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少し長めにしてみました。
このくらいのがいいかな?
さて、ご飯を食べ終わり綾奈さんと明日香さんの二人と話し合いが始まった。
「一也さん……ここに私が常駐してもいいですか!?」
綾奈さんがテーブルから身を乗り出して聞いてくる。
しかし、さすがに男と女かひとつ屋根の下というのはまずい。
「それはちょっと……」
「そうですっ!! 野獣と一也さんを一緒にはできません!」
明日香さんもすかさず反論していたが、野獣のくだりはさすがにどうかとは思う。
「で、ですが、一也さんにもしものことがあったときにここじゃないと対応ができません。
このマンションには、女性は結婚しているなどの理由がない限り住むことができないので、ここから少し離れた場所に待機することになります。
しかし、これではストーカーを止めることができないかもしれません」
綾奈さんの言っていることはもっともなのだが、理性や倫理観などが綾奈さんとの同棲をさせまいと頑張ってくれる。
「私が下にいるので大丈夫だと思いますっ!」
「明日香さんは武器を持った相手に一也さんを護りきれる手段があるんですか?」
明日香さんの高らかな宣言も虚しく、警察官としての綾奈さんの現実的な意見にぐぅの音もでなくなってしまった。
「一也さんのもとに来るのに時間がかかるのは何としても避けねばなりません。もしも間に合わなかったときのことを考えるとこれはしかたありません。」
綾奈さんの正論に反論できない明日香さんが絞り出した答えは……。
「それなら私も一也さんの家に泊まりますっ!」
明日香さんの急な暴論に目が点になる。
"いいですよね!"と、こちらに迫ってくる明日香さんはどこか鬼気迫っている。
正直言うと、明日香さんに対しての印象はいいので、家に来てくれるのは万々歳なのだがこれでいいのかと自問する。
美女が2人も家に来てくれるのは正直うれしいが、それが毎日ともなると流石に危うい。
ガードゆるゆるな美女が二人も目の前にいたら……想像しただけでも鼻の下が伸びてしまう。
しかも、女性は男性を求めすぎているために、手を出してくれてありがとうございます状態なのだ。
まさに据え膳食わぬは……だ。
しかし、そこで手を出してしまったら本末転倒もいいところだ!
『自制だ……自制だ一也っ!』
自身にそう言い聞かせて沸騰しそうな頭を冷やしていく。
「大丈夫ですっ! 私こう見えても男護官の資格を持ってますからっ!」
綾奈さんが切り札を出した!みたいなドヤ顔を決めているが、男護官ってなんだ……?
「すいません綾奈さん。男護官ってなんですか?」
明日香さんと綾奈さんがこちらに凄い勢いで振り向いてきた。
何がそこまでおかしなことなのかさっぱりわからない。
「一也さんは男護官のこと知らないんですか!?」
「男護官っていうのはその名の通り男性を守るべく存在する人たちのことですよっ! エリートなんですよっ!」
二人に詰め寄られて身を引いてしまうが、パソコンを使って男護官について調べる。
倍率は500倍になることも少なくなく、採用人数の平均も20人程度なのに何故こんなにも人気かと言うと、男護官になると男性に近づきやすくなる上に結婚をして愛される確率がとても高いのだ。
というのも、男護官になるためには幅広く深い知識が試される第一次試験、そしていざというときに男性を護るための力と体力を測る第二次試験、そして最後の難関試験である耐男性力を測る第三次試験。
この三つを突破できたものだけが男護官となれる。
男護官になったあとも一年間の厳しい訓練を経て、正式に男護官となれるのだ。
男護官となったものは男性に対して過剰な反応を取りにくいため、男性からの信頼や好感を得やすいということもあり、男性側からもトップクラスで人気な職業である。
「す、凄いんですね男護官って」
「もちろんですよっ! 基本的に男の人は男護官を一人以上は持ってるものなんですけどね」
「恐らくなんですが、男護官を持っていないというのも今回のストーカー被害に繋がったんじゃないかとも見ているんですよ」
"なので私が来たんですよ!"と、腰に腕を当てる綾奈さんなのだが、それでも中々美人とひとつ屋根の下というのは抵抗があるものだ。
