聞いてくる。


「う〜ん…それもいいけどこっちもいいと思うなぁ…。」


さりげなく…あくまでもさりげなく指輪を勧めてみる。


やっぱりこういう時のこっちでの男のパワーは偉大で、すぐに明日香さんは指輪のサイズ確認を始めた。


策士一也の計略は成功した…。


明日香さんは勧めた指輪を購入することにしたので、明日香さんが取った指輪のサイズを確認しておく。


これで2人の指輪のサイズは把握した…。


いつ指輪を買いに行くのかが重要で、これもまた純の所に協力してもらうしかなさそうだ。


指輪を買ってホクホク顔の明日香さんの手を取り次の目的地へと向かう。


家具などを取り揃えた場所に行って将来はこういうキッチンがいいやら、こういう家具を揃えてこんな感じの家にしたいなど、夫婦になってからの生活を妄想するというやつをやった。


もうすぐで夫婦になる…もしくは新婚さんがよくやっているやつだ…。


一度やってみたかったとはいえ、あまり明日香さん的には楽しくないだろうなと思っていたのだが、思っていた以上に明日香さんが妄想するものだからついつい2人で浸ってしまった…。


子供服の前を通ればこんな子供がほしいやら、子供にはどんな名前を付けるかなどで盛り上がり、傍から見れば2人が付き合っているとしか思えない会話だ。


2人してテンションが上がってるせいで気づかなかったが、こんなに幸せな状況になれるとは思っていなかった。


もう少し意識してしまってギクシャクするかなと思っていたのだが、まさか良い方へと転がっていくとは思わなんだ。


昼は明日香さんの希望で中華を皿で頼んでシェアする食べ方をした。


こういう食べ方は一度はやってみたかったそうで、それならばとあ〜んをした時の明日香さんの恥ずかしそうながらも嬉しそうな顔は、心のアルバムに永久保存となった。


まるでカップルのようなデートを繰り広げ、昼食も美味しくいただき終えた。


「つ…次はどこに行くんですかっ?」


「次は映画を見に行こうと思ってます。この前見たいっていってた映画…あれです。」


この世界では王道ジャンルである格好いい男性と、少し容姿に自信のない女性の恋愛ものだ。


テレビでCMを見たときに見たい見たいと言っていた作品で、その時に聞いたのだがこういう作品をよく見るらしい。


しかも、そんな作品を好きな人見れたら幸せですっ!(ちらちら)みたいなことをしていたので、このプランは必ずや喜んでくれると思って考えたのだ。


「うわぁ!見たかったんですこれっ!ささっ!行きましょうっ!」


明日香さんに引っ張られる様にして映画館へと向かっていく。



映画のチケットを買い、ポップコーンとジュースをしっかり手に持ち特別席へと案内される。


映画館に入った時からよからぬ視線をバシバシと感じているが、特別席にいくのなら安心ということで見るのはそこになったわけだ。


これは明日香さんのおかげともいえるのだが、もしもあんな暗がり男が1人で居ようものならすぐにペロリンチョ。


映画どころではなくなってしまうのは確定的に明らかだ。


所謂ボックス席のようなところから見ているのだが、なにかが違うような気がするのだが気にしないことにした。


余談ではあるが、映画泥棒の人は女性なのだがスタイルがよく、羽交い締めにされてるときのおっぱいがどーんってなってて興奮した。


映画のほうはというと、別に美人すぎて容姿のどこに自信がないのかという人と、大してイケメンでもない人がやんややっていたのだが、なんというか勘違い男に惚れてしまった美人という風に見えた。


要はコメディっぽく感じてしまった…。


よくあるバラエティの理想のシチュエーションで、芸人とモデルが役を演じているのを見ているようなアレ…。


終わった後に面白かったと興奮する明日香さんとは別方向に面白かったので、面白くなかったよりはよかったと安心した。


たっぷり2時間とちょっとの時間を潰し現在16時過ぎ…デートプランではここから18時以降までの時間をどう潰すかの予定はなく、完全に明日香さんの行きたい所にでも行こう作戦だった。


