シャーベット
あたし絶対あなたを許さない
熱い血の通うあなたを
温かい桃色の頬のあなたを
絶対に許してあげない
聞いてよ 冷凍庫の中のあたしの声
見てよ 霜で冷えたあたしの体
知らんぷりしないでよ
あたしを凍らせたのはあなたでしょ?
指先を凍えさせたのは
睫毛を凍てつかせたのは
あなたへの憎しみだって、どうして気づかないの
あたしもう何も触れないし何も見えないのよ
ああ肌だって白くひび割れて
あなたに届く前に砕けてしまいそう
あたし絶対あなたを許さない
霜まみれになって死にたくない
あなたはあたしをシャーベットにして殺すのよ
絶対に許してあげない
お願い
初めて会った時のようにあたしの心を溶かして
甘い言葉であたしの血を通わせて
優しく手を引いてあたしを冷凍庫から救い出して
そして抱き締めてキスをして
あたしを人間に戻して
でないと
あたし、あなたの家の冷凍庫に
ずっと住み着いてやるわよ