「そ、それじゃあこのストーカーがいなくなるまでお願いします」
綾奈さんの先程の言い分や男護官というものを知り、仕方なく綾奈さんの提案を受け入れることにした。
実際にストーカーが襲ってきたときに間に合わなかった時のことを考えると、綾奈さんとひとつ屋根の下かストーカーからの強姦……結論は一つだった。
綾奈さんは応えに喜び、明日香さんはどこか悔しそうにしている。
「それでは荷物を持ってくるので、明日香さんにここは任せることにします」
そう言って立ち上がる綾奈さんだったのだが、明日香さんだけで大丈夫なのかという疑問が出て来る。
俺が訝しげな表情をしていることに気づいた綾奈さんがフォローしてくれた。
「こういう男性用マンションのコンシェルジュは男護官とまではいかないものの、それ相応のスキルを持っているですよ? 男護官の次くらいに人気な職業なんですから!」
綾奈さんの言葉に明日香さんは満面の笑みを浮かべている。
どちらかというとどこか抜けている印象の明日香さんなのだが……
「やるときはやるんてすよ?」
力こぶを作る明日香さんはそれはそれは可愛らしかった。
それでは頼みますと言って出ていく綾奈さんを見送り、明日香さんと二人っきりになる。
これから綾奈さんと二人で生活することが頭にあるので、明日香さんと二人っきりという状況にどこかそわそわしてしまう。
「そ、それじゃあ俺は風呂に入るから、くつろいでていいですからね?」
「はいぃ! くつろがせていただきますぅ!!」
顔を真っ赤にしてビシッと気を付けをして、ロボットのような動きをしてソファに座っていた。
着替えを持ってゆっくりと風呂に入って考える。
まさかストーカーに遭うとは思わなかった……。
やっぱりどこかこの世界のことを軽く考えている気がする…。
向こうで死んだことを理解していたし、第二の人生と思って気楽にいこうと思っていた。
しかし、現実はそこそこ厳しかったようで、幸せと不幸は紙一重ともいえる人生を送らなければならないということ。
幸いにも自分の周りにはいい女性が集まってくれている。
男性アイドルが街にいると知れたときの騒ぎなどは、餌に群がるゾンビのようだと本気で思ったくらいだ。
一般人の俺には直接的な被害は未だ来てはいなかったのだが、今回のストーカーを引いても目線などは少し身の危険を覚える程度にはあった。
5人と結婚することに別に抵抗はないのだが…守備範囲は太平洋のように広いし…選ぶ5人は慎重にしなければと再認識させられた。
ぼんやりと考えてみたが、結局は適当にこの世界を楽しもうという考えで纏まってしまう。
湯舟から一気に上がり、無駄な考えをしないように体をガシガシと拭いてリビングへと戻る。
が……だ。
完全に忘れていた……。
明日香さんがリビングで待っていることを……。
いつもの癖で風呂上がりの牛乳を楽しむべくリビングへと向かった……パンイチで。
もちろん扉が開く音で明日香さんがこちらに振り向いてくる。
この世界では男の上半身はセックスアピールになるもので、向こうでの女の上半身裸と同義とも言えるのだ。
明日香さんは口をパクパクさせており、まるで真っ赤な金魚のようになってしまっている。
その時なぜ明日香さんがこんなことになっているのか全く気付かなかったが、明日香さんがゆらりゆらりと近づいてくることですぐにわかってしまった。
その目は激情に煽られており声をかけても返答はなく、なにやら笑いながら近寄ってくる。
「か、一也さんの裸……一也さんの……ふへへ……一也さぁぁぁぁあん!!!」
蕩けきった明日香さんが飛びついてきて、俺はなすすべなく腕を抑えられて拘束されてしまった。
「か、一也さん……私、もう止まりません……!」
完全に蕩けきり、みずみずしい唇をゆっくりと近づけてくる。
しかし、俺も伊達に筋力トレーニングをしているわけではないのだっ!ここで発揮せずにどこで発揮するんだっ!!
明日香さんの拘束をなんとか解き、逆に明日香さんを下にして拘束する。
「あぁ一也さん……そんな、積極的……いいですよぉ……うぅん……」
目を閉じて唇を尖らせてくる明日香さん。
正直言ってこのまま欲望に沈み込んでしまいたいが、俺は気になる女性とそんな関係ではなくしっかりとゆっくりと関係を作っていきたいっ!