「どこか行きたい所とかあります?」


「そうですねぇ…服を見に行ってもいいですか?」


そうして明日香さんのコーディネートに付き合い、明日香さんに似合う服を片っ端から見ていく。


その中で何着か気に入ったものをさらに選び抜き2着ほど購入した。


2人でああでもないこうでないと言いながら選んだけあって、時間はすでに19時までもう少しというところまできていた。


「それじゃあそろそろ夕御飯といきますか。」


「そうですねっ!行きましょうっ!」


夕御飯を食べる場所はもちろん夜景の見えるレストランというベタな所を選んだ。


向こうではベタでもこっちでは憧れのシチュエーションらしいのだ…。


因みに一番人気のシチュエーションは幼馴染としてやってきて家で…ってのだ。


明らかにそわそわし始めている明日香さんをあえてスルーし、運ばれてくるコース料理を堪能していく。


「おっ…美味ひいですね…っ!」


「そうですね。さすがはミシュランにも選ばれただけはありますね。」


さすがにこの雰囲気と今までのカップルのようなデートから察している気がする。


というか、ここまでお膳立てしているのに察していなかったら驚きではある。


あえて一旦はずしてからサプライズ告白か、そんな一瞬でも悲しい思いをさせずにいくかで揺れる。


好きな娘に意地悪したくなるやつがこのタイミングで来るとは思わなかった。


しかし、こんなにも嬉しそうにそわそわしている明日香さんに少しでも悪戯心を出すと、心が壊れて立ち直れなくなるのではと心配になったので、その悪魔な心を押しつぶす様にして消し去った。


コース料理も気づけばデザートまできており、楽しい時間というのは早く過ぎるものだと実感する。


明日香さんもわかってはいるしオーケーが貰えると分かっていても緊張はする。


「明日香さん…。」


デザートを一生懸命食べていた明日香さんが体をビクリと震わせてこちらを見る。


「明日香さんがよければ…これからもずっと一緒にいてくれませんか?」


ベタなデートからベタな台詞だ。


それでも明日香さんが好きなのがこれなのだ。


少しボーイッシュな明日香さんだけれども心は限りなく乙女というか、白馬の王子様が好きで好きでたまらないのだ。


それくらいのことはわかっていたし、そういう所も可愛くしかたがなかった。


「もちろん私もずっとに一緒にいたいです…。本当に私でいいんですか?私って綾奈さんほど要領よくないですし、伊織さんみたい大人な魅力もないですし…それに……。」


言い終わる前に明日香さんの手を取りもう一度伝える。


シンプルに一緒にいたいことを伝えると、明日香さんはポロポロの涙を流し始めた。


「私は幸せ者です…。夢が叶った上にもう一つの夢まで叶いました…。もう死んでもいいくらい幸せですっ…。」 


そういう明日香さんは少しだけ落ち着いたというか、緊張の糸がプツリと切れたような印象を受ける。


「まだまだ死んでもらったら困りますよ。明日香さんには俺の夢を叶えてもらわないといけませんからね。」


「へ…?一也さんの夢ってなんなんですか?」


当然芸能界での成功を思っていたであろう明日香さんから変な声があがった。


「もちろん幸せな家庭を築いていくことなんですけど…それには明日香さんが必要なんですよ。」


幸せなそうな笑顔が目の前にあるけれど、周りのできるオーラのある女性やスタッフたちからの憎しみに近い視線が恐ろしく、目の前の笑顔からは二つの意味で目が離せなかった。



なんか2話に分けるべきだった気がするけれど、恋愛経験が豊富とはいえない私にはデートプランを考えるのが難しく、詰め込むことで誤魔化しました!


一応ベタな展開が好きな明日香さんとしては、今日のデートは最高だったのですが、描写不足は否めない…。


2話に分ければダレるし1話じゃ詰め込みがすぎるというジレンマ!



こういう時は筋トレだね!


足を鍛えるために私がやっているのは足の指を開いた状態でのグーパーです。


これがなかなか足とふくらはぎに効くんですよ!


階段では背伸びした時に地面についてる部分だけで登ったり。


グーパーは湯船に浸かりながらできるのでこの時期にはいいですよ!


手もグーパーすることで腱鞘炎の防止にもなりますからね。


こういうオリジナルというか…閃いたやつをやるのも中々乙なもんです。


調べれば実際にある健康法なんですがね…。

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