穏やかな休日
何となく書いた日常
「ん〜。ん〜」
「何をそんなに悩む?」
「いや、あのね。私さ最近小説を書いてるじゃない?」
「そうだね」
ベッドでゴロゴロしながら携帯をみる。
「感想は賛否両論なのね」
「当たり前だよ。イチゴ味のかき氷が好きな人もいればメロン味もいる。まあ、俺はブルーハワイだけどね」
「そうね……あまり気にしない事にしようと言いたいが気になるのよ」
「じぁあさ、感想をブロックするのは?」
「それだと、いい感想が聞けない」
「自分にとって都合のいい事だけ欲しいのね」
「……人とはそう言う生き物なのよ」
「まあ、あまり気にせず好きな事を書いたらいいじゃない」
「ねぇ、いつまで引っ付いているのですか?」
「ん?僕が満足するまで」
「私達は恋人なのでしょうか」
「ん〜恋人ではなくても、色々する人もいるね」
「ん〜まぁ。心地いいからいいや」
後ろから抱きついている男から首筋にキスを何度もされる。
「天気もいいし、たまには俺とツーリングにでも行きませんか?」
「ツーリングね〜」
「ほら、君のホネ子ちゃん寂しがってるよ。北の夏は短いよ」
「あれは、ホネ子ではなくホネ吉なのよ。私は彼に跨るのが好きなのよ。あの尻に感じる振動と音で私は何度も快感を得ているわ。しばらく跨ってないわね」
「さて、何処に行く?海岸線をのんびりか新道を高速で突っ走るか」
「悩ましわ」
「まあ。ほら着替えて」
「はい、はい。あっ……インカムの充電が」
「大丈夫、君がスヤスヤと寝てるうちにしといた」
「ふふっ。頼もしい人」
「でしょ。共通の趣味もある。一緒にゲームだってする。君だけの趣味にも寛大。なかなかいないよ」
「そうね」
「身体の相性もバッチリ。これって君の好きな『真実の愛』の相手じゃない?」
「……たしかに。この空気の様に穏やかな日々を過ごせるのは貴方のおかげね」
「もっと褒めてもいいよ。念の為に言うけど僕はずっと君の恋人のつもりなんだけどな」
「あら、そうなの?」
「そうじゃなければ、こんなに世話をやかないし、休日の度に来ないよ」
「何となくそうだったらいいなぁ〜って思っていたけど、歳をとると勇気もなくなるし下手に聞いてこの関係が拗れるのも嫌でね。でも言葉にしないとダメね」
「改めて、僕と恋人になってくれるかな?」
「ふふっ。はい、よろしくお願いします」
「では、恋人としての初デートは、ツーリングしながらカフェに行こう」
「それいいね。久しぶりに、カフェで休んで、また走って、帰りはハンバーガーとゴマシェイクが飲みたい」
「はいはい、夕食として帰りに寄っていこうか」
「楽しみね」
「1つだけお願い、道の駅に寄った時も僕から離れないでね。いつも、離れた途端に他のライダーに捕まるんだから。ハラハラするから」
「ふふっ、わかったわ。でも、何処に行くの〜って話しかけられるだけよ」
「そう……自覚なしね」
「インカムは……繋がったわね」
「さあ、忘れ物はない?」
「大丈夫よ。では、しゅぱーつ」