そんな思いから首にかけてあったタオルで明日香さんの腕を拘束し、服を着て明日香さんが落ち着くか綾奈さんが戻って来るのを待つ。
「あぁん一也さぁん……身体が熱いんですぅ……」
時折聞こえてくる明日香さんの艶めかしい声と少しはだけた服に、抑えつけている理性が大暴れしている。
「それでいいのか一也ぁ! お前……今こそチャンスなんだぞぉ!!」
「ダメだジョニー !俺がここで手を出せばもう後には戻れないんだっ!!」
「いいじゃねぇかよぉ! どうせ何人でも責任はとれんだ! 一人や二人増えたところで構わねぇだろぉ!? 俺を開放してくれよぉ!」
「ダメだジョニー! いくら何人でも結婚できるからって、無責任なことはできない……!」
「一也さぁん……お願いしますぅ……」
「ほら……あの娘を見ろよぉ!! お前を待ってんだろうがぁ!!」
「ダメだ、ダメなんだぁ!! ジョニー! こんな愛のないことできわけないだろぉ!!」
一人頭を抱え、ジョニーと激戦を繰り広げているときだった。
ピンポーンという天の助けが部屋に鳴り響いた。
「おぉい! そんなの無視して据え膳を食っちまえよぉ!!」
煽ってくるジョニーを頭から振り払い扉を開ける。
「くっ……わかったよ。お前がその気なら仕方ねぇ……次の機会を待つしかねぇな……」
「ジョニー……」
「じゃあな。次はうまくやれよ……」
再度鳴るインターホンを聞き部屋の扉を開けると、綾奈さんが大きな荷物を抱えて部屋へと入ってきた。
「待ってましたっ!!」
突然肩を掴まれて驚き固まる綾奈さんを部屋へと招き入れ、明日香さんの状態を綾奈さんに見せる。
「ど、どうしたんですか? これは……」
綾奈さんは拘束されている明日香さんを見て引き攣ってしまっている。
拘束されている明日香さんは、身体を軽くビクビクさせながら恍惚な表情を浮かべている。
「いや、あのぉ……パンイチで明日香さんの前に出てしまいまして……」
そう言うと綾奈さんは頭を抱えてしまった。
「何やってるんですか! 羨ましい……そんなことしたら私ですらああなる自信がありますよっ! 一也さんはもう少し慎みを持ってくださいっ!」
ぷんぷんと怒る綾奈さんなのだが心の声が少し漏れている。
「はい、以後気をつけます……」
それからは発情した明日香さんを綾奈さんに任せて正気に戻してもらい、明日香さんと謝り合うという妙な光景が生み出されてしまった。
もちろんその日の明日香さんが捗ってしまったことは言うまでもないだろう。
VRMMOを書くのが飽き、純粋なラブストーリーを書いています。
カップルが離れてくっつくかくっつかないかという話が好きなので、そういうのをこっそりと非公開で書いています。
こういうハーレムを書いていると、純愛系の小説を読みたくなるんですよね…。
しかし、なろうにはそういう系の小説少ないですよね〜。
眼鏡君と美人のお話を書いている小説はとても面白く、何度も読み返したのですがあまりありませんよねぇ…。
あと、脇役やモブが恋愛する系も大好きです。
エブリスタで一時期流行った脇役系なのですが、なろうではあまりありませんよね。
この小説を読んでくれている人…書いてくれてもいいんですぞ?チラッチラチラッ
追伸
今回も筋肉トークはありますん。
筋トレをするときは柔軟を行う時間、日を決めておきましょう。
筋肉がついてくると可動域が狭まります。
しかし、柔軟性を高めておくことで、筋トレ中に関節に無理な負担もかかりにくくなりますし、筋トレのフォームもよくなります。
柔軟性のある筋肉を目指しましょう。
硬いだけが筋肉ではありません。
むちのようにしなる筋肉を手に入れましょう!!
さら追
電車で後ろに立つ女性の臀部が何度か私の腰に当たってきたのですが、アニメやマンガであるようなラッキーさ、幸福感はまったくなく、痴漢冤罪でもされたらどうしようと内心ビクビクしながらつり革を掴んでいました。
2度ほど頭突きされたので、これは選択を誤ったらお縄だったんですかね…。
今年の秋の恐怖体験でした。




