光咲く
魔法学院のクラスメイトのルーチェは、目立たない勉強家で、いつも教室の隅の席で本を読んでいる。なんで一緒に夜の学校なんかに来てるかと言えば、昼休みに花壇の手入れをしている彼女に会ったからだ。夜にここへ来れば、何してたかわかるって。
花壇では、星の形の花がいっぱい咲いてる。ご丁寧に瞬いて、僕達を歓迎してる。
「シャイニングスターって言うの。園芸部で何育ててもいいっていうから、一生懸命育て方調べてね……」
なるほど、いつも読んでいた本は趣味用だったのか。
彼女はこっそり、自分の名前にも光という意味があるのだと教えてくれた。名前しか知らない彼女の中にたくさんの輝きが詰まっていたのを、僕は愚かにも知らなかった。