表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロープ  作者: 原口 モ
5/17

第5話 謎の女性

『ロープ』連載中です。

ホラーですが、あまり怖くないと思います!


綱渡りの最中、僕に声を掛ける謎の女性……

第5話 謎の女性です。どうぞよろしくお願いします。

   


 さっきまで恐ろしい程に無表情だった者達、今は満面の笑みを浮かべている。引きつったような顔の者、目を見開き口の端を吊り上げている者、それぞれに満面の笑みを。嬉しそうに。 




「ねぇ」


 僕は耳を疑った!

 

 人の声?


「ねぇ!」間違いなく人の声。


 声は、さっきまで僕が立っていた陸地ではなく、前の島から聴こえた。


──え! 何で!


 足元のロープから、視線を上げて島の方を見る。


「は!」僕は思わず声をあげた。


──う、嘘でしょ……


 島の中心付近、このロープが括り付けられた木の側に、人が立っている。女性が一人。


「何してんの?」女性が言う。


「え?」僕は混乱する。


──何してんの? こっちのセリフなんだけど。


 どこから現れた? いつから居た? なんでこんな所に? 

 

 二十代後半位だろうか、どこか時代遅れの黄色地に水玉の派手なワンピース。黒髪のショートボブに大きいリボンがついた白いヘアバンド。メイクには、詳しくはないが今風とは言えないと思う。


 不思議な印象の女性が木の側に立っている。



「ちょっと、あんた」


 この状態で、話しかけないで! 混乱させないで! 


「何してんですかぁ? ねぇ! ねぇってば!」


──もう!

「何! え、何!」小声で応える。


 声を出したら、バランスを崩しそうな気がしたからだ。イライラもしていた。この状況でよく、話し掛けてくれたものだ!


「何って、見ての通りですよ」


「なんで、そんなことしてるのかって聞いてんの」


「あ、あなたに関係ないでしょ」相変わらず小声で応える。


「落ちたら死ぬよ。たぶん」


──わかってるよ!


「こっち来ても何も無いけどぉ」


──ちょっと黙ってよ!


「どうせ、死ぬんだから…… ほっといて下さいよ、」少し声を荒げる。


「死にたいの? なら、ますます謎なんだけど」


──わかってるよ。言いたいことはわかってるけど、ほっといてよ!


「す、少し黙っててくれません」謎なのはあなたも同じなんですけど、とも思ったが口には出さなかった。


 

 そんな妙なやり取りがありながらも、実は足元は少しづつ動いていた。

 イライラして、少し雑になったのが思いの外、歩を進めた。



 大学受験に失敗して。何もやる気が無くなった。引きこもったり、バイトしてみたり。もちろんバイトなど続くはずも無く、人を怒らせてはすぐにクビになった。


 しかし、ひょんなきっかけで就職することが出来た。が……。そう、察しの通り超ブラック企業。


 これがトドメだった。ここから僕の健康と心は、音を立てて壊れていった。


 この綱渡りと同じで、生きる事に雑になった。そして、どうでもよくなった。



『ロープ』読んでくださった方がいましたら、本当にありがとうございます!


まだ続きます!

どうぞよろしくお願いします!

    原口 モ でